普通?
久しぶりに柚子とヒナミが出ます。
夏休み、学校に来ていた朔。
すると、誰かを待っているのか、ヒナミを見つけた。
「こんにちは。誰か待ってるの?」
「野嶋くん──うん。柚子ちゃん待ってるの」
「あぁ、レデンツ」
と朔は秋乃が言っていたのを思い出す。
「あはは。ちょっと違うけど──野嶋くんはどうしたの?」
「おれは、犀待ち。湯川ね」
「そうなんだ。夏休みなのに何で?」
とヒナミは首を傾げる。
「えっと、俺はクラスの副委員で、犀が委員長で。それで呼ばれて。めんどくさいよ」
と朔は苦笑いして答える。
「羽山は?」
「私は、ちょっと本返しに来たの。そしたら柚子ちゃんが学校に来てて、一緒に帰ろうってことになって、今柚子ちゃん本借りに行ってるから、待ってるんだ」
とカバンを肩にかけ直す。
「そっか──そういえば、夏らしいことした? 俺は、犀と舛田と平井と田端で花火やる予定」
「へえ、楽しそうだね」
「でしょ。よかったら、羽山たちもやる? 多分大丈夫だと思うよ」
「ほんとに? やりたいやりたい」
「わかった。じゃあメール送っとく──」
と朔は一斉送信する。
「じゃあ、柚子ちゃんに言っておくね」
「うん。よろしく──」
と割と仲良く話している二人の元に、柚子と犀が歩いてくる。
「あ、柚子ちゃんだ。湯川くんもいるよ」
「え? あ、ほんとだ──」
朔とヒナミは、二人を見る。
なぜか二人には、柚子と犀がぎすぎすして見えた。
「……待たせたわね──行こう」
と柚子はヒナミを引っ張っていく。
「えっ、ちょっ──野嶋くん、湯川くんバイバイ」
「おー──何かあった?」
と朔はヒナミに言ってから犀に訊く。
「……べつに」
「いや、何かあったようにしか見えないんですが?」
「言葉遣いがなってないから、指摘した。それでも直らなかったから、言い合ってた」
「……なるほど」
想像できるな〜と朔は思った。
「俺が言葉遣い悪かったら、注意する?」
「徹底的にな」
「マジパネェっすね! 犀さん!」
「……わざとやるな」
「ぶってくんないの?」
と朔は残念な顔になる。
「……キモイな」
「あ、罵声でもいい!」
「…………」
犀は無視して、無言で歩いていく。
「放置プレイ?! それもいいな!」
「めんどくさいな、お前──」
犀は本当にめんどくさそうに息を吐いた。
*
その頃ヒナミは、柚子の言葉遣いについて、話を聞かされていた。
「私、言葉遣いなってない?」
「普通だよ」
「そうよね、大丈夫よね!」
「うん。でも、たまに悪くなるのは気を付けた方がいいと思うよ」
とやんわりとヒナミは伝える。
「たとえば、舛田くんとかと話す時とか」
「へっ? いやいや、大丈夫よ!」
「あ。舛田くんだ」
とヒナミは指をさす。
「そんな冗談引っかから……」
「こんにちは。二人とも」
と秋乃が手を軽く振る。
「こんにちは」
とヒナミが挨拶する。
そして柚子が口を開く。
「な、何で居るのよ!」
「何でって」
と秋乃が答えようと口を開いた時、
「どうせ補習でしょ、頑張りなさいよね」
と柚子が冗談っぽく言う。
「うん。ありがとう。頑張るね」
「へ? 補習なの?」
「そうだよ」
と秋乃が頷く。
「あ、いや、さっきのは冗談で、べつにバカにした訳じゃなくて……」
「応援してくれたんでしょ? だからありがとう」
「柚子ちゃんはほんとに素直じゃないね」
とヒナミも口を挟む。
そして二人は柚子を微笑んで見るので、
「べ、べつに応援なんてしてないわよ! 帰る──////」
と柚子は真っ赤になって駆け出す。
「あ、柚子ちゃん! じゃ、頑張ってね」
「うん。気を付けて──」
と秋乃と別れて、ヒナミは後を追う。
柚子は走りながら、そんな普通に話せないわよ//! と思うのだった──
次回、花火やります。
秋乃「くっ……遂に、この右手に宿りしシルバードラゴンの力が解放される時が来たか──」
章「……何言ってんの?」
(※このやりとりは、次回と何も関係ありません)




