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七十四話:さようなら、ネルソービュー

「どう? おいし?」

「......」



私は答える代わりに、買ってもらったカフェオレをストローでちゅご~~~って吸った。



......私さ。ちゃんと『やだ』って言ったんだよ?


デートなんてしたくないって。早くネルソービューに帰りたいって、ちゃんと言ったのに。



それなのに、ゾディさんったら都合よく聞こえなかったフリしてさ、

拒否権も当たり前のように消してきてさぁ!


私の手を取って、引っ張って、森の中を全力疾走させられて、



それで......森を抜けた景色は、まぁ......。

............。



ふ、ふん! 今のウィローさんはツンツンウィローさんだからっ!

そう簡単に褒めたりしないんだからねっ!!




「ここ、楽しい場所でしょ~~! 僕ちんのお気に入りなんだ~!」



私の向かいに座るゾディさんは、丸テーブルの上で頬杖をつきながら、満足げに笑う。

そして、『ブラック飲める僕ちんかっこいいっしょ~~!』って顔をしながら、コーヒーを静かに(すす)った。



「ポエナの中では比較的治安が良いし、食べ物も美味しいし......遊具に乗っても、死ぬ可能性はほぼゼロパーセントだし!」

「そ、それって普通じゃ......?」

「普通じゃないよ~~! デッドリージョンの遊園地にあるジェットコースターとか、ほぼ確で故障して月まで飛ばされちゃうもん! まぁ、あれはあれでスリルがあって良いって評判だけド......」


デッドリ......? あぁぁあ駄目だ、考えないようにしよう......。



私は冷たいカフェオレを追加で口に含みながら、主に右に広がる景色に目を向けた。



赤、青、黄色の紙吹雪が、常に宙を舞っている。といっても、少量だけど。


地面は、転んでもそんなに痛くなさそうなレンガで埋まってる。

茶色のレンガ......いや、灰色? 赤? わかんないけど、なんでもいっか。



空気があんまり綺麗じゃないのか、遠くの方にあるジェットコースターが少し霞んで見える。

列車のような見た目の乗り物は、稀にレールから外れて、自力で飛んだりしてる。『死ぬ可能性ほぼゼロパーセント』......?


黒い羽が生えた子供たちに占領されたメリーゴーランドは、減速したり加速したりを繰り返してる。

まるで、手動で回してるオルゴールみたい。流れてるbgmもそんな感じで、なんか、微妙にスッキリしないというか......リズムが合ってないというか。



楽しそうな場所ではあるん、だけど......空がなぁ......赤いせいで......。


赤い太陽が沈み始めてるからか、空の赤はそこまで眩しくなくなったけどね。

それでも全然マシにならない、圧倒的世紀末感。


この遊園地が、自分の最期の場所なんだって信じそうになっちゃう。



「どーよ、ウィロー? ここはポエナの中でも比較的、ネルソービューに近い場所なんじゃない? 雰囲気とか!」



ゾディさんは大人っぽくいるのは諦めたのか、テーブルの真ん中に刺さってる傘......アンブレラ?を両手で掴んで、軽く揺らし始めた。



「ネルソービューってぇ、遊園地とかサーカスをイメージして作られたって聞いたし!」

「そうなの? 言われてみれば確かに! マーケットもサーカスっぽいテントがいっぱいあるし、森の中には観覧車も——」



......『転生観覧車』......だったっけ?

うっ......ジャックさんにまんまと騙されて、麻酔打ち込まれたこと思い出しちゃった......。



「観覧車ねーー! ネルソービューの観覧車ほどデカくはないけど、ここの観覧車もすげーのよぉ? ポエナ全体......ってわけにはいかないけど、結構広範囲を見渡せちゃうんだから!」



『へー』って言いたかったんだけど、カフェオレを飲んでたせいで、『へー』と『んー』の間みたいな声が出ちゃった。



ポエナのカフェオレも、ネルソービューにあるやつと同じ味がするんだな。

そう考えると、天国と地獄って、そこまで大差ないのかも?


