八十八話:腐ってる
最終日、私はゾディさんと同じベッドで寝た。
「えへ、えへへ......誰かと一緒に寝るのは、久しぶりだなぁ......」
私がそう言うと、ゾディさんは私の方を向いたまま、目を伏せて。
微笑んでくれて......。
「..................俺も」
......先に寝息を立て始めたのはゾディさんだった。疲れてたのかな。
私も、ゾディさんの手に触れた後のことは覚えてない。
頬に落ちてきた新聞紙が、私を起こしてくれて。
気づけば、赤色の朝日が差し込んでいて。
ゾディさんは先に下に降りてたみたいだった。
ネルソービューの制服に、久しぶりに袖を通して。
階段を降りて。
玄関の扉が開いてたから、そっと外を覗き込んでみると......。
「あっ、おっはぁ~~~! ちょうど起こしに行こうと思ってたとこだよぉ~、ナイスタイミング!」
家の前には、ゾディさんと......と......トラック......????
木材色のトラック。太陽光を弾いてるから、本当に木でできてるわけじゃなさそう。
箱の後ろ(運転席がない側)の扉が開いていて、ゾディさんはそのすぐそばに立っている。
「ウィローちん、もう帰る準備はできてる感じ~~~? 荷物とか全部『保管ハット』に入れたぁ?」
「ぞ......ゾディさん、運転できたの......??」
「? 運転......? あ、トラックを動かせるほどの魔力があるのかって聞いてる?」
な、なんか、私が知ってる『運転』と違うっぽいから、これ以上は聞かないでおこ......。
「準備はできてるよ! それで......そのトラックは......?」
「ウィローちんをネルソービューに送るために必要なもの! とりあえずこっちおいでよぉ、見た方がわかると思うから!」
ちょいちょいっと手招きされたから、私はゾディさんの元へ駆け寄る。
すると、トラックの箱の中には——
「出せっ、出セぇぇぇえェェエっ、アタシをここから出セェェエエェェェエ!!!!」
「ひぃぃいいっ!?!?」
ああぁぁぁぁあ、悪霊!? 幽霊さん!?
が、鳥かごの中に閉じ込められて......??
しかもっ
「クソッッッ、今こそワレの爪力を見せつけるときッ!! オラァァアァァァア」
「あば、あば、ばばばばば、あばばば、あばばぅばばばあ」
「うぅぅう......しく......しくしくしく............」
い......いっぱいいるぅ......。
悪魔の悪霊、人間の悪霊、ジャガイモのぬいぐるみ(多分使い魔)の悪霊......。
みんな肌に黒い穴が空いてるけど、その量や大きさはヒトによる。
それぞれ鳥かごの中に閉じ込められて、トラックの奥の方に詰め込まれてる。
悪霊入りの鳥かごだけじゃなくて、他にも『S』なんちゃらとか、見たことはあるけど名前まではわかんないポーションとかも......。
......それに......空の鳥かごが、一個だけあるんだよなぁ......。
開いてるんだよなぁ......それだけ......。
..................。
「ふっふっふー! さてさてぇ、僕ちんの完璧なプランをお聞きになりますかぁ~? 特別にタダで聞かせてあげますよぉ~~~ん!」
ゾディさんは指で丸を作りながら、ペロッと舌を出した。
「このポーションも悪霊たちも、訳あってネルソービューに運ばなくちゃいけなくてぇ! 配達係は僕ちんの第二の仕事だからさぁ!」
「......ねぇゾディさん? 私すっごく嫌な予感が......」
「ネルソービューの国境を通るときって、必ずスキャナー?みたいなやつにスキャンされるんだけどぉ......それで不審な荷物が行き来してないかとか、誰か不法侵入してないか確認するらしいんだよね!」
「めちゃくちゃ嫌な予感がぁ......」
「もしここで僕ちんたちが普通にネルソービューに入ったら、色々と怪しまれちゃうのよ! 僕ちんも捕まっちゃうかもなのよ! そ・こ・で!」
ゾディさんはパァアァァっと顔を輝かせながら、広げた両腕で『く』の字を作って、
トラックの方を差して......、
「ウィローちんには、このトラックの中に入ってもらいま~~~っす!」
「うわぁぁあああぁぁやっぱり!! やっぱりーーーっ!!!!」
やだっ!! やだーーーっ!!!! 怖いよーーーっ!!!!
