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147話:本当に進みますか?

倉庫の中は、思ってたより静かだった。


静か、というか......いつも通りというか。

前に来たときとほぼ変わらない。外に張られた結界は、あんなに燃え盛っているのに。



「ぶ......ブレイズく~~ん? いる~~......?」



背後の扉は閉めずに、ゆっくりと前へ歩む。ドアの隙間から漏れ出た光が、床に青い道を描いてる。レッドカーペットならぬ、ブルーカーペット。


それでも......進めば進むほど、道しるべは消えていく。


光のカーペットはだんだん薄まって、グラデーションを残すの。

辺りも少しずつ闇に沈んでいって......その代わり、『記憶の瓶』が蛍のように私を照らしてくれた。




「ブレイズくん? それか、お、オッドアイのヒト~~? いたら返事して~~~!」




こだまするのは私の声だけ......ではないような、気もする。


なんだろう。他の誰かの声が聞こえるような気もするし、ただの物音のような気もする。


ひそひそ声? それとも隙間風......? それとも、瓶の中で記憶が蠢く音だったり——......。



「あれ......? でも『記憶の瓶』、全然反応してない......?」



ガラスに指先を伸ばしてみても、誰かの名前が書かれた蓋をつついてみても......中に閉じ込められた記憶は、私から逃げようとしない。


今まではまるで、私という存在に反発していたようで......それは多分、私がこの記憶の主じゃなかったからで。

逆に、『ウィロー・ガーディナー』って書かれた瓶の中の記憶は、私の中に戻ろうと蓋をこじ開けてきた。



だから......この倉庫にある瓶のほとんどは、私を嫌っているみたいだった。


『お前じゃない。本当の主をつれてこい』って、言ってきてるみたい......だった、のに。



今は......ただただ静か。

私の指先が近づいてきても、泡一つさえ吹かないの。




「............なんで......動かなく——」


「ウィローーーっ!!!! 待って!! 一人で行かんといて!!!!」




つい棚の近くで立ち止まっていると。


聞き覚えのある声が、『生憶の蔵』中に響き渡った。




「——————え!?」



け、結界の外から叫......いやそんなわけない、だって足音聞こえるしっ、私もう結構奥まで進んだはずで——



「おいコラッ、チビロリ!! てめぇこそ先々行くなよな!!」

「ウィローちゃ~~ん! わたくしたちも来たわよ~」

「み、みんな、っはぁ、ま、待ってよぉ、速い、よ、っっ」


「!?!? 嘘ーーー!? みんな来ちゃったの!?」



見間違いじゃない。


真顔で手足をシュババババってしてるローリエ。

離陸前の飛行機みたいに走ってるキャベツくん。

水面をスキップするように舞うミルルン。

踏ん張りすぎてハムスター顔になってるオリーブくん。



さっきまでの静寂が、嘘みたいに消え去る。


同時に、聞こえていた気がする物音も逃げていく。ような。



「ま、待って......!? みんなもここに来たってことは......!!」

「そうよ~~。わたくしたちも、あの炎の結界を通り抜けてきたの~~」



すると、ミルルンは一番乗りだったローリエの頭上を飛び越えて、そのまま私に飛びついてきた。


ミルルンの方が大きいのに、何故か全然重くなくて。

ぎゅ~~ってしてくれるミルルンは、一瞬でも炎に焼かれたとは思えないくらい......冷たい。




「水魔法で消せないくらいだし、相当熱いのかな~って思ったんだけど~......いざ触れてみたら、大したことなかったわ~」

「えぇええぇ!? ちょ、ちょっと、みんな無茶しすぎだよ!! もし火傷してたら——」


「「お ま え が い う な」」



ひっっっ!? きゃ、キャベツと紫キャベツに挟まれて......ッッッ

私......サラダにされる......??



