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79 地獄の特訓のようです

 騎士団1期生の訓練が始まります。

 ウエスタン領騎士団第1期のメンバーは多彩だ。男性騎士7人は、全員が平民出身、しかも2人はカレンさんと同じようにスラムの孤児院出身だ。残りの5人も地方の騎士学校を卒業したものの、地元の騎士団への推薦も貰えずに、今回の受験で最後の挑戦だったらしい。


 部隊には、その者の特性に応じて、それぞれ、任務分担を決めなければならない。今回は、スキルである程度の任務を決めた。


【スカウト】

   ベント

   アスラン暦448年11月30日生まれ(17歳)

   人間族 男性

   レベル 11

   HP  36

   MP  11

   攻撃力 36

   防御力 58

   魔法適性 風

   スキル:探索


【スカウト】

   ミロ

   アスラン暦450年8月8日生まれ(15歳)

   人間族 男性

   レベル  6

   HP  26

   MP  43

   攻撃力 59

   防御力 11

   魔法適性 土

   スキル:気配消去


【アーチャー】

   グレイ

   アスラン暦446年1月18日生まれ(19歳)

   人間族 男性

   レベル 14

   HP  27

   MP  31

   攻撃力 56

   防御力 18

   魔法適性 なし

   スキル:連射


【タンク】

   ボブ

   アスラン暦448年3月7日生まれ(17歳)

   人間族 男性

   レベル 15

   HP  56

   MP   8

   攻撃力 21

   防御力 68

   魔法適性 なし

   スキル:挑発


【ミドルアタッカー】

   ダン

   アスラン暦449年12月5日生まれ(15歳)

   人間族 男性

   レベル 10

   HP  49

   MP  28

   攻撃力 67

   防御力  9

   魔法適性 光

   スキル:連撃


【ミドルアタッカー】

   ニケ

   アスラン暦447年4月20日生まれ(18歳)

   人間族 男性

   レベル 18

   HP  43

   MP  32

   攻撃力 64

   防御力 48

   魔法適性 火

   スキル:痛撃


【テイマー】

   ティム

   アスラン暦450年10月4日生まれ(14歳)

   人間族 男性

   レベル  5

   HP  15

   MP  21

   攻撃力 11

   防御力 24

   魔法適性 水

   スキル:テイム

   從魔:ポイズン・オウル


 ティムさんだけ、毛色が変わっていたが、活用方法は色々期待できる。実技試験では、本来は不合格だったらしいが、逃げ足というか、試験官の打ち込みを殆ど躱し切ったことから合格となったそうだ。


 騎士団本部は、1階が事務室や講堂、道場や食堂、浴室、洗濯場等の共用スペースで、2階と3階が居室スペースとなっている。あ、地下1階は留置場と武器庫になっていた。


 居室は壁に2段ベッドが据え付けられており、窓際には事務机と椅子が2脚ずつ置かれている。ベッドの反対側の壁には大きなクローゼットが作り付けられている。必要にして、十分な広さだろう。トイレ、洗面所、簡単な炊事は共同になっている。


 男性陣は2階、女性陣は3階に入居することにして、今後、2階が一杯になったら女性騎士専用の宿舎を建築すれば良いだろう。カレンさん達のような孤児院出身者は、初めての自分専用の個室だったらしく感動していたが、将来的には2人1室となる予定だ。




 午後は、全員を連れてドワンゴ武道具店に向かう。皆の武器と防具を揃えなければならないからだ。


 対応してくれたガンスさんに、剣と盾、甲冑のセットを全員分お願いした。フルオーダーではなく、既製品の手直しと鎧に家紋を入れて貰うだけにしたが、それでも大金貨8枚もした。


 そう言えば、家紋については、この前、王室の文官の人が図案と侯爵徽章それと印鑑と封蝋印を届けてくれた時に確認したが、デフォルメされた竜に剣が2本、×印に交差している図柄だった。シンボルカラーは紺碧の青、紋章の背景色だ。


 今回買った鎧の銅部分にはシンボルカラーを塗り込み、左胸に紋章を描いて貰う。あと、武器も標準品以外に本人の希望により槍やロングソードなどを購入した。


 全ての武器、防具が揃うのは1か月後らしいが、まあ、今直ぐ領地に赴任するわけではないので、それまでは模擬剣で鍛錬だ。あ、素振り用の木刀と両手、両足のウエイトバンドも準備しなくっちゃ。直ぐにガンスさんに発注したところ、1週間で出来上がると言ってくれた。これは全部で金貨2枚でいいと言われた。うん、安いですね。さあ、木刀が来るまでは走り込みだ。走って、走って、走って、時々休んで腕立て伏せだね。