み、みんな檻の中とはいえ、す、すぐ近くに悪霊がいるんでしょ?? 暴れまくってる悪霊がいるんでしょ!?
私を襲うことはないはず、だ、けど、
安全はゾディさんが保証してくれてるんだろうけどっっっ
「ウィローも魂だからさぁ? 悪霊まみれのトラックの中に紛れ込んだって、スキャナーにはわかんねぇのよぉ! ウィローも悪霊だって勘違いしてくれんのよぉ!」
「うわぅぅぅうぁぁぁうあぅぅうこうなるって思ってたぁぁあぁぁあああ」
「悪霊とポーションをネルソービューに運ぶ許可は出てるしぃ? これならぁ~~上にも~~怪しまれない~~~~」
「空の鳥かごが一個だけポツンと置いてあるんだもん! 意味深に置いてあるんだもん!! つまりあれでしょっ、あの檻の中に入れってことでしょ!?」
「ご名答~~~トントン麺」
「こんちくしょーーーーーっ!!!!」
......抗いたかったよ。
抗いたかったけどさ。これしか方法なさそうだし。
この日のためにゾディさん、色々準備してくれてたっぽいし。
私はしぶしぶ、トラックの中に入ったよ。
大人しく鳥かごの中に閉じこもったよ。
偉すぎだね。
「そんじゃウィロー、ごゆっくりぃ~」
ゾディさんはトランク?の扉を閉めながら、楽しそうに手を振った。
ドアが閉まると、中はほとんど真っ暗になる。
隙間から入ってくる赤い光だけが、自分自身の輪郭を見えるようにしてくれる。
トラックの中は優しく揺れて、子守歌仕様のジェットコースターみたいで。
エンジンの音は聞こえなかったから、やっぱり別の何かで動いてるのかもしれない。
いや......何も聞こえなかったのは、耳を塞いでたせいかな。
隣にいる悪霊が、ずっと檻を引っ掻いてたから......。
......でも......数十分......いや、数分経つと。
「..................?」
静寂が訪れた。
おそるおそる耳から手を離してみても、呼吸一つ入ってこない。
悪霊さんたちは体育座りをしたり、暗闇をぼーーっと眺めるだけになって。
よ、よかった......ずっと騒いでるわけじゃないんだ......静かになるときもあるんだ......。
「............」
なんか......ジャックさんに誘拐されたときのことを思い出すな。
あのときもこんな感じで、鳥かごの中に閉じ込められちゃって。
変な木箱?荷車?に運ばれて。ジャックさんの隠れ家まで連れて行かれちゃって。
あのときとは違って、今は周りに他の霊がいるけど......。
「......えっと......こ、こんにちは~......?」
私は小声で、隣にいる幽霊さんに話しかけてみた。
多分この子は............天使の、幽霊。
赤黒いシルエットが、こっちを向いてくれることはなかった。
「私の声、聞こえてる? 私も君と同じ天使で......君と同じ......」
......やっぱり、何も言ってくれない。聞こえてないだけなのか、無視してるのかどっちなのかわかんないけど。
ブレイズくんみたいに話が通じる相手ではなさそう。
ヒナタくんみたい、に......。
っ
........................。
ここにいる『悪霊』さんたちは......インフェルッツァ宮殿の、何層から来たんだろ......?
このヒトたちも、九層の霊たちと同じくらい......悪いヒト......?