いやでも、空の色が違うってだけで、だいぶ印象が違うというか......そ、それに私、まだポエナのこと全然わかってないし、


私、当たり前のようにポエナにいちゃってるけど......ほんとに大丈夫なのこれ......?



「あーーでも、この季節って、観覧車内がもはや猛暑なんだよねぇ......流石にネルソービューの制服はちょ~~っと暑いんじゃない??」

「ちょっとどころかめちゃくちゃ暑いよ、観覧車の中じゃなくても暑いもん今! ネルソービューとポエナの季節って反転してるの? 今って1月なはずで......」

「......。へへっ、そんなウィローのために、僕ちんが夏のコーディネートしてあげよっか?」

「えぁ、え......包帯まみれにされそうだから遠慮しとく......」

「え~~~~??」



ネルソービューの制服は暑苦しいだけじゃなくて、もうなんか、単純に落ち着かない。


周りには当然、同じ制服を着てる子なんていないし。

お前は部外者だって、ここにいちゃいけないって言われてるような。


ほんとはそんなことないんだろうけど、なんか......ジロジロ見られてるような気がするし......。



人間も、天使すらもほとんどいない。

ゾディさんと同じくらい奇抜なファッションセンスの、悪魔、死神、魔法使い......時々、空飛ぶティーセット(多分変身した使い魔)。


この中に『グール』、とかも......紛れ込んでたりするのかな......?



『最強最悪の人外と呼ばれる、「グール」の生き残りであルッ!』


『ヒナタたちをころした人外は——......グール、は......いない、よ』



......グールは.......みんな、悪いやつ......?

ジャックさんも、私のことを誘拐したわけだし。

人外が『悪霊』に憎まれてるのって、もしかしたら全部、グールのせいで——



「も~~~ウィローったら、せっかく遊園地に来たのに、さっきからず~~っと難しそうな顔しちゃってぇ!」



灰色の指先がスッと近づいてきたから、私はつい反射的に目を細める。


そしたら、鼻をちょんってされて。ほんの一瞬だけくしゃみがしたくなって。

死神さんの指の感触が、微炭酸のように肌に残る。



目が合うと、ゾディさんはふにゃっと笑った。

両頬に指を当てて、首をほんの少し傾けながら。



「可愛い顔が台無しだぞぉ~~~? ほらぁ、スマイルプリ~~~ッズ!」

「う......だ、だだだって、仕方ないじゃん! 目が覚めたら急にポエナに連れてこられてたんだよ?? 考えることいっぱいで、私っ、」


で、でも、笑えって言われたら、笑わないとダメ、かな... .. .?


「ンマ~~~~気持ちはわかりんこだけどぉ......あっ、そうだ!!」



ゾディさんは急に立ち上がると、私たちの間に立つアンブレラを横に掻き分ける。

そして、私に手を差し出して、



「こういうときはアトラクションにでも乗ってぇ、悩みも恐怖も葛藤もぜぇ~~んぶ、ふっ飛ばしちゃおうぜっ!」



薄い桃色の舌を出しながら、星を散らすようにウインクをした。


赤黒い影が死神さんを照らしてても、日常と非日常が、奇跡的に調和してる、ような。



少しでも可愛いって思っちゃって、とんでもなく悔しくなっちゃって、


『アトラクション』って言われても、あんまりワクワクはできなかったけど。



「そ......そう言われてもぉ......」

「最初は何乗る~~?? ウィローが乗りたいやつからでいいよぉ?」

「......しょうがないなー......」



私は、ゾディさんの手を取った。


柔らかくて、まだコーヒーの温度が残ってるみたいで。

手を握られるのは初めてじゃないのに......毎回、想像より小さく感じる。


なんだか、ミルルンの手に、少しだけ似て......。



「そんじゃあ早速~~、レッツラゴ~~~リラッ!」

「お、お~......」



......——っ、やっぱり、私、


ネルソービューに......帰りたいよぉ............っ




***


「もう一回!! もう一回乗ろっ、ゾディさん!!」

「......ま......また?」

「もう一回乗ろーーーーーーーーーーーっ!!」



ひゃーーーーーーーっ!! 楽しいーーーーーーーーっ!!


