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九十九話:オートミール蘇生作戦、失敗

「ち~~~~~っす!! ウィローちんヤッホー! ヤッホー侍ぃ!!」



ベッドの上で宿題しようとして、寝落ちしかけてたちょうどその時。


ゾディさんは勢いよく部屋に入ってきて、片方の手をビシィって上げて。

ペロッと舌を出しながら、連続ウインクかましてくるもんだから。



「お久(ひさ)ぁ~~! 元気してた~~? 僕ちんに会えて嬉しいぃん??」

「......なんだぁ、ただの幻覚かぁ~」

「ところがどっこい、違うんですわぁ~」



幻覚じゃないとわかった途端、私はベッドから飛び降りて、秒で死神さんの元へ駆けつける、


予定、


だったんだけど。



最近、おっきくなった翼でバランス取るの難しくてさ。あと成長痛もあれでさ。


着地した途端、普通によろけちゃったよね。



「おっと! ダイジョブ~? 前会ったときよりもだ~~いぶ翼育ったネぇ~!」



いつの間にか目の前にいたゾディさんは、倒れそうになった私を抱きとめてくれて。

目が合うと、にへらって笑ってくれて。


そう、だ......この......煎りすぎた茶葉のような匂い。

薬の匂い。


包帯特有のゴワゴワ感。思ってたよりも温かい肌。



「ぞ......ゾディさ......っ」

「はーい! ゾディアックちゃんだよぉ~!」

「わぁぁあぁぁぁあぁあああゾディさぁぁあぁぁあぁぁあぁぁあん!!」


つい手をガシィッッッて掴んじゃって、ブンブンブンって振っちゃった。


「ぇぇぇええぇえぇえぇぇえなんでいるのぉおおぉおぉぉおおぉぉぉおおおお」

「ウィローちんのそれはどういう顔??」



しばらく『はわぁあぁぁぁあ』と『なんでいるの!?!?』と『いて大丈夫なの.....?』を行き来しまくった後、私はようやく落ち着いたのでした。



「えっと、えっとぉ......どこからツッコめばいいのかなぁ私......?」

「ツッコミ~~?? 僕ちんなんにもおかしいことしてないよぉ~?」

「してるよ! 部屋の鍵閉めてたはずなのになんか入ってきてるし! 私がお昼寝しようとした瞬間に入ってくるし!!」

「最初にツッコむとこそこなんだぁ~?」



ゾディさんはクックッて笑いながら、私の両頬をむぎゅぅおってしてくる。



「僕ちんさぁ、久しぶりにネルソービューにお呼ばれしてね? だから、今回は森でコソコソしなくてもいーんだよねぇ!」

「ほーはほ? ららはわはひにあいひひはほ?」

「な~~んて言ってんのかわっかんねぇけど、そうだよ!」



ゾディさんはパッと私の頬を離したと思ったら、今度はツンツンぐに~~っしてきた。



「でもでもぉ! 実は僕ちん、ウィローに頼みたいことがあってさぁ~!」

「たのみたいこと?」



今度は、鼻をちょんってされる。

そして、その手の全指を上に向けて、縦向きにして、


片手だけでお願いポーズをしてきて......。



「ここってウィローちとブレイズの部屋っしょ? だからさぁ、ブレイズを部屋まで呼んでくんない?」




***


「帰らせていただきます」

「帰るなっっ!! てかここが君の部屋でしょーーが、他に帰るとこねーでしょーがっ!」



ゾディさんはすかさずブレイズくんの腕を掴んで、部屋の中まで引っ張ろうとする。



「ねぇ! 僕ちん何回もtelepathyで君に話しかけたよね!? なんで無視したのぉ」

「離せ、さわるな」

「ちょっとぉ~~ん! 僕ちん非力なんだから優しくしてぇ~~~ん!!」



少しの間、綱引き(?)が続いたけど、途中でブレイズくんは諦めた。

表情でも態度でも仕草でも不機嫌感を出しながら、彼は私とゾディさんの間に入る。


手を広げて。まるで、私をゾディさんから守ろうとしてるかのように。



「......どうしてガーディナーもいるのですか」

「そりゃいるっしょ、だってここウィローの部屋でもあるし」

「なんで追い出さないんですか」


?? ブレイズくん? 何気にひどくない?


