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85 部隊移動用の馬を作るようです

錬金術全開です。

 9月のはじめ、ブルーム殿下の御学友の務めも何とかこなしながら、王都と領地との往復をしている。領地騎士団10名とオートマトン兵300体の練度も相当に上がっており、もう強度的には問題はないみたい。10月1日、全員で領地に赴任することが決まった。本当は、もう少し前でも良かったのだが、騎士団本部及び訓練場等の整備に時間がかかってしまったようだ。騎士団本部の他に衛士隊本部も手直しが必要であり、かなり出費が嵩んでしまっているとの報告を行政官のベンジャミン卿から受けている。でも、私の手持ちの現金が大白金貨で100枚近くあるので、当面、困ることはないと思う。私が雇用している人たちは、文官が200名位、衛士隊が王都屋敷の衛士隊を入れても300名位、騎士団が僅か10名なので、おおざっぱに言って500名位の人件費が年間の固定費としてかかってしまう。一人の平均年収を450万ジェルとすると、大白金貨25枚もあると賄えてしまえる。あとは、施設維持費や事務経費、交通費等を見積もっても、新規事業を始めない限り、年間大白金貨40枚もあれば十分な気がする。それに来年からは、年貢と商人達からの税金が入るので、十分にやっていける筈だ。


 領都であるウエスタン市までは500キロちょっとあるので、馬車で移動すれば10日はかかる計算だ。途中で馬を変えれば、1日に70から80キロはいけるだろうが、1両の馬車にオートマトン兵が20人も乗ったら、時速7~8キロしか速度がでないので、せいぜい1日に50キロしか進めない。うーん、これは何とか高速鉄道を敷設する必要があるだろうが、すぐにはできないので取り敢えず高速移動用の自動馬車を作成しよう。自動馬車と言っても、馬車そのものを動かすのではなく、馬をゴーレムで作成すればよいのだ。馬車が曳ければよいので、見た目は馬かなと思えるくらいでいいだろう。大きさは、かなり大きくしてパワーを稼ぎたい。


 王都邸の裏庭で、錬金術で馬型のウッドゴーレムを作ってみる。大きさは、体高2mの超大型馬だ。一般的な馬の体高が1.6m位だから、まるでモンスター並みだ。木製では耐久性に不安があるので、土魔法でグランドからアルミナなどの軽金属成分を抽出し、外殻を作って隙間なく張り付けていく。うーん、なんとなく馬の感じがないな。何だろう。グレイ達に見せてみたら、もともとの形が馬らしくないのが原因だと言われた。一度、外殻を全て外し、もう一度作り直してみる。足が短くて豚のようだとか、首が長すぎて、これではキリンだなどと好き勝手なことを言っている。まあ、造形力の無いのは痛いほどわかっているが、そんなにぼろくそに言わなくてもよいと思うんですけど。それでも、あっちを凹ませ、こっちを膨らませてと色々試行錯誤して、何とか馬らしくしたところで、最後に魔石のセットと外殻の再装着をしてゴーレム馬の完成だ。このゴーレム馬、AIは搭載していないので、一つの命令しか聞けないが、『御者の指示に従え』と言う命令をすれば、後は御者の言うことを素直に聞いてくれるので特に問題はないだろう。


 このゴーレム馬2頭で20人乗りの馬車を引くのだが、完全装備のオートマトン兵は1人約100キロの重さがある。これが20人分となるとそれだけで2トンの重さだ。そのほかに馬車自体の重さもある。如何にゴーレム馬が力持ちと言っても、2頭で曳くのはかなり無理があるかもしれない。そうは言っても、4頭曳きでは、かなり大掛かりな編成になってしまうので、どうしても2頭で曳かせたい。うん、これは馬車屋さんに行こう。


  馬車屋さんに行ったら、いろいろな馬車が裏庭に置いていたが、20人乗りの馬車は、都市間を行き来する駅馬車用で馬6頭から8頭で曳くのが普通らしいと言われた。『ストレージ』から、今回作成したゴーレム馬を出し、この馬用の輓具を特注で作ってもらう。馬車は、一番大きなものを15台欲しいと言ったら、時間が欲しいと言われた。どれ位かかるか聞いたら、他の工房にお願いしても3か月はかかるそうだ。それでは、取り敢えず有る馬車2台を購入し、あとは来年納入ということで契約をした。輓具については、早急に4頭分を作成してもらうことにしたので、工房の親父さんは、ゴーレム馬のサイズを色々と測っていた。