あのねあのねっ、ジェットコースターねっ、すごかったの!


最初はドゥルルルルってなって死ぬかと思ったんだけど、その後バビューーンってなって、首上がんないぐらいブオォォオオオオォオオってなってっ


風が気持ちよくてねっ、汗も全部吹っ飛んじゃってねっ、


急に亜空間に飛ばされるときもあってね! 最初はびっくりしたんだけど、緑の世界に行ったり、青の世界に行ったり紫の世界にも行ったりしてねっ、とにかくすごくすごかったの!


楽器魔法だったのかなあれ!? ポエナでも楽器魔法ってあるんだね!! そりゃあるか!!



「ねーーーーーもっかい乗ろっ、乗ろうよ~~~~!」

「......君のチョロさには、流石の僕ちんも戦慄だよー......」

「行こうよ~~~!」



私はゾディさんの腕を引っ張って、もう一度ジェットコースターの列に並ぼうとするけど、


死神さんは口を尖らせながらその場で足を踏ん張って、抵抗してきた。

肌が灰色だから、若干わかりづらいけど......ちょっとだけ、顔色悪い?



「? どしたのゾディさん? なんかさっきよりだいぶテンション低いような?」

「あっ......あのね、ウィロー? 2~3回ならまだわかるよ? まだわかるけど......」


ゾディさんはシワシワのしょも顔をしながら、そっと片手に口を添えた。


「21回連続は......流石に......チョト......」

「え!? 私たち、そんなに何回も乗ったっけ!?」



体感ではまだ10回くらいしか乗ってないはずなんだけど......おかしいなぁ......?



「ゾディさんってもしかして、ジェットコースター苦手?」

「いや......全然苦手じゃないはずなんだケド......21回は誰でも酔うデショ......」

「え~~~~? 私はまだまだ乗り足りないんだけどなぁ~」

「せ、せめて、ちょっと休憩しない......? それかもうチョトゆったりなやつの乗るトカ......」



ゾディさんは体をプルプルさせながら、弱々しく苦笑いを浮かべる。


多分、あえてヨボヨボのおじいちゃん(おばあちゃん?)感を出してるんだろうけど......案外辛いのはホントっぽい......?

顔色はやっぱり悪いし、薄っすらと汗が浮かんでるし......汗かいてるのは暑さのせいかもしれないけど。


もしかして私、知らん間にゾディさんに無理させてた?? マジ????

なんか、申し訳ないというよりは......。



「......へへ......いつの間にか、さっきと立場が逆転しちゃってない? ちょっと前まではゾディさんが元気いっぱいで、行こ行こ~って感じだったのに、」

「うん......僕ちんもびっくりしてる」

「あはははっ! いやぁ~~、ウィローさんはやっぱ最強だからなー(?)」

「君のチョロさにもびっくりしてる」

「チョロくないわい!!」

「あっははっ」



今度はゾディさんが笑う番だった。

だけど、結構酔っちゃってるせいか、普段よりはだいぶ静かだった。



「は~い。じゃあ次はぁ~、僕ちんがattractionを決める番ね~。そうだなぁ~......」



死神さんはマント......じゃなくてケープの留め具を片手で掴みながら、風を追うように辺りを見渡す。そういえばゾディさん、いつフード外したんだろ? ジェットコースターに乗ったときかな?


赤い光が反射して、ゾディさんの髪が紫っぽくなってる。

絵本の中の夜空から、現実世界の宵空へ。



「......やっぱ、ここは無難に観覧車かなー。もうだいぶ日も沈んできたし、ゴンドラの中も涼しくなってるっしょ~」



ごんどら......ってなんだっけ? 観覧車のカプセルのことかな?



