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LEGEND MONSTERS(レジェンド・モンスターズ)-The Extra-  作者: プリンアラモード
レジェモン外伝 #31~#33
123/149

#32 宝石使いの牢破り(前編)

◆今回登場する人物◆

サミュエル(32)

3年前、バッファル島の一集落を壊滅させた大富豪。スカーレット魔法帝国の監獄インフィニートに投獄されるが脱獄を試みる。ジョブはバイオレットジュエラー、獄中でジュエラーから昇級した。


マーリン(44)

インフィニートの看守長を務める最強のメイジ。固有魔法「コンバート」により体を実体のないエネルギーに変換することができる。変換後は音速移動が可能であり、物理攻撃も無効となる。

 その昔、バッファル島南のタイト村をある大富豪が襲った。名はサミュエル、ジョブはジュエラーであった。

 彼はその日、自身の圧倒的財力で手にした膨大な宝石類を使い、村人を殺しては殺し、村を壊しては壊しを行っていた。たっった一晩で村は壊滅し、次の日当時のバッファル島長・フォルテラと7賢者が総動員で彼を取り押さえた。

 そのまま彼は手足も拘束され、口を縛られ、何もできないという状況で地下通路からアストラル諸島へ移され、難攻不落の監獄インフィニートの独房へと投獄された。

 

 事件が起こったのはそれから3年の月日が経った頃のこと。口の縛りは解かれたものの、まだ彼の手足には枷があった。

 ところでこのサミュエル、彼はこの3年間腕をずっと鍛えて来たのである。そのお陰で、

「おらぁっ!」

と枷を壁に叩きつければいくら皇室な監獄の壁でも表面が少し剥がれてしまうのであった。

 加えて、彼にはもう1つ変わったことがあった。剥がれた壁の破片へ向けて、

「ジュエリーエフェクト!」

すると、その破片は瞬く間にガラス室の宝石と化すのであった。この「ジュエリーエフェクト」とは石を宝石とするものであり、それは上級職・バイオレットジュエラーの専売特許であった。つまりは、彼はこの3年でそこまで上り詰めたのである。

 さて、この「ジュエリーエフェクト」とは石へ特定の向きから魔力を一気に流すというだけのものであり魔法とは違った。また、一度魔力を宿した石は宝石として扱え、既に魔法を使わずとも攻撃などは可能となった。

 「ランス。」

サミュエルが言うと、その宝石は一条の光の筋となって檻を貫く。さらに、

「リフレクト。」

と言うと、筋は曲がり手枷と足枷を壊ししまう。

 「フッフッフッ...。」

こうなればもう彼は自由。

ズゴンッ!ズゴンッ!スゴンッ!

騒ぎに駆けつけた職員が銃を放つも、

「ジュエリーエフェクト!」

と言って、弾を全て黒い宝石に。

「ランス。」

言うと、光の筋が彼らの胸を貫いた。

 そして、死体の元まで来ると、

「固有魔法・デッドゴルゴン!」

と固有魔法を発動。「デッドゴルゴン」は死体を石化する魔法であり、彼が持てばまさに鬼に金棒。決して彼が持ってはいけないわざであった。当然、それを砕いて「ジュエリーエフェクト」と言えば全て宝石にすることができた。

 サミュエルは手にした宝石を手で跳ねながら正面玄関へ堂々と進む。

 ズゴンッ!ズゴンッ!スゴンッ!

「クラッシュブロック!」

「デスボール!」

「マルドゥーク!」

そんな彼へ増援でやってきた職員が銃を放ち、破壊のエネルギー塊を飛ばし、必殺の球を撃ち、巨大な魔力の斧を振り下ろす。それはどれもまともに受ければ人は一溜りもないものであった。

 だが、バイオレットジュエラーは違う。彼はニヤリと笑って、宝石をばらまき、

「ストラクチャー。」

と唱える。すると、その石それぞれから超硬質な柱が生まれ、

キンキンキン...!ドガァッ!ドゴン!バリィッ!

銃弾を弾くわ、暴発したエネルギーにビクともしないわ、球は消されるわ、斧は砕かれるわ。

 やがて、「ストラクチャー」の効果が切れて固い柱が崩れると彼の周りには既に浮いた宝石。

「ランス。」

と唱えると、一斉に筋が彼らの胸を貫いた。この時ももちろん、

「デッドゴルゴン!らぁっ!ジュエリーエフェクト!」

と石化からの粉砕、からの宝石化で石を補充する。

 その後も彼は次々多彩な技で職員を殺していく。しかも、その度に奴の宝石は増えるばかり。

 「ブレード。」

「ぐぁぁぁっっっ!」

ある者は宝石から生えた刃で真っ二つ。

「ダイナマイト。」

「がはぁっ...!?」

ある者は宝石を足元に投げられ爆死。

「スーサイド。」

「ぐっ...。な、ぜ...。」

ある者は宝石を額に当てられ勝手に自害。

「リンクドコア。」

バキンッ!

「がっ...。」

ある者は宝石が握りつぶされると同時に心臓破裂。

「スティック。」

ある者はあちらこちらに頭をぶつけられて脳が損壊。

 この相次ぐ戦闘のせいで多くの檻が破壊され、中の囚人も次々と出ていった。


 だが、監獄側には最強の味方というものがいた。

 「そこからは先に行かせん!」

そんな声が聞こえたかと思うと、

ギュゴォォォォォッッッ!

上から緑のレーザーのようなものが落ちてきて衝撃波が脱獄犯を吹き飛ばす。 一直線に地面が抉られあちらこちらに石の破片が転がる。レーザーが落ちた場所にはクレーターができ、その中央には体格の良い1人の男が立っていた。

 「貴様、誰だ?」

サミュエルは咄嗟に作った硬質の柱を崩した後、男の存在に気付いて誰何する。

 これに男は答えた。

「俺はマーリン、この監獄の看守長である。」

と。

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