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日常  作者: 太郎
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28/59

創作

 

「むふ。むふふふふ」


 私は物を作るのが好きだ。

 小さい頃、リ●ちゃん人形サイズの着物をつくったり、人形の看護師(人形修復師)と称えられたりする程だ。

 絵を描くのも好きだ。自分の手から物が生まれて、育って成長する姿を見るのが好き、といっても良いのかもしれない。

 だから、こんな私が文章を創作するのを好きになるのは必然だった。

 私の母は漫画家志望で、コピ本を配布する程の創作家であった。私を生んだことで母の夢は途絶えてしまったが、今だ絵を描いているのを私は知っている。

 母のその過去を知らずに育った私が、真実を前にした時やっぱりと自分の性質を当然の様に思った。

 創作が好きな人の子は創作が好きな人。つまり、蛙の子は蛙っちゅーことでしょう?


 一次創作も好きだけど、二次創作も好きだ。

 二次創作は人の子を見てこの子はこんな子なんだろうな、こんなことをしたら萌えるんだろうな。とか考えているだけで楽しい。けど、物足りない。

 何故か。人様の子だからはっちゃけられないのかもしれない。それが、私にはどうも息苦しいと。

 だから、私は一次創作に激しい興味を抱いた。自分の感性や道徳を引き継いで生まれてきた愛しい我が子が、私の手の中で新たなる人生を歩む。

 ゼロから……無地の紙の上から自分の価値観に乗っ取った子達が生まれるという感覚が、今までと違った快感を私に与えた。


 それから私は一次創作。という物作りにハマった。

元々小説も漫画も好きだから、どんなストーリーにしようかという大まかな骨組みは容易に出来た、が。

 思い出した。私は現代文で2を取るレベルの国語能力なのだ。漢字検定5級にすら落ちて先生にお前は本当に小学からやり直そう。な?と言われたことのある猛者なのだ。

 この私が文章を書くだなんて言ったら歴代の国語担当教師が、優しい顔でゆっくり歩み寄りながら『今なら間に合う。考えを改めろ』と告げてくれるだろう。

 それ位危ない私の能力を自分で理解しつつも、私は文章を書きたいと強く思っていた。前述した通り、物作りが好きだから、だ。


 書いていて気がついた。大まかな骨組み位は誰でも作ることが出来るということに。それに起承転結が絡み付いてないことには赤子でも考えれるのだ。


<主人公の女の子は最強に強くて桃太郎の代わりに、鬼退治に行ったものの鬼に恋して結ばれました。>


 という、アバウト過ぎる骨組みだって山場やオチ等の肉をつけてけば立派な物語に変わる。


<「頼れる者はもう君しかいないんじゃ……」

「そう、うちの桃太郎ときたら寝てばっかりで、村人を苛める鬼を退治しに行こうともせん」

「分かったわ。見知らぬお爺様。お婆様。柔道黒帯。書道七段のこの私に鬼退治を任せて」

 筋骨隆々の少女は二人に言うと、腰にぶら下げた鉞をブンブン振り回した。ほお、と二人の口からはため息に似た吐息が漏れるが少女には聞こえない。

「じゃあ、いってきます」

「お、おう……いってらっしゃいな」

「気をつけるんだぞう」

 少女は二人に向かって天使の笑顔を見せた数秒後、うって変わって悪魔の微笑を見せた。老婆の肌は粟立った。

「勿論。分かってるわよねぇ?報酬は鬼の有り金全部とあんたら老人の年金全てだから」

 それだけ言い残すと少女は二人に背中を向けて鬼ヶ島へと旅立った。

「ま、まさか……あの子があんな性格だったなんて。わしゃ、聞いとらんよ」

「おらもじゃ……いやはや。今時の子っちゅーんは怖いのう」

 後には、ガタガタと震える二人が残った。>


 あら、まあ。私のいけない癖。骨組みを作ったは良いものの、肉を付けていくと設計図とは全く違うものになってしまう。

 よくあるでしょ。美女×美男子の子供が不細工って奴。そんな感じよ。基となる物が良くても悪い部分が露見されて育った感じ。また、私のは基すら良くないからこんなのになったのだろうけど。

 じゃ、なくて。

 私はこの物を作るということを仕事にはする気はないし出来ないという自分の限界を知っているけど、趣味として続けていきたいと思っている。

 カッコいいじゃない。子供に、ママの趣味はなーに?って聞かれた時に、作家の真似事よ。って言えるのよ。

 子供だから下手くそな文章を見せたとしてもダメ出ししないしね。ただ、カッコいい!という尊敬の目で見られること間違いなし。

 あ、でもこんなオタクまっしぐらの生活を送りつつある私が結婚など出来るかというのが、些か心配である。


 ああ、もう。話がずれてしまう。だから、私はダメなんだよ。

 で、現実に戻るけど今日も新しく短編を書いた。それで冒頭の気持ち悪い呟きに繋がるという訳で、ああ。私ったら、説明が下手だ。

 その短編というのもこれだ。私の日常を綴った『創作』という短編。

 これを読んだ人に感動や幸せを与えれる、だなんて思ってもいない。なぜなら私は一次創作が好きなのだ。人に評価をもらうのが好きなのではない。

 ……と、はっきり断言は出来ないけど。やっぱり書くからには人と共有したいし自分のことを分かって欲しい。

 なんとも面倒な自己顕示欲である。けれども、皆この欲を持って生まれたのだから私だけが悪いということにはならないっ……て、また話が変な方向に行っている。

 まあ、とにかく。


 私はこの出来上がった短編を投稿する為、なろうでも開きますか。



 そんな私の一部となっている創作との日常。



嘘ですけど。フィクションですけど。

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