「『もしも~~~っし? ウィローちん? 聞こえてるぅ?』」
「うん、聞こえて————え!?!?!?」
私もなるべく静かにしようとしてたのに、ゾディさんのせいでめちゃくちゃ大声出しちゃったよね。
こっちの声も聞こえてたのか、ゾディさんの笑い声が耳に......いや脳に入ってくる。どーせお腹抱えながら笑ってんだろうなぁ......。
「『あははははっ!! びっくりした? びっくりしたでしょーーーっ!』」
「......もしかして、テレパシー? ネルソービューにもテレパシーを使える子がいて......」
「『なんだ、知ってたんだ~! 初めてブレイズにこれやったときはさぁ、大量発砲されてもう大変でさぁっ』」
そういえばブレイズくん、時々何もない宙に向かって話してるときあったけど......やっぱりあれ死神さんと話してたんだ......。
「『ちょっと中の様子確認しようと思ってぇ! どぉ? トラックの乗り心地は?』」
「えと、悪霊さんたちが急に静かになって......話しかけたら無視されて......」
「『あ~~~、多分騒ぎ疲れたんだろうねぇ。今は騒いでも無駄だって本能でわかってるんだよぉ、正気失ってても意外と賢いからさぁこいつら』」
私は檻の中で正座を崩して、改めて辺りをキョロキョロする。
暗闇に目が慣れてきたおかげで、みんなの表情が薄っすらと見えるようになってきた。
感情を失ってるような。一旦自ら意識を切ったような、そんな顔。
あんぐりと口を開けて、瞬きすらもせずに、ただ己を眺めてる。
まるで、『S』なんちゃらに与えられた体に対して、鈍い違和感を訴えているかのように。
「この悪霊さんたちも、みんなネルソービューに放つの? ゾディさんの計画のために......」
「『ううん、放つのは人間の魂だけ! 他はほとんど「地獄ダンジョン」行きだよ!』」
......え?
「な、なんでここで『地獄ダンジョン』が出てくるの......?」
『地獄ダンジョン』って、あの?
戦闘技術の授業とかで時々潜ったりする、ネルソービューにあるあのダンジョンの......?
「『ウィローちんはあのダンジョンに行ったことないの? ほら、あそこってさぁ、悪霊がいっぱい蔓延っててさぁ、』」
「し、知ってるよ。『化け物』のことでしょ......?」
一年生の時、その『化け物』のせいでオリーブくんも私も医務室送りになっちゃって、
......え............え......?
「『へ~~~、ネルソービューじゃ「化け物」って呼ばれてるんだ! 悪霊を「化け物」呼ばわりするなんてぇ、相変わらずヒトの心がないですこと~~』」
「ちょ......ちょっと待って......、」
「『まぁでも、そう呼ばないとネルソービューの生徒が混乱しちゃうかもしれないからねぇ。特に、自分も幽霊だって知っちゃってる生徒は——』」
「ちょちょちょちょっと待って!!!!」
また大声を出したせいで、私の隣にいた悪霊がビクッと体を震わせる。
でも彼女は、そんな私を咎めてくることはなかった。
......『地獄ダンジョン』、とは。
何層まで続いてるのか、未だにわかってないダンジョン。
危険な『化け物』がたくさんいて、魔法や武器で倒さなくちゃいけないって。
一年生の頃の先生はそう言っていた。
その『化け物』の正体は、暴走した悪霊で。
人間の悪霊だけじゃなくて、色んな人外の悪霊がいて。
ゾディさんが、ネルソービューに放ってる幽霊とは別の......はず、で......。
............ま......まさか。
いやでも、で、も......でも......っ
「『ウィローち? どしたん?』」
「..................『地獄ダンジョン』にいる『化け物』も......みんな、ポエナから来た魂......?」
「? そうだよ?」
ゾディさんの声はまるで、『当たり前でしょ?』とでも言いたげに聞こえて。
よくよく考えれば、確かにそうで。当たり前で。
......あ。そっか。
ネルソービューは、また私たちに嘘をついたんだ。
「『最近またインフェルッツァ宮殿に空きがなくなってきたらしくてさぁ。こうして定期的に悪霊を「地獄ダンジョン」に送っていかないとやばいらしくて! いい加減、増設しろって話だよなー』」
「............っ」
「『まぁそのおかげで、怪しまれずにウィローをネルソービューに運べるんだけどぉ......』」
「......頭痛くなってきた............」
「『え? 大丈夫そ? その辺にある回復薬飲んでもいーよ?』」
つ、つまり。
『地獄ダンジョン』にいる『化け物』も、私が今まで会ってきた『悪霊』も。
結局は、全部同じだったってこと?