「オマエがあの炎に飛び込んでったとき、マジでびっくりしたんだぞ!? アホか?? お前はアホなのか????」

「そんでウィローの安否を確認しようと、早々と追いかけようとして教授たちに取り押さえられとったアンタも大概やけどな」

「っっせぇ!! お前だってセンコーの言うこと聞かずに、こっち側きたくせによォ!!」


「ふ、ふたっ、二人とも!!!! 喧嘩してる場合じゃないよっっ、」



オリーブくんは珍しく声を張り上げると、私を挟んで喧嘩してる二人を突き放して、そのまま少しだけしゃがんで、



「ウィローさん。か......勝手に追いかけてきちゃってごめんね? でも............」



顔を覗き込んでくる。

私に絡みついた糸をほどくように、そっと目を細めてくる。



「ウィローさん、は......ひ......一人じゃないから、ね......?」

「..................オリーブくん......、......」



作られたかのような、完璧な笑顔を前にして。

私の方は、つい唇を震わせそうになっちゃって。


だ、駄目。

もう。甘えないって決めたんだから。




「お......オリーブく~~~ん!! 優しい~~~!! あははっ、ありがと~~~~!」

「ひゃっ!? な、撫で、く、くすぐったいよぉウィローさん、」



私は明るいままでいるって、決めたんだから......。




「......まっ、感動の再会はこの辺にして......ウィロー? ブレイズは見つかったんか?」


ローリエは両腕を組みながら、オリーブくんの隣に立つ。



「ブレイズと、あともう一人いるかもしれんのやっけ? どう? 誰かおるっぽい?」

「それが、全然見つからなくて......ヒトの気配がするような、しないような?って感じで......」

「あ~~......ブレイズのことやし、警戒して隠れとるんかもな。こりゃ手分けして探——」


「にしてもスッゲーーーッ! ここで生徒の記憶を保管してんのかーーー!」



......せんせー! ここに空気の読めないキャベツがいまーーす。



「オレ、実際にこん中入んのは初めてかもしれねぇ!! すげぇーーー! ただの瓶も、並ぶとこんな綺麗なんだな~~~!」

「キャ・ベ・ツ? あーしらは遊びに来たわけちゃうねんぞ??」

「良いじゃねぇーーか、ちょっとくらいテンション上がったって!! チビロリだってどうせ初めて来たときは、目ぇキラッキラさせてたんじゃねェの?」

「そっ、......そんなわけ............」



え? 意外! キャベツくんここに来るの初めてなの??


こやつのことだし、てっきり一回くらいは不法侵入してるものかと......。



「とりまブレイズ見つけたら、ぱぱーーーっとここ探検してもいいか? なっ、オリーブ! 一緒に見て回ろうぜ!」

「え!? ぼ、ぼく!? たたた確かにぼくも来るの初めて、だけど......っ」

「ちょっとちょっとーーー! ブレイズくんをついでみたいに言わないでくださーーーい!」




駄目だな。


みんながいると、つい油断しそうになっちゃう。



肩の力を抜いちゃ駄目。


何が起こるかわからないんだから。



いつ、全部崩れちゃうのか......わからないんだから。




「ったく、ガーディナーまで固(かて)ぇこと言うなって! ブレイズならすぐ見つかるだろ〜〜、急に空から降ってきたりしてよォ!」

「あはははっ、そんなわけ——」





ブレイズくんが空から降ってきました。





しかも、キャベツくんの上にドスンって落ちてきました。






......ね? だから言ったでしょ?



油断しちゃ駄目だって。





「グアッ!?!?!? じょ、冗談だった......の......に」




下敷きになったキャベツくんは、そのままグッタリして動かなくなっちゃった。




「「「「......」」」」




残された私たちは顔を見合わせて、誰が最初に悲鳴を上げるか視線で伺う。


ローリエは、言葉を失っちゃってるっぽいし......よしっ。ここは私が......




