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来たれ! かつて冒険者だった者たちよ。かつて冒険者を夢見た者たちよ。 我がギルドは常に開かれている。  作者: 嵐山 紙切
 

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閑話 ルベルが首になった後のカインのギルド(惨状)

 さてさて、ルベルがギルドをクビになった後、当該ギルド、すなわちクソギルド長こと、カインのギルドがどうなったかについて語っておこうと思う。



 カインのギルドは遠征をおこなっていた。

 遠征とはダンジョンを攻略する遠出のことを指し、ギルドが威信をかけて行うものである。



 ダンジョンでは貴重な鉱石、宝石類が産出する。これがギルドの資金になるわけである。また、ダンジョンにはたいていダンジョンマスターなるラスボス的な者が存在して、そいつを倒せば鉱石の出るダンジョンをギルドのものにできるという協定がある。



 カインのギルドが今回行ったのはまだほかのギルドが発見していないダンジョンへの遠征で、攻略率が高く、カインはウハウハだった。

 ので、彼自身もついていった。これが不運の始まりである。



 ダンジョン内は暗く前衛部隊は灯りを照らしながら進む。



 すると、ゴブリンの巣をつついてしまったようで、ゴブリンの突撃集団が一斉に攻撃を仕掛けてきた。

 ゴブリンの雄たけびがダンジョン内に響き渡る。



 本来ならシャノンが前衛におり、十人分の仕事をしたために本来なら起きなかったことだが、後衛の場所、すなわちカインが待機している場所にまでゴブリンの集団が押し寄せてきた。それも大多数。



 で問題の後衛である。ルベルが指揮していたころは、邪魔にならないラインに不可侵のダンジョンを設定し、後衛の場所まで敵が来ないようにしていた。

 ルベルはあるときから新人の教育を怠っていた。その最たる理由は彼らのうだつが上がらず、まったくもって努力する様子が見られないからだった。



 ――ルベルってクビになったんだよな

 ――あいつの新人教育ほんとくそだったからなぁ

 ――何もできねぇ給料泥棒だよ



 と言っていた彼らに問題があったわけである。



 で、まあそれでも彼らに死なれるのはギルドのためにもならないなと、不可侵のダンジョンを張り、そこに激突することでゴブリンは死んでいたのだが、後衛を務めていたバカな新人どもは自分たちが殺したのだと錯覚した。

 彼らは剣を振ってはいたが、すべてダンジョンの壁にぶつかっていただけである。





 さて、では今回の遠征ではどうなったか。





 不可侵のダンジョンなどないためにゴブリンが新人どもに飛びつく、首を掻ききられる。彼らは何が起こったのかわかる前に命を落とした。



 カインのもとにまでゴブリンは突撃してくる。周りを精鋭でまとめてはいたものの、この数ははっきり言って異常であり、対処できるはずもない。



 カインは死んだ。享年34。



 両腕両足を引きちぎられた挙句、目をくりぬかれていた。ゴブリンはもともと凶悪な種族であることがよくわかる例である。



 ルベルがいれば彼も生き返らせてもらえたのだろうが、回復魔法はそもそも神官ないしそれ以上のものしか使うことができない。彼らは冒険者たちを嫌っており、遠征についていくことなどありえない。



 よって、張り切ってダンジョン攻略に来た彼らは死屍累々となり、ダンジョンの肥やしとなってしまったのでした。





 ルベルがいないだけでこのありさまである。





 そもそも、カインが有力な冒険者たちをクビにしなければもっといい結末にはなっていたのだろうが、イエスマンだけを残した結果、ゴミだらけのギルドに成り下がってしまった。それに気づかずにこれたのはルベルのおかげである。



 まあ、これで長年続いたギルドは彼の代で倒産でしょう。





 余談だが、ルベルが啖呵を切ったあの日、カインの前で作った不可侵のダンジョンはギルドの一番邪魔な場所に今でも残り続け、時々、冒険者が頭をぶつけている。

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