「追い出すわけにはいかないよぉ! ウィローにも作戦会議に参加してもらうつもりだしぃ」

「へぁ????」


ゾディさん? それは初耳だよ??


「............どういうつもりだ?」

「えー? なになにぃ、なんのこと~~ん?」

「何を企んでいるのか聞いている」

「別になにもー? 企んでたとしてもぉ、ブレイズには教えなぁ~~~い! キャッ」 



ブレイズくんは当たり前のように銃を出して、ゾディさんの胸に突きつける。

なお、ゾディさんはいつも通り余裕そうな顔。



「あっれぇ? 発砲しちゃっていいのぉ~~~? ここ寮内だよ~? 管理係か何かに怒られちゃうよぉ、騒ぎになっちゃうかもよぉ?」

「......っ......」



あーーー! あーーーーーー!! バチバチしてるぅーーーー!!


ブレイズくんが一方的に嫌ってるかと思いきや、ゾディさんもまぁまぁブレイズくんのこと嫌いなんだよねぇ......う、うぅう......うぅぅぅううぅうう......!


わ、私が......私がなんとかせねばっ......!!



「ふ、ふふふふふ二人ともっ!!!!」



私が大声を出すと、二人とも同時にこっちを見てくれる。

同じ灰色の肌だし、髪も目も黒系統だし......背丈も一緒だし、まるで兄弟みたい......。


なんて言ったら絶対キレられるだろうからえっと、えっとえっとえっとえっと——



「かかっ、カメはカメでも、食べられないカメってなぁ~~んだ!?」

「は?」

「ウィローちんどしたぁ~? そもそもカメってあんまり食べなくない?」


「正解は!! 『カメラ』でした!!!!」



......びっくりするほど静まり返ったよね。




「........................あ~~............」


流石のゾディさんもちょっと気まずそうにしながら、沈黙を破った。


「作戦会議......始めよっかぁ~............」

「......ですね」

「うぅぅうぅぅぅぅううっ、ころせぇぇええぇぇぇっっ」




私はしばらく両手を目元から離せなかったし、ブレイズくんはありえないくらい声低くなってたけど。


切り替えの早いゾディさんがいてくれたおかげで、ウィローさんはなんとか爆散せずに済んだのでした。




「えっとまずはぁ、二人とも——特にブレイズは忘れてるかもしれないからぁ、元の計画をおさらいするねぇ?」

「そこはガーディナーではないのですか? どうして——」

「そのイチ! 僕ちんは『地獄ダンジョン』に悪霊を送るていで、ネルソービューに来まぁぁあす!」



ゾディさんのスルー能力もすごいなぁ......。



「その二! 人外の悪霊を、全員『地獄ダンジョン』に送りまぁあす!」



それが、ネルソービューでは『化け物』って呼ばれてるんだよね......。



「その三! 人間の悪霊を何体か、こっそりネルソービューに逃がしちゃいまぁあぁあす!」

「あっ、ぞ、ゾディさん? 一つだけ聞いてもいい?」



私は会議に参加してるヒトっぽく(?)、真っ直ぐ手を上げた。



「ずっと気になってたんだけどさ......なんで『人間の』悪霊しか外に逃がさないの? 人外の悪霊は逃がしちゃいけない、何か特別な理由があったり......?」

「おぉ~~~ん、良い質問だねぇ!」



ゾディさんはブレイズくんに睨まれながらも、私の背中をぽんぽんって叩いてきた。

って、い、いつの間に背後に......!?



「あのねぇ~......悪霊ってさぁ、特に正気失うとリミッターが壊れちゃうからさぁ。人間はまだあれなんだけどぉ......人外の悪霊はね! ちょっと強すぎるんだよね!」



え? 『人間はまだあれ』なの??

私、ヒナタくん相手でも全然負けそうになったけど......?



「軽率に人外の魂を放っちゃうとぉ、大事(おおごと)になる可能性が高いっていうかぁ~~? ネルソービューの生徒が何人も犠牲になっちゃうかもしれないというか?? そこまでしてほしいわけじゃないからさぁ~......」

「......あ~............」



ゾディさんなりに、ネルソービューの生徒を気遣ってる......?