「ギャーーーーッ!?!? キャベツくん!? ブレイズくーーーーん!?!?」



悲鳴界隈で先陣を切りながら、私は地面に積み上がってる二人へ近づく。


暗いからちょっと見えづらいけど、キャベツくんは目をグルグルさせちゃってるだけみたい。



ブレイズくんは......いつの間に、メガネがどっか行っちゃったみたいで、


ほ、ホントにブレイズくん、で、



本物、で——————




「————————っっっ」




かひゅ、って。

自分の喉から変な音が鳴る。



後ずさりそうに、思わずへたり込みそうになっちゃって。




「..................血、」




血。


ブレイズくんの頭は、血まみれだった。



青色の光沢が、彼の血の上で踊る。

額に貼り付いてるんだって、今も流れ続けてるんだってわかって、


た、高いところから落ちたから......? でも頭打ったわけじゃなさそうだし、キャベツくんが下敷きになってくれてたし、




「ぐ、............ッ......ぅ............」

「ブレイズ、く、ん、な、にが、っ」




弱々しい自分の声が許せない。


私がこうして戸惑ってる間に、ミルルンはもう彼のそばに座って、回復魔法を唱え始めてるのに。




「だ、大丈夫!? なわけないよね、な、何があって、なん、で、」



なんで怪我してるの?

なんでここにいるの?

今までどこにいたの?

どうして連絡してくれなかったの?

なんで帰ってこれなかったの?



「っ、............誰の......せい、なの............?」




青が灯る。


閉じていた瞼が、震えながら開く。今にも消えてしまいそうな炎が、私たちを捉える。



耳を済まさなくても、彼の呼吸が浅いのがわかった。




「————......がー......でぃ」




「やぁ、姫様。また会ったネ」








青が灯る。


ブレイズくんの瞳とは比べ物にならないくらい、強く、眩しく。

すべてを塵にしてしまいそうなほどの光が、倉庫中を照らした。


揺らした。

何のせいで起こったのかわからない地震が、『記憶の瓶』を棚から振り落としていく。




熱風が吹いてくる方向を見ると、そこには......人影。


と、翼。青い炎で出来た翼。

炎が眩しすぎるせいで、彼自身の姿が逆光で見えない。




「き......みは......っ......!!!!」




影が一礼すると、青い炎が————翼が、フッと消え去った。


ようやく、見えた。



紫と青の、オッドアイ。

髪は......ブレイズくんの血と、同じ色。




「姫様なら、ここに来てくれると思ってたよ。......コンニチハ」




彼は光る目を細めながら、そっと胸に手を当てる。


白Tシャツの上に、灰色のカーディガン。傷一つないジーンズ。

あの大きな炎の翼をしまってるとは思えないほど、普通の服装だけど......油断。しちゃだめ。




「君たちがここに来た経緯を、僕が当ててみよう」




このヒトは絶対、ネルソービューの生徒じゃない。




「どうやらネルソービューでは最近、生徒たちが続々と記憶を取り戻し始めてるみたいだネ。そしてそれは単なる事故ではなく、誰かによって意図的に起こされた事件」


「ほとんどが、その犯人はブレイズだと信じてやまなかった」


「彼が犯人だという証拠も、十分見つかった」


「そんな中、急にブレイズが行方不明となり」


「『生憶の蔵』に謎の結界が張られ」


「そして......倉庫の奥にブレイズと、僕がいるかもしれないと思って......君たちはここまでやってきた」




彼は、紫の右目だけを光らせる。


まるで何かの本のあらすじを読んでいるかのように、淡々とした声を上げながら......私たちに一歩、一歩、




「言っておくけど、僕は事件の犯人じゃないよ? まぁ確かに、倉庫の周りにテキトーな結界を張って、ブレイズをここに閉じ込めたのは僕だけド」



『適当』な結界。

ってことは......あの炎に触れても熱くなかったのは、ただ単に結界が弱かったってだけ?



