表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/80

先生方とオタク

先生方の話を挟んだのに、深い意味はありません。


 ──朝でござる朝でござる、起きてくピッ……


「……んん」


 秋乃(あきの)起床。


「おはよう……皆──」


 フィギュアに挨拶をして、そのままリビングに向かう。

 リビングでは、母がいそいそと出かける準備をしていた。


「おはよう……。どっか行くの?」

「あ、おはよう。ちょっと友だちと買い物してお昼食べてくるから。夕飯までには帰るから──留守番よろしくね」

「……わかった。気をつけて」

「うん。じゃ、お昼は適当に食べてね。行ってきます」


 と歩き出してから、母は振り返った。


「秋乃」

「はい?」

「ゲームは、一日二時間までね」


 と母はにこりと笑って出ていった。


「……母上、そんな笑顔でおれがやめると──?」


 秋乃はフッと笑うと、自分の部屋に戻るのだった……。


         *


 秋乃がゲームに集中し始めた頃、先生方や忍者は学校にいた。


「ここは、涼しいでござるな」

「保健室ですからね」


 忍者と山井(やまい)は、保健室に涼みに来ていた。


保梨(ほなし)殿は、いつもこんな涼しい所で作業をしているでござるか?」

「そう、ですね……ケガをした生徒とかが、休む所ですから──」


 と保梨はコーヒーを淹れて、二人に渡す。


「ありがとうございます」

「かたじけない」

「いえいえ、ホットですけど──そういえば……忍者さんは、どうやって飲むんですか?」


 と保梨はコーヒーを渡してから思った。

 忍者は目以外出ていないので、もし飲むとしたら、顔が見られるかもしれない。


「確かに、顔出しするんですか?」


 とコーヒーを啜って、山井も訊く。


「あぁ、拙者は……これを使って飲むでござるよ」


 そう言って見せた物は、ストローだった。


「え……でもそれ──」


 熱くない(です)か? と二人は思う。

 そんな二人をよそに、忍者はストローで一回コーヒーを混ぜると、口元に持っていく。


「それでは、いただくでござるよ──」


 うまい具合に、ストローを布の間から口に入れた。

 コーヒーが、ストローを通っていく……。


「……ん──うん。美味でござるな」


 と忍者はストローを外す。

 ちゃんと、コーヒーは減っていた。


「熱くないですか?」

「大丈夫ですか?」


 と保梨と山井が不安そうに忍者を見る。

 忍者は、どうってことないというように、


「全く。むしろぬるいぐらいでござるよ」


 と笑って言う。


「そうですか──ならよかったです」

「火傷したんじゃないかと思いました」


 と保梨と山井は安心する。

 忍者の口は、どうやら普通の人とは違うようだ。


         *


「行けえっ! 最後の……一撃──!」


 ──ズバババババッ


『これで終わりだ』

『おのれ〜っ……末代まで、呪ってやるからな……』


 地面に突っ伏した敵は、主人公を睨みつける。


『残念だったな。オレは呪いをかけられ過ぎた。一人の呪いが増えても、どうってことない──』


 そう言って、主人公は背を向けて歩き出し、『〜FIN〜』という文字が画面の右下に表れ、暗転。

 そしてスタッフロールが流れ始めた。

 

「……いやぁ、楽しかっ──」


 時計を確認しようと後ろを見ると、そこには笑顔をたたえた母が立っていた。

 とっくに外は、夕焼け色になっている。


「あら? 何時間やったのかしらね、秋乃」

「えっと……五時間、くらいかな?」

「あぁ、そう──」


 と母がテレビに向かって歩いていく。


「……面白かった?」

「はい。もう最高でした」

「次はどれやるの?」

「次は、勇者冒険録をやる予定」

「そう──」


 と秋乃が言ったゲームソフトを手にする。


「……母さん?」

「没収よ──」


 母は真顔で一言残し、秋乃の部屋を出て行った。


「母上〜っ! それだけは勘弁してください──」


 と後を追うも、


「誰のせい?」


 と一蹴され、秋乃は絶望するのだった……




秋乃「…………これから何を楽しみに生活すればいいんだ──」

章「課題やれ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