いや、多分違う......よね?どっちかっていうと、生徒たちのことは憎んでるはずだもん。


だって、オートミールを......殺したのは......。



「僕ちんはただ、転生観覧車に付いてる砂時計をぶっ壊してほしいだけだからさ~。それ以上オオゴトにされちゃったらあれだし、めんどくさいしぃ~」

「す、砂時計を壊すのも、まぁまぁオオゴトになると思うけど......??」

「あれだよ! 騒ぎを起こしすぎたら、ネルソービューの運営が動いちゃうから! だからコソコソやるしかないって、人間の弱ァ〜〜い悪霊を使うしかないって——」


「口実も大概にしてください!」



ブレイズくんは貫くような声で、私もゾディさんも遮ってくる。

肩に、少しだけ力を入れていて。燃え盛る瞳の炎からは、今にも煙が出てきそうで。


まるで氷の中に、勢いよくマグマを注ぐような。そんな雰囲気。



「人間の霊しか、外に放たない理由? そんなの決まっているでしょう?」

「......」



何を言われるのかわかってるのか、ゾディさんは口を閉じたままだった。

慌ててるのは私だけ、みたいで、え、えっ、



「人間が悪さをしても、誰も気に留めないからです。ポエナもネルソービューもろくに動こうとしないからです。動くとしても、それは己の面子のため......動いているていを装うだけ......」

「......」

「また、人間が悪さをしているだけだと。全て人間の責任だと決めつけて、牢獄に放り込んで終わりです」



ブレイズくんは、ゆっくりと拳を丸める。

骨がミシミシ鳴ってそうなくらい、強く。



「人間を使えば......お前が怪しまれるリスクが減る」



冷たく、首を傾ける。

視線だけで、胸ぐらを掴むかのように。



「例の計画が露呈することはまずなくなる。お前はずっと、自分のことしか考えていない。そうでしょう?」



ち......違う、ゾディさんはそんな......。



「だから人間は......犯罪に協力させるための、最高の駒なのです」

「............」

「駒でしか......ないと。人外は、どいつもこいつも人間を......っ」

「ふっ......はは......!」



絶対に笑うところじゃないのに、ゾディさんはくるっと一回転する。

ピエロのように、バレリーナのように。ブレイズくんに近づいて。


わざと靴を鳴らしながら、彼の前に立った。



ブレイズくんは目をキッてさせて、歯を食いしばって、

後ずさろうとする足を無理やり止める。



そんな彼の様子に、当然気づいたゾディさんは————




「そういうふうに捉えたいんならぁ、好きにしてくれてもいいよぉ?」

「っ」

「どっちにしろ、ブレイズには協力してもらうからネー。逃げられると思うなヨッ」

「、......。............」



ブレイズくんは結局何も言わずに、目を逸らす。

ゾディさんは軽く彼の肩を叩いた後、にぱっと笑う。


てっきりまたブレイズくんのこと、『偽善者』とか言っちゃうのかなって思ってたけど。


死神さんは、笑いを声に出すだけで。

そのまま振り返って、私と目を合わせて......


ほんの一瞬、だけ。眉を下げた。




「そんじゃ、話戻すけど~......なんだったっけ......人間の悪霊を、ネルソービューに逃がすってとこまでおさらいしたんだっけ?」



......今のは............?