 グレイ団長以下の騎士達は、騎馬で行軍することにしている。すでに騎士団用の騎馬は購入済みで、各騎士達は、戦闘訓練の他に乗馬訓練もしている。指導員は、ランカスター騎士団から何名か来て貰っているが、我が騎士団の乗馬センスのないことに呆れかえっていた。特に、女子3名はひどいもので、キャアキャア騒ぐものだから、馬が驚いてしまい、その結果、ますます言うことを聞かなくなるという悪循環だ。特に年少のカレンがひどく、私のホワイトを見て羨ましそうにしている。うん、絶対に交換しないからね。






 10月1日、領都に向けて騎士団が出発した。グレイ以下騎士団員は、みな騎馬だ。馬車2台には、私とベス嬢、スザンヌさんとジュリちゃんが乗っている。あと、シュナちゃんも一緒だし、ホワイトは馬車に繋がれて後ろからついて来ている。オートマトン兵達は、ほとんどが私の『ストレージ』の中で、メイド仕様のゼロ号機の他、30体だけは、馬車に分散乗車している。


 この馬車は、購入してから魔改造をしており、まず、乗り心地をよくするために、エアクッション式サスペンションを装着している。また、前後に『浮遊』の魔力を充填した魔石をセットしており、推定1.5トンは軽量化?しているはずだ。ただ、魔法を起動するためには私のコントロールが必要なようなので、最初の時に4個の魔石に刻まれた魔方陣に魔力を流し込んでいる。燃費はまあまあで、朝、魔力を流し込んでから夕方までは何とか持つようだ。


 それよりもゴーレム馬の力強さには吃驚してしまう。ウッドゴーレムに外装を張り付けただけで、パワーを出す要因など皆無のはずなのに、馬車の動き出しから最大速度、まあ時速10キロ程度ですけど、に達するのにあっという間だ。


 王都の西門を出発したのが、午前9時でお昼休みと小休憩を取りながら、最初の宿泊地であるククロ村に到着したのが午後3時だった。かなり早い到着となったが、ゴーレム馬の能力のおかげだろう。ここは、村と言っても王家直轄領の村だ。王室から文官が代官として赴任しているし、村内の宿泊場所も、王都に向かう貴族が、最後に身だしなみを整えるために宿泊することが多いので、高級感あふれるホテルが多い。村の入り口は簡単な門があるだけで、衛士のチェックも簡易だった。これだけ王都に近いと、盗賊なども出没しないし、王都から辺境に向かう者に対するチェックは、かなり甘くても問題はないのだろう。この村は、前回通ったときは、宿泊しないでスルーしていたので、今回が初のお泊りになるわけだ。


 カレン達孤児院出身者は、初めてのホテル宿泊、それも高級ホテル宿泊となり、かなり舞い上がっていた。私は、いつものとおりスイートルームにベス嬢と一緒に泊まり、スザンヌさんとジュリちゃんは隣のセミスイートに泊まることにした。あ、ベス嬢と私は、同じ部屋といっても、ベッドルームは別々だから誤解しないようにね。


 騎士団員達は団長のグレイ以外は、2人部屋で、バーバラ達女性組はエクストラベッドを入れての3人部屋にしているようだ。ホテルの食事は、2種類あり、私とベス嬢は通常のディナーコースにしてもらい、グレイ達はビュッフェ形式のレストランで好きな物を好きなだけ食べれるそうだ。最近、王都で圃り始めている形式らしいが、私とベス嬢みたいなお子ちゃまには食べる量が少ないため、お得感ゼロの形式だ。ただ、ベス嬢、ビュッフェにすごく興味があるみたいだが、好きな物だけ食べるのはいけませんよ。


 ベス嬢は、今回、初めてウエスタン侯爵領を訪れる訳だが、非常に興味があるようで、いろいろ聞いてきた。食べ物とか着るものもとか、王都とどう違うのか聞いてくるのだが、私自身、それほど詳しくない。今回、折角ベス嬢と一諸に行くのだから、領都の中を色々と歩いてみようかなと思っている。美味しいものを食べたり、珍しい物を見たり。そう言えば、観光ってあまりしたことがなかったな。何処かの温泉地に行ったり、湖でボート遊びをしたりって、この世界でもきっとあると思うんだ。なぜなら、これだけ異世界からの転生者の影響が色濃く残っているんだから。

これだけのゴーレム部隊は必要ないのではと思います。

次話は明日6:00に投稿します。

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