「観覧車はそんなに揺れないしぃ、景色も良いし......どう? ウィローは賛成?」

「うん、いいよー! 何気に観覧車に乗るのは人生初だし!」



......多分。


ジェットコースターも、人生で初めて乗ったはずだったんだけど、なんか全然そんな感じしなかったし。

記憶を失う前の私が乗ってたんだろうなぁ、わかんないけど。



「はい決まり~~! そんじゃあついて来てねぇ、ここから結構近いはずだから!」



ゾディさんはもう酔いが収まってきたのか、ニコニコ笑顔で私の手を取る。


そのまま手を引いて、ゆっくりと前へ顔を向け——




「......?」




......あれ......気のせい、かな? それとも、赤い光の角度のせい?



ゾディさん。私から顔を逸らす寸前。

微笑みが消えて。



ほんの一瞬だけ......暗い目、してたような......?




***


観覧車のゴンドラの中に入っても、やっぱり初めてって感じはしなかった。



居心地悪くはない閉塞感と、スベスベの白いベンチ。

耳が塞がれたかのように急に静かになって、空気が生ぬるくなる。


知らない体温の匂い。どこか物足りない揺れ。


腰かけた瞬間、急に別世界に来たような気になるの。


まるで、自分の人生を第三者視点で眺めてるような気分。

自分が描かれた絵本の1ページに、そっと手を添えるような。



「......」



死神さんは向かいの席に座って、そっと足を組みながら、静かにガラスの外を眺めてる。


ぬるい静寂が続く中、私はベンチの隅の方へ動いて、窓に手のひらを重ねた。



乗ったばかりのうちは、まだ円の下の方にいるから、つまらないかもって思いがちだけど。

いざ乗ってみると、全然そんなことはない。


むしろ、少しずつ遠ざかっている地面を見ていると、ワクワクで喉が詰まるの。

私が知ってる世界が、急に知らない世界になる瞬間を待ち望むの。



......まぁ。ここは地獄だから。

最初から、私の知らない世界なはず、なんだけどね。



「それで......どう?」



ゾディさんはふわっと沈黙を破る。

私に、というよりは......窓に映る私に微笑みかけた。



「......? 何が?」

「デートのか・ん・そ・う! どう? 楽しい?」



あ......そうだった、そういえばこれ『デート』なんだった......。

『デート』というよりは、普通に友達と遊んでるような感覚で、



「楽しかったよ! ジェットコースター、もっともっと乗りたいもん!」

「えっ、マジぃ~~?? まだ乗り足りないの~~??」

「あと10回くらいは絶対乗れる!!」

「うぇ~~~~」



普通に......楽しんじゃった。

楽しんじゃった。た......


楽しんじゃったーーーーーーーっ!?!?!?



や、やばいなんか急に正気(?)に戻っ......いやっ、いやいやいやいやでもっ


た、確かにジェットコースターは楽しかったけど!!

あれだからね!? 仕方なく楽しんであげてるだけだからね!?


別に、ジェットコースター乗ってたら『ポエナって結構楽しいじゃん!』『ゾディさんって結構良いヒトじゃん!』ってなったわけじゃないから!

まだ怪しんでるから!!


まだ......ネルソービューに帰らなきゃ、って、ちゃんと思って——



「よしっ! ウィローち、歴史って興味ある~~?」

「?? きゅ、急に????」



ゾディさんは手を手を合わせながら、楽しそうに頷く。

今度はちゃんと、私と目を合わせてくる。



「ウィローはこの世界の歴史とか知らなさそうだって思ってぇ~~! 上に着くまでの間ヒマだし、せっかくなら話してあげよっかなって!」

「れ、歴史って......ポエナの?」

「んーん! 正確には下界(げかい)の歴史かな~」



......げ......げかい......??