「逃がした幽霊の中でも、ブレイズは特別でさぁ~! 当時はまさか、ネルソービューに入学する手伝いさせられるなんて——」

「俺の話はいいです」

「おっとおっとぉ、また話逸れそうになっちったん! っとぉ~~......じゃあ~~......あ!! その四!!!!」



ゾディさんは歯を見せて笑いながら、右手の指を四本立てる。

『その一』と『その二』と『その三』から結構間が空いちゃったせいで、なんかちょっと変な感じになってた。



その後の説明も、ほとんどがすでに知ってる内容だった。



その四。観覧車の砂時計の中には、オートミールの灰が混ざってる。


その五。逃がした悪霊に、転生観覧車に付いた砂時計を壊してもらう。


その六。飛び散った砂時計の中身を、ブレイズくんに回収してもらう。


その七。回収してもらった灰に、ゾディさんが『蘇りの薬』をぶっかける。


その八。オートミールを蘇らせる。





「どぉ~? 超~~完璧な計画でしょお~!......って、最近までは思ってたんだけど....」



ゾディさんは舌ペロするけど、すぐにヘニョ...ってなって、ぴえん顔になる。



「いつまで経っても、悪霊共は砂時計を壊してくんないしぃ......オートミールの灰も手に入んないしぃ......」

「当たり前でしょう。お前の計画は適当すぎます」

「うるしぇーうるしぇー! だから作戦変更しよって言ってるんじゃーーん!」



え?



「へ、『変更』? 計画変えちゃうの??」

「うん! もういっそ、大胆に変えちまおうと思っててぇ!」



死神さんは「いぇいっ!」って言いながら、顎ピースする。

その次は横ピース。

その次は......。



「............いい加減......オートミールに、会いたくなっちゃったからさぁ......」



ピースを崩して、手を下ろす。


ブレイズくんにゆ~~~っくりと背を向けて、酔ってもないのに千鳥足で私に近づいて、



私の指を......軽く、つついた。

掴むこともなく、握りしめることもなく。



「そ・れ・で! 新しく思いついた計画なんだけどぉ~......」



唇を尖らせてるのは、ふざけてる感を出すため......ってだけでは、なさそうで——



「もしよければぁ、ウィローちんにも協力してほしい............的な?」




***


「却下です!」



新しい計画の説明が終わった後の第一声が、これ。

誰の発言なのかは言わずもがな......。



「本当に救いようのない脳みそですね。どうしてこれでうまくいくと......」

「はい言い過ぎ~! ブレイズはあれでしょっ、ウィローが巻き込まれるのが嫌で『却下』って言ってるだけでしょ!」

「一度死んでみては? 馬鹿は治らなくても、目なら覚めるかもしれませんよ」



また二人が喧嘩しだしちゃったから、私はワタワタしながら間に入った。

変になぞなぞ出すよりも、翼をパタパタ~ってしながら慌てる方が効果抜群だったり(?)



「まぁまぁ! 私はほら、巻き込まれても平気だから! 新しい計画はめちゃくちゃだとは思うけど!!」



ど、どうかな......? 中立感出せたかな......?

バランスバランス......。



「や、やばいことに巻き込まれるのは慣れっこだし! まぁでも——」

「ほら見てよブレイズぅ~~、ウィローちんもこう言ってるよぉ~?」



ゾディさんは一瞬で私の背後に立つと、後ろから腕を回してくる。

バックハグしてる間も、私の髪やら頬やらをツンツンして遊んで......。


な、なんかっ、勝手にゾディさんの味方だってことにされてるんだけど!?



