ぶはっ──
採寸。
文化祭準備が秋乃たちのクラスも始まった。
そして、燃えているのが採寸係りの女子たちであった……。
「あとは、湯川くんと野嶋くんと、田端と、平井くんと舛田くんね」
「そうだね」
「じゃ、最後五人頑張ろう──」
と採寸係りの内二人の女子が、メジャーと紙とシャーペンを持って準備をしていた。
「じゃ、まず誰から行く? やっぱり委員長の湯川くんから?」
「そうだね」
二人は席に座っている犀のもとに向かった。
「湯川くん。採寸したいんだけど、いいかな」
「ああ──」
と犀は席を立った。
が、
「高いね……」
「そうね……」
身長が高く、肩が測れなかった。
すると犀はそれに気づいて、スッと高さを女子に合わせた。
「これでいいか?」
「あ、ありがとう──」
とメジャーを当てて測り、もう一人の女子が紙にメモしていく。
「ごめんね、ありがとう」
「いや、届かないものはしょうがないからな。それに、衣装を作ってもらう側だから、極力協力しないと」
と犀は眼鏡を押し上げる。
「じゃあ、よろしく頼む」
「うん」
「もちろんだよ!」
女子二人は頷いて、次は朔のもとに向かった。
「野嶋くん、採寸いい?」
「ん。いいよ──」
今度は座ったまま肩を測る。
朔は犀と同じ高さなので、女子二人はさっきのことを思いだし、そのままでいてもらった。
「……っ」
「あ、ごめん!」
メジャーで擦ってしまった。
「いや、大丈夫。もっと痛くてもいいかな!」
「……うん……ごめん──」
女子二人は、目を輝かせて言った朔に少し引きながらも、採寸して離れた。
次は香月。
「……田端、採寸」
「何かオレの扱い雑じゃね?」
「気のせいよ──」
香月は、そうか? と思いながら席を立った。
香月は女子二人と同じ高さなので、楽に測れる。
「あ、オレさ、ナースの衣装希望!」
「はいはい。動かないで」
「聞いた?」
「はいはい。ナースでしょ──」
めんどくさいな、と思いながら女子は測っていく。
「で、湯川がゴスロリでよろしく」
「「ぶはっ──」」
と女子二人が噴き出す。
「秋乃が言うには、眼鏡外した湯川の目は可愛いらしいから、ゴスロリで」
「っ……、わかったわ」
「ゴスロリ……ぷっ」
女子二人は笑いを堪えながらメモをしていく。
「で、章がポリスで、秋乃がキャラクター衣装、野嶋は首輪」
「首輪? 衣装じゃなくない?」
「あぁ、いいのいいの。野嶋が自分で言ってたから」
「あ……そう」
やっぱり、野嶋くんは変なのか、と女子二人はそこで確信してしまったのだった……。
「次は、平井くん──」
と言った時、章が来た。
「俺?」
「そう。採寸──」
とメジャーを掲げてみせる。
「よろしく」
「任せて──」
さすがにクラスの男子の採寸をしていると、早く測れるようになってくる。
「はい、終わり。最後は舛田くん」
「秋乃は、いらないんじゃね?」
と章が苦笑いで女子二人に言う。
「なんで?」
「昨日揃えてたから──秋乃、お前衣装いるか?」
「ん? あー……マントのワッペン? みたいなやつは欲しい」
と秋乃は何やら紙を持ってくる。
「これ、お願いします」
「…………これだけ?」
「うん。やっぱりそれだけ売り切れてて、作るしかないみたいだから……。よろしく」
紙に描かれているワッペンみたいなものには、細かい指示が施されていた。
「わかった……。出来る範囲で頑張るね」
「やった! よろしく!」
と秋乃は、これで心配いらないな。と言うように笑って、自分の席に戻るのだった。
「終わったか──?」
すると犀が歩いてくる。
そして香月がハッと思い出したように口を開いて言った。
「あ、ゴスロリ!」
「「「ぶはっ──」」」
その場に居た章と、女子二人は思わず噴き出すのだった──。
もちろんその後、香月は犀にシバかれたのだった……。
秋乃「(コスプレ)楽しみだ」
休日投稿ですが、来週投稿出来るかわかりません。




