#29 黄昏の銃使い
◆今回登場する人物◆
シルバ(24)
黄昏界の住人。クロスサイドに属している。強者の血筋を引き継ぐ、もう1人の神宿しゴッドドウェル。その力を自分の物としている。
ワイフ(24)
黄昏界の住人。クロスサイドに属すシルバの竹馬の友。シルバの腕をしっかりと認めている。
ウィクトル(37)
科学惑星・ウトガルド出身、海洋惑星・ニブルヘイム在住の銃使い。クロスサイドに属し、シルバとは盟友関係にある。彼の銃の腕前は黄昏一と言われ、かつては"ゴッドハンター"とも呼ばれていた。
★今回登場する怪物★
シュバルツ
黄昏界に生息する黒いライオンのような怪物。ブラックホールを作り出す力を持つ。
●今回登場するアイテム●
ビクトリアガン
シルバの使うピストル銃。威力は並だが、射程や射速は絶大で神宿しの力を解放すると、その効果はさらに増強される。
シャークマグナム
ウィクトルの愛用するマグナム銃。威力、射程、射速ともに絶大で、至近距離では厚い鉄板をも貫く。その分、反動は大きいため使いこなすには相当な腕が必要。
黄昏界に浮かぶ星が一つ。海洋惑星・ニブルヘイム、その唯一の陸地。レモータと呼ばれるその陸地に1人の銃使いがいた。名をウィクトルと言った。
ズコンッ!ズコンッ!ズコンッ!
その陸の上にある射撃場、彼はその手のマグナム銃から弾を全て的のど真ん中に命中させる。
「相変わらず、飛んでもねぇ腕前だなウィク。流石は"ゴッドハンター"とその昔呼ばれただけはある。」
その様子を見て、盟友である神宿し、シルバが賞賛の声を漏らす。
「止めろよ、魔剣持ち。それは俺がウトガルドにいた頃の話だろ?それに、神そのもののお前には敵わねぇよ。」
言うと、シルバは首を横に振る。
「いいや、神宿しの力がなければ俺の能力は大したことはない。」
ズパンッ!ズパンッ!ズパンッ!
シルバはそう言うが彼の腕前も中々のもの。全て的のど真ん中とはいかなかったが、その近くを弾が命中する。
「フンッ...そう言いながら命中率は高いじゃねぇか。それだけ腕良ければ実践には十分だぞ。」
そう言を交わし合い、しばらく彼らは射撃場で銃弾を放ち合った。ウィクトルの方は何度やっても的のど真ん中に命中しつ続け、シルバも時折ど真ん中に命中させていた。
それから、幾日が経った頃。実は科学惑星・ウトガルド出身であったウィクトルその人は久方ぶりに母星へと足を踏み入れた。
目的はシルバに関する情報の収集。そこで、本人のその友・ワイフを見つけて話しかける。
「お前がシルバの奴の友で間違いないな?」
「そうだが。あんたは何者だ?」
「俺はウィクトルって言うんだ。俺とシルバは盟友関係にあってだな、あいつからウィクって呼ばれているんだ。で、シルバの奴を最近見ないからどうしたものかと思ってな。」
その言葉を聞き、ワイフも納得したようだ。納得したように頷きながらも口を開く。
「あいつなら樹海惑星へ向かったぞ。どうやら核の宇宙へと向かったらしくてな。この前手紙が来たのだ。」
それを聞き、
「なるほど、そうだったか。教えていただき感謝する。」
と言って早々にユグドラシルへと飛ぶ。
そこには空間転移装置がウトガルドの民に置かれ、簡単に巨大樹へ向かえるようになっている。
ウィクトルは乗りて、その転移先で一言呟く。
「あいつ、この根に突っ込んでいったのか?」
後にしばらく考えにふけて、
「いや、流石にそれはないか。あいつならやりかねぬかもしれんが。おそらく、シュバルツを使ったのだろう。」
結局そこに至る。
ならば、シルバの元へ向かいたいウィクトルのやることは1つしかない。
ズコンッ!ズコンッ!ズコンッ!
樹海に響く音ともにシュバルツが打ち負かされる。すると、ヤツはそのもたらし者を主と認める。
「よろしくな。」
そう言ってウィクトルはシュバルツに股がり、ヤツの生むブラックホールの闇の中へと消えていった。