「ウィローちんは優しいねぇ~。話のわかる良い女だねぇ~。それともぉ、それくらい僕ちんのこと信頼してくれてるってコ・ト?」

「うぅ......ごめんゾディさん......あんま味方するとブレイズくんが拗ねちゃうから......!」

「拗ねません......」

「アッ、拗ねたぁ〜!」



ゾディさんに指差されたブレイズくんは、すぐに俯いちゃう。


そのまま背を向けて、部屋の出口に——あ、ブレイズくんまた立ち去ろうとしてる......。



「......とにかく却下だ。お前の新しい計画とやらには乗らない」



ドアノブを握り潰すような勢いで掴みながら、ブレイズくんは振り返る。


目元に真っ黒な影が落ちていて。瞳の中の青い炎が、刃のようにギラついていて。

龍の瞳にも......ブチギレた猫の瞳にも見えてしまう。


こ、怖いよ? ちゃんと圧やばいよ?? でも......なんというか......。



「次ガーディナーを巻き込もうとしてみろ。お前の友人と同じ場所へ送ってやる」

「オートミールはもう転生してるも~ん。もう同じとこにはいけねぇも~ん......」

「......」



声には出してなかったけど、ブレイズくんは微妙な表情変化だけで『ふん』って言いながら、ドアノブを——




「そ~そ~ブレイズぅ、一個だけ言い忘れてたんだけどぉ~~」




ゾディさんは私から腕を引いて、ブレイズくんの方へ駆け寄る。

もう扉は閉まりかけてたし、間に合わないかもなって思ってたけど。


ブレイズくんは警戒心マシマシな顔で振り向いて、一応立ち止まった。



ゾディさん本人もまさか止まってくれるとは思ってなかったのか、少しの間その場に立ち尽くす。

だけどすぐにピクッと動いて、体を揺らして、



「今まで『偽善者』とか言ってゴメンネ~~~?」



..............................、



「結構ひどい態度取っちゃっててごめんね、的なぁ~~?」

「............は、」

「ほらぁ、なんとなくぅ............」




........................きゅ..................急。


私たちからしたら、急だけど。



ゾディさんは多分。ずっと、言おうとしてたんだろうな。

声には出さないようにしてるけど。相当勇気が必要だったんだろうな。




『僕ちんは............自分一人で、世界に抗おうとするやつが......嫌いってだけで............』

『死んだ後も、世界を変えることに執着するなんて......どうせ失敗するのにさぁ......』




......ここからだと、死神さんの後ろ姿しか見えない。


ただ。なんとなく、足元がおぼつかないような。




「ひどいこと......言ってた記憶ある、から。ゴメンネー。ごめんね~......」

「......」

「ちょっ、な、なんか言ってよぉ!! 気まずいじゃ~~~んっ、ま、マジで......っ」



少しずつ、灰色の耳が赤く染まってるように見える。

背中に隠してる、つもりの手は——指先が、ずっとせわしなく動いていた。



......ブレイズくんが、口を開く前に。



「————っ、え」

「ガーディ、ナー」



私は二人の間に入る。


今回は入るだけじゃなくて、それぞれの手を片方ずつ掴む。

............ゾディさんの手、やっぱり小っちゃいなぁ。



似た者同士でもあって。同時に正反対でもあるんだなぁ。二人は......。



「えへ、えへへ......それじゃあ二人とも、今日から仲良しねっ!」



二人の手を、同じくらいの強さで握る。

同じくらいの高さまで上げる。


繋ぐ。

私が、二人を。


これが俗に言う、関節手つなぎ......だったり?



「二人が仲良くしてくれたら、私は嬉しい! 二人とも大好きだから!」

「「............!」」

「同じ計画を担う者同士、仲良くしようよっ! ねっ!」



......さ、流石に言ってること、子供っぽすぎたかな......?


二人ともポッカーンってしちゃって。



でもゾディさんの方は、ブレイズくんに顔を向けてくれて。

若干上目遣いになりながら、息を吸う。


吐く。

瞬きを、する。



そして、再び口を開い——




「すみません。いくらガーディナーの頼みでも、それはできません」

「「..................」」

「体が生理的に受け付けないのです。正直死神と同じ空気を吸うだけで、肌が穴だらけになりそうで——」


「ヘイヘイヘーーーイ!! 流石に腹立ったので窃盗ぅ~~~!!!!」




というわけで。


ゾディさんはブレイズくんの銃を奪い取った。

そのまま指パッチンして、銃を消しちゃってた。多分魔法でどっかに飛ばしたんだろうね。




「しばらく銃は没収しまぁ~~~す、僕ちんが預かってま~~す」

「は......? はっ......はぁ!? か、返し——」

「返してほしければ土下座して『ゾディアックさん万歳』って言ってくだサァーイ」

「死んでもやるか」

「もう死んでんじゃん」



ブレイズくんはゾディさんの胸ぐらを掴んだ。ゾディさんは舌を出した。



な......仲良しだぁ!!!!!!(ゴリ押し)



............でも......ホントになんだかんだ............。


......。



口に出したら、暴言吐かれる気がするから。

やめとこ! えっへへ......!










「ね、ねぇゾディさん? ちなみに例の計画って、いつ実行する予定なの?」





殴り合いに発展する前に、さりげなく喧嘩を止めようと思って。


なんとなく聞いただけだったんだけど。




ゾディさんは『よくぞ聞いてくれました!』と言わんばかりに笑顔になって、瞳の中の流れ星をキラキラさせて——







「明日だよンッ」








次話:急展開!!

記念すべき100話です。もぐもぐ

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