 この10人が、将来『奇跡の10人』と呼ばれるのは、ずっと後の話だ。


 その日の夜、ランカスター家王都屋敷からシェフの応援を貰って、歓迎夕食会を開いた。ゾリゲンさんやルッツさん、シュリンガーさん達も参加して貰った。勿論、アリスちゃん、スザンヌさんやジュリちゃんも参加して貰った。スザンヌさんとジュリちゃんはウエスタン家王都邸でメイドをして貰うことが決定しているので、顔合わせも兼ねている。


 最後に、ベス嬢にも来て貰った。私が、侯爵を叙爵した事は、最初、内緒にしていたんだけど、直ぐにバレてしまった。そりゃあ、侯爵家3男の7歳児が他の侯爵家を継いで叙爵したなんて噂、耳に入るのを防ぎようがないよね。ベス嬢は、それを聞いて


   「妻が公爵、夫が侯爵なんて面白いですわ。」


 と言ったそうだ。うん、意味が分かってないね。過去に夫婦で別々の貴族家の当主になったなんて例はありませんから。国王陛下が『婚約解消』について言及していたなんてバレたら、それこそ大変だよね。


 あ、シュナちゃんとクロちゃんも参加しているから。でも、シュナちゃん、クロちゃんとシロちゃんを配下にしてえらそうな態度、似合わないからやめなさい。シロちゃんというのはティムさんの從魔のオウルのことだ


 夕食会では、ティムさん、同じテイマーとしてジュリちゃんに話しかけられているんだけど、女の子に免疫が無いのか、耳まで真っ赤になって吃っている。うーん、その辺から慣れていこうか。


 ベス嬢が、ツンツンと私の袖を引いている。なんだろう。私の耳元で、小さな声で聞いて来た。


   「あの女性騎士さん達3人の内どなたが候補ですの?もしかして3人ともですの?」


 何を言っているんですか?確かに3人とも美形ですが、騎士ですよ。場合によっては剣を振り回し、敵を殲滅する騎士ですよ。そんな方達に対して、どうしろって言うんですか?


   「ベスちゃん、安心して下さい。私は、ベスちゃん一筋ですよ。」


 そう言うと、顔を真っ赤にして黙り込んでしまった。


 あと、夕食会が終わってから、グレイさん達全員から、『さん』付けで呼ぶのをやめて貰いたいと言われた。騎士団は階級社会なので、総指揮官である私は、最上級者として自分達に命令する立場にあるし、部隊指揮をする上で『さん』付けではお互いにやり難いと言われた。まあ、確かにその通りだと思うので、提言については採用することにした。






 次の日、朝5時にウエスタン侯爵邸の屋外鍛錬場に行くと、全員が整列していた。最右翼は、最年長のグレイだ。残りの9人は身長が高い者から右側に並んでいる。一番左翼は、カレンだ。相互の感覚は60センチ、腕の長さ位だ。


 私は、部隊を底辺とした直角三角形の頂点の位置で部隊に正対する。部隊から朝の挨拶を受けるのだ。


   「気を付け。」


 グレイの号令と共に、皆が、肩幅くらいに開いていた両足のうち、左足を引きつける。


   「侯爵閣下に~~、注目。」


 号令をかけたグレイだけが、右腕をコメカミ付近に上げての『挙手注目』の礼をする。残りの皆は、『気を付け』をしたまま、顔だけを私に向ける。私は、それを確認してから、『挙手注目』の礼で答礼する。


 グルッと左右に首を回してから元の『気をつけ』の姿勢に直るのを確認したグレイが


   「直れ。」


 の号令をかけ、一斉にそれぞれが真正面に首を直すのだ。この部隊礼式は騎士学校で習う基本なので、何人かはよく知っていたのだろう。あ、私も警察学校で死ぬほどやらされたので、身体で覚えている。


 軽く準備体操をしてから走り始める。1時間、それぞれのペースで走り続けるが、最後まで走り続けられたのは、ベントとミロのスカウト組だ。最初に潰れたのは、予想通りボブだった。走れなくなったら、歩いてもいいから、絶対に止まらないようにと言っていたので、皆、何かのインターバル練習のようになっていた。


 朝食後1時間の柔軟体操をしてから1時間の号令を掛けながらの走り込み、それから腕立て伏せと腹筋だ。同じメニューを昼食後もこなして、本日の鍛錬は終了だ。午後4時からは自由時間だが、法律関係の勉強や、自主トレをする者などいろいろだった。

すべての訓練の基本は、走ることです。あ、フレデリック君のように走ったら、死んでしまいます。

次話は、明日、6:00に投稿します。

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