いる場所が違うだけだったってこと......?
わかんない、わかるようでわかんない、よ、
ポエナは、ネルソービューにある『地獄ダンジョン』に、魂を送って......?
ネルソービューは、その魂を生徒に..................、
生徒に、倒された魂は......『化け物』は......どうなるの............?
「『ホントは、ここにいる魂全員「地獄ダンジョン」に送らなきゃいけないんだけどぉ......僕ちんの計画のために、何体かこっそり外に逃がしてるんだよねぇ。仕事するついでに犯罪やってま~~っす! イエ~~~~~』」
「......な......なんで悪霊を、『地獄ダンジョン』に送らなきゃならないの......?」
「『? だからぁ、宮殿に空きがないからだよ。このご時世、罰しなきゃいけない魂は増え続けるばかりだし......インフェルッツァに入りきらないから、こうして「地獄ダンジョン」に何体か送ってるんじゃ~~ん』」
......あ......れ......あれ............?
ここ......酸素、薄いのかなぁ............?
「............そもそもネルソービューに、『地獄ダンジョン』があるのはなんで............?」
「『確か1400年前、永遠に続く異空間を作る実験をネルソービューでしてたら、たまたま出来ちゃったとかなんとか! 今じゃポエナにとってもネルソービューにとっても、便利なゴミ箱って感じだね~~』」
「......便利な......ゴミ箱............」
私は、紫色のネクタイを強く握りしめた。
......全部を理解できたわけじゃない。
全部を理解しなくても、良い。
ただ。
わかったのは。
「、............っ..................」
隠し事ばっかりするネルソービューに対して......冷たい感情が生まれてしまったことだけ......。
***
「『——れでぇ、外に逃がす予定の魂には一応「S/Co-3928」を持たせるんだけどね? 全然飲んでくれないのよぉ、だからほとんどが透明化して消えやがるのよぉ!』」
「............ふ~ん......」
「『それに、こんだけ待ってもだぁ~~~れも砂時計壊してくれないし......そろそろ計画を見直した方がいいのかなぁ......?』」
「んぅ............ん......」
別に眠いとかじゃないけどね????
暗闇の中揺られてたら、だんだん眠くなってきたとかじゃ決してないけどね??
ゾディさんの話が難しくて、だんだん相槌が適当になってきちゃってたってだけで。
そんなこんなで、トラックの中に入ってから、かれこれ......一時間くらいかな。
「『......よしっ! 着いたよウィロー! ネルソービューに!』」
「ふぅん..................ん!?!?!?」
おかげさまで目が覚めました。
ついでに鳥かごに頭をぶつけました。
「いでででで......つ、着いた!? 着いたって言った!?」
「『うん! ちょっと待ってねぇ、今から荷台のドア開けるから......』」
ゾディさんがそう言うと同時に、青白い光が中に入ってきて。
扉がガレージみたいに開いていって、よく知るシルエットが見えて——
「よっ! ご乗車、ありがとうございっしゃーーー!」
死神さんの背後に広がる景色は......ネルソービュー、と言えるのかどうかわからない。
立ち入り禁止の森の中。
下の方を泳ぎたがる蛍。
冷たい空気と、雨露の匂い......。
これでも十分『懐かしい』って感じられるなら、戻ってきたって思っても......いいの、かな?
私......ほんとに、帰ってきて............!