「僕はただ、王子様の命令で、ブレイズを勧誘しようとしただけ。なのにブレイズったら、全然話を聞いてくれないものだから......」

「お......王子様?? それって——」


「姫様が知ってるヒトだよ。まぁ、誰なのか教える気はないけどネ」




このヒトは変なこと言って、私を混乱させようとしてるだけ。


そうやって、どさくさに紛れて近寄ってきて、




「この前は、姫様とキャベツを丸焦げにしちゃってゴメンネ。あれはなんていうか......なんとなく? ちょっと君たちにイジワルしたくなっちゃって」

「いじわる......? あれが......? あんな怪我させておいて......!?」




長い赤髪を指でいじりながら、彼は近くに落ちていた『記憶の瓶』を蹴ってくる。


変わらぬ星空を映し続ける記憶が、ローリエの足にぶつかりそうになって、



「ちょっっっなにすんねん!! あっぶないな——......ぁ............?」



彼女が避けると、瓶はそのまま、キャベツくんとブレイズくんのところまで......、




とか、言ってる間に、オッドアイのヒトはまた近づいてきて、


青い左目も光らせて、


っ




「ミルフォイルと会うのは、結構久しぶりだネ。前会ったのは——」


「————っっ、それ以上近づくな!!!!」




誰の口調が移ったのかわからない。

周りのみんなも、ちょっとびっくりしてるみたいだった。


ただ、もう声を張り上げなきゃって思って、迷ってる場合じゃないって、

守らないと、

守らないと、

守らないと、

守らないと、

守らないと、

守らないと、

守らないと、

守らないと、

守らないと、

守らないと、

守らないと、

守らないと、




私は。


ブレイズくんと、オッドアイのヒトの間に......立つ。





「............私は......あんまり強くない、よ」


「でもね。私自身は弱くてもね」


「私には......『みんな』がいる」




ポケットの中から、紙をたくさん取り出した。


ただの紙じゃない。一枚一枚に、下手くそでもちゃんと動く魔法陣が描いてある。




「私ね、召喚術得意なの」


「すごく得意なんだよ」




気づいたの。


この間は、魔法陣を描く暇がなくて、そのせいでやられちゃったけど。



普段から、魔法陣を持ち歩いていれば。



天使の輪っかが似合わない私でも、いつだって戦える。


いつだって、守れるの。





「君をもう一体生み出して、君を自分自身と戦わせることだってできる」


「君よりもっともっと強い、魔法使いを召喚することだってできるよ」





『召喚術というのは、厳密には召喚術ではありません』


『想像力から、対象のコピーを作り出す——それが、現代の召喚術です』





「————っ、死神を呼ぶことも......ローリエを300体生み出すことだってできちゃうんだから!!」

「なんであーし????」




人生で、こうして誰かを脅さなきゃいけなくなる日がくるなんて、思わなかったな。



誰かを守るためなら。


目的を果たすためなら。やっぱり、酷いこともしないといけないのかな。




「........................」




精一杯、怖い顔をする。


あんまりできてないかもしれない。

それか。できて、しまってるのかも......しれない。




お願い。


どっか行って。あっち行って!!



これ以上ブレイズくんを傷つけないで!!!!





「..................フッ」



すると。



オッドアイのヒトは、笑い声と共に溶けていった。

炎のように消え去って、灰すらも残さずに。



呆気ないとすら思わせるほどに、一瞬でいなくなっちゃったの。




気配が完全になくなる。倉庫の中が急に寒くなったような気がする。



でも、まだ油断しちゃ、ダメ......?





