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雨上がりの水たまり、アイシャドウ、動く

 クレオパトラのアイシャドウはラピスラズリからできていたらしい。日本語で『瑠璃』。仏教用語で空の青色を表すものだ。

 それはまるで雨上がりの今の空のような済んだ色だったのだろう。

 なんてことを考えていると、道路の真ん中に水たまりが一つ。風に揺られて水面が波打っている。

 瑠璃色の空を映した水たまりを覗き込んでみると、さらに水面が波立った。

 ユラユラと揺れた水たまりは、ザアッと音を立てて飛び上がり、私に襲い掛かる。


「うわぁっ!」


 驚きの声ごと私の体は水たまりに飲み込まれた。


 はた、と気が付けばそこにはピラミッド。周りの人がクレオパトラと女王の名を呼んでいる。ということはここは古代エジプトなのだろう。この時代に、もうすでにピラミッドが建っていたなんて知らなかった。

 朝日に輝くピラミッドは白く、空の青がよく映える。これはとても美しいと言われるわけだ。


 周りの人が「クレオパトラ様ー!」と歓声を上げる。

 その瞬間、白いピラミッドから足が生えて動き出した。

 その姿はまるで、心臓を喰らうエジプト神メジェド。


 そのロボットピラミッド『メジェド』のコクピットに黒髪の美女が一人。クレオパトラだ。


 彼女は青いアイシャドウをつけた鋭い瞳を光らせてこう言った。


「この『神』を模した兵器を使い、私は戦争に打ち勝つ!」


 おかしい。確か彼女は戦争に敗れ、コブラの毒で死んだはず。あんな兵器を使っていたなんて歴史は聞いたことがない。

 けれども、彼女はロボットピラミッドを意のままに操り、他国に向かい歩いていく。


 きっと戦争の原因は水不足によるものだろう。そして、戦争が起き、あのメジェドを模したロボットからビームを出して、他国を火の海に変える。


 早く彼女を止めなければ。

 私は水の化け物に呑まれてここに来た事を思い出し、ソイツを捕まえればこの戦争を止められるのでは、と、水の化け物探しに向かった。

 このお題は難しすぎた。

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