「お、思ってたより早かったね......」
「そりゃだって、ポエナとネルソービューは隣同士ですからぁ」
「え? あ、そういえばそうd——」
「ァァアアァァァアァアア出せェエエエェェエェェエェ」
急に入ってきた光に反応しちゃったのか、周りの幽霊たちがまた暴れ出す。
壊れたオモチャみたいに鉄格子を殴って、同じような言葉を繰り返して、
「うわぁぁあぁぁすみません出ます出るからでででで出まーーーーすっ!!!!」
私は鳥かごの戸を押して、飛び出て、
そしたら足をつまずいちゃって——
「おっとぉ! 足元にはお気を付けくださ~~~っい!」
トラックから転げ落ちそうになった私を、ゾディさんが受け止めてくれた。
森の中の寒さが、すぐにマシになった。
......森......。
森、だ。あの森だ。掟で立ち入りが禁止されてる割には、しょっちゅう入っちゃってる森。
ヒナタくんと初めて出会って、転生観覧車があって、ゾディさんとも初めて出会って、
ジャックさんにも誘拐されちゃった、あの......。
「......」
「......」
ゾディさんは何も言わずに、トラックの扉を閉める。
沈黙が訪れた理由は、わかるようでわからない。
ゾディさんは、私の腕を離さないでいた。
それが、嬉しいって感じるくらい......私は............、
「............悪霊さん......何体か、外に逃がすんだよね?」
「うん。でも、ウィローちんを見送るのが先かなー」
「......地獄ダンジョンに行くのも、その後?」
「そーだねぇ」
「............」
「ここから左に真っ直ぐ歩けば、ネルソービューが見えてくるはずだよぉ」
「..................」
私はちゃんと顔を上げて、ゾディさんと目を合わせた。
いざ、このときが来ると......どんな顔すればいいのかわかんないや......。
「ぞ......ゾディさん、私......私......!」
「ちょっとぉ、永遠の別れみたいな空気出さないでよお! ネルソービューにはしょっちゅう来るから安心しろってぇ~」
「わ、わかってるけど......けどぉ............」
......あ。
頭......撫でてくれて......。
「......んじゃ、またねぇ。ウィローちん」
「....................................うん!」
『ありがとう』、とか
『楽しかった』とか。色々考えてはいたけど。
言わない方が、良いような気がして。
きっといつか、言えるチャンスが来ると思うから。
私は全ての感情を、笑顔に委ねることにした。
「............」
「あっ、そうだウィローちん! 一つだけ言わなくちゃいけないことがあるんだった!」
「ん? なぁに?」
ゾディさんは私から離れると、顎に指先を当てて、
「そういやウィローってさ、ジャックポットに誘拐されてから、しばらくあいつの家にいたんだよね?」
「......? 多分。もうあんま覚えてないけど......」
「ってことはぁ、ウィローちん多分——」
「~~~~~~~っっっあぁぁあぁぁあ!?」
声が、聞こえて。
一瞬、トラックの中にいる幽霊かなって思ったけど。
私もゾディさんも振り返ると、そこには制服姿の、
コウモリのような羽の生えた、
羊のような角の生えた、
ハートのようなしっぽの生えた、
オリーブ、くん。
が。
いた。
「っ......ぁ......あ......あぁぁぁ............!!」
オリーブくんは口を押さえながら、大粒の涙を流す。
その場に立ち尽くして、呼吸することすらも忘れて、
しっぽで落ち葉を撫でて、翼を下ろして、
「......オリーブくん......なんで森の中......え、」
「~~~~ぁ、あぁぁぁ、い、今まで、ど、こに......がーでぃなー......さ............!」
オリーブくんが......急成長してる......?
翼も角も、全部、最後に会ったときと比べて......
っっっって、い、今はそんなこと考えてる場合じゃ、
や、やっぱりそうだよね心配かけちゃったよねだって、
私、十八日もいなかったんだから、
「オリーブくん! ご、ごめ......んなさい、ごめん、私——」
「この半年間————ずっと、どこに、行ってた、っの............っ......!?!?」
......半年?
半年。
半年......六ヶ月......半年......。
「..................半年????????????」
私はゾディさんの方を振り返った。
ゾディさんは後頭部に手を当てて、ウインクして、
泣きたくなるくらい腹が立つ、てへぺろ顔を披露した。
次話:埋まらない月
です。久しぶりにいつものみんなと会いましょう