「............、」





待つ。


待ってみる。少しずつ後ろに下がって、ブレイズくんの元へ近づいて。




刻々と進んでいく時計の針は、『本当に進みますか?』って、何故か私たちに許可を求めてるみたいで。


ダメって言っても、どうせ時間は流れるくせに。





「や......った......? 私......ちゃんと守れ——」

「スッッッッゲェ!! マジすげぇよガーディナー!!!!」



声ですぐにわかって、だから、キャベツくんの体温を感じてもびっくりしなくて。

後ろからぎゅって、されるの。フクロウの翼が、しっかりと見えるの。



「きゃ、キャベツくん!? ブレイズくんの下敷きになってたはずじゃ......!?」

「ブレイズに治療するついでに、バターフィールドがオレも元気にしてくれたんだ! ンなことよりよォ、さっきのお前めっっっちゃかっこよかったぞ!!!!」



......う............。

も......もう、いいの......? もう力抜いてもいいの......?


こんなに真っ直ぐ褒められたら......私............!



だ、ダメ。ダメダメッ、まだ、まだこんなんじゃ、



今。ここで安心したら。


泣いちゃうかもしれない、から。




「え......え~~~? キャベツさ~~ん、褒めても何も出ないですよ~~?」

「おいおい、そこは素直に調子乗れって! うりゃうりゃっ、オマエあんなカッケェ感じになれんのかよっ、うりゃりゃりゃりゃッッ」

「ぅひゃっ、ははははっ、ちょ、あ、頭グリグリしないでぇ~~っ、」


「ふ、二人ともっ!! み、水を差すみたいで、わわ、悪いんだけど、」




オリーブくんはキャベツくんの後ろに立って、ひょこっと顔を覗かせてくる。


ひそめすぎた眉が痛みだしたのか、だいぶ瞼が震えちゃってて、苦笑いが引きつってて、



「まだ喜ぶのは早い、よ。早くブレイズさんを、い、医務室につれてかないと......!」

「そ、そうだ!! だよね!!!! ごめんっ、」




やっぱり、まだ油断しちゃダメだ。


ミルルンの回復魔法のおかげで、さっきよりは楽そうな顔してるけど......まだ意識は朦朧としてるみたいだし、失った血は戻ってこないし、



......目が合う。


でも。ブレイズくんに、微笑む余裕はないみたい。

当然だよね。




「わたくしが、ブレイズくんを運ぶわ~~~。みんなは外に出て、教授たちに色々説明してくれる~?」

「う、うん!! で、でででも、あ、あの変な赤い髪のヒトのこと、は、話しても大丈夫なの、かな......? ぼく......」

「アイツ、なんかよくわかんねぇこと言ってたよなー。とりあえず、あの野郎の悪事はぜぇ~~~んぶチクっちまおうぜ!」




気を抜いちゃ駄目。


ブレイズくんを医務室に運ぶまで。



そして、その後も。


だって......わからないことが多すぎるんだもん。



もしかしたらまたブレイズくんが、あのオッドアイのヒトに襲われるかもしれないし。

『王子』が誰なのか調べなきゃだし、なんで私を『姫様』って呼ぶのかも知りたいし、



ネルソービューも、もうすぐ............敵になるのかもしれないし。




これからどうするか......よく、考えないと——






「なぁ、アンタら。行く前に一つだけ......確認したいことがあるんやけど」




ローリエと一緒に、私たちは立ち止まる。


その小さな手には、誰かの『記憶の瓶』が抱えられていて。



どこか神妙な顔で、彼女はそれを見つめている。

星型のピアスと、記憶の夜空を共鳴させるみたいに。



影も光も、ローリエを淡く色づける。




「......? ローリエ、どうし——」

「あーしらの記憶を取り戻したのは、ずっと、ブレイズなんやと思っとった」


「真犯人とやらの正体も、ブレイズやって」


「多分それは、本当で......ブレイズはホンマに犯人で......」


「でも............それで終わりじゃない............」




そっと、顔を上げた。


棘を噛み砕くような表情のまま、ネオンの瞳を点滅させた。





「............正直に答えてほしい」




ローリエは、息をつきながら笑った。


泣きそうな目で、笑った。





「あーしらの記憶を取り戻したの......お前やんな?」


「..................キャベツ」







次話:翼と光

です。ずっとそばにいたんですね

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