「昔々あるところに! 僕ちんもウィローもまだ生まれてない、7000年以上前の大昔!」



もうすでにポカンとしちゃってる私を置いて、ゾディさんは話を続ける。



「その頃はまだ、人外が存在していませんでした! 人間と動物しかいなかったのです!」

「へ、へぇ......ちなみにあの、この話ってどれくらい長——」

「人外は、人間たちが作ったフィクションにすぎなかった! 物語に出てくる架空の生物でしかなかった! 想像できないよねぇ~......今じゃ、人外と人間が当たり前のように共存してるのに~」



ゾディさんはまるで、絵本を読み聞かせするかのように歴史を語り続ける。

片方の人差し指を立てて、得意げな顔をして。完全に先生気分になってるじゃん。



人外が存在してなかった頃、かぁ......確かに今じゃ、あんまり想像できないかも。

私自身ももう、人外にほぼなってるようなもんだし。


そういえば、ネルソービューで目覚めたばっかりのときは、吸血鬼を見て驚いたんだっけ?

本物!?って。あははっ、懐かしいなぁ......。



「7000年前の人間は、人外というものに強い憧れを抱きました! なので、人間の研究員たちは立ち上がり、人外を作り出そうと試みたのです!」

「......だから今は、現実に人外が存在してるってこと?」

「そゆこと! しかし、その道のりは非常に険しく......」



ゾディさんはしょぼんって顔をした後、すぐにパッと笑顔になる。

切り替えがオンオフスイッチくらい早い。



「たくさんの犠牲の末に生まれた、一番最初の人外——確か天使だったかな? 天使様の誕生をきっかけに、人類は他の人外も順調に生み出していき......」

「へぇ~! 天使が一番最初だったんだ!」



実験......人外を生み出す......研究員.......


......ん......?



「しかぁ~~~っし! 残酷な人体実験や監禁生活に耐えかねた人外たちは、研究員を皆殺しにして、実験施設から脱出したのです!」

「み、皆殺し!?」

「そう!! こうして、人間よりも優れた存在である人外は、世界を支配し——人間の時代は幕を閉じ、人外の時代がやってきたのです!」



〈〈〈 人間の時代は終わったのだよ、***** 〉〉〉




————え?


あ、れ




いや、でもおかしい、そんなはずない、

のに、


この話......聞くの、初めてなはずなのに、



なんで、いま————




「それから色々あってぇ~、我々人外は『天国』と『地獄』——『ネルソービュー』と『ポエナ』も下界(げかい)の上に作り出したのでした! そして、今に至ると!」



頭痛がするほど激しいデジャヴに襲われた、ちょうどその時。


目が眩むほど赤い光が、ガラスから差し込んだ。

私もゾディさんも同じ方を向く。


いつの間にか私たちは、観覧車のてっぺんにいて。



遊園地の全体図——だけじゃ、ない。


地平線の先まで続いてる、ポエナの姿。



赤白い夕陽が照らすのは、空飛ぶ人外たちの背中。


家。大きい家。大きい建物。学校。

病院。レストラン。図書館。バス停。電柱、マンホール。

映画館、プール、消防署。

無駄な隙間を埋める木々。


黒いお城。宮殿。

それらがあんまり目立たないほど、周りには、



——全部、ある。

あって当たり前であるはずのものが、全部揃ってる。


ネルソービューと比べ物にならないくらい広い。

ネルソービューよりも、生きてるって感じがする。


心臓が、震えるの。



......本当に。


ネルソービューは。


ポエナに比べたら、箱庭のようなもので、




「歴史も語り終えたし! てっぺんにもちょうどたどり着いたし! ウィローには、とあるお知らせがありま~~っす!」



まだ、頭が痛い。


そんな私のことを気にかけずに、ゾディさんは席を立つ。

笑顔が、さっきよりも薄くなってる。


観覧車が降りる前に立つことは、普通じゃないことだって。

何故か、私は知っていた。



「ウィローは、もう......ネルソービューに帰れないよ」







次話:新しい日常へ

です。ポエナ編、正式スタートです

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