ペットショップ
現在、鋭意作業中につき更新遅めですがよろしくお願いします。
翌日約束通り、凜を家へと迎えに行きペットショップに向かう事にする。
「たのしみ~」
「俺、もしかしたらペットショップって初めてかもしれない」
「そうなの?」
「子供の頃に行った記憶はないし、大人になってからは犬が苦手で」
「そうなんだ~。猫もいるから大丈夫だよ~」
ここがペットショップか。
まさか放し飼いにされていることはないだろうが、妙に緊張してしまう。
「わんわんわん」
お店に入った瞬間、甲高い犬の鳴き声が聞こえ緊張が走る。
「りんたろ~大丈夫。子犬だから。それに、アクリルケースの中だから」
「ああ」
たしかに鳴いているのは小さな子犬だ。
それにどの犬もケースの中にいる。
凜に誘われ恐る恐る店内へと踏み入れる。
店内には十匹を超える子犬と三匹の子猫がいる。
猫より犬の方が人気なのかな。
「かわい~。この子耳が垂れてる~」
「ああ、本当だな」
緊張の中、愛らしい子猫を見ると僅かに緩む。
「りんたろ~今度一緒に猫飼ってみない?」
「いや、一緒にってそれは無理だろう」
「え~~っぜったいかわいいよ~」
そういえば以前もそんな事を言っていた気がするけど、どう考えても無理だろう。
ただ、たしかにかわいい。
それからしばらく子猫を眺めていると凜が声をかけてきた。
「りんたろ~、りんたろ~は昔犬に嚙まれたんでしょ~」
「ああ、ドジなんだけど、逃げきれなくてこっちの足をね」
「襲われてた女の子を助けたんでしょ?」
「いやぁ、あれは助けたというか勝手に俺が襲われたというか」
「その時の犬憶えてたりする?」
「それは忘れられないな。あれは冗談抜きで死ぬかと思ったよ。犬があんなに凶暴だとは思わなかったから」
「あんな感じの色だったりする?」
「そうそう、あんな感じの黒っぽい犬だったよ。大きさは全然違うけど」
「その時の女の子の事って憶えてる?」
「いやぁ、犬からどうにか逃げて戻ったらもういなかったんだよ。女の子だったのは間違いないんだけど」
「……ごめんなさい」
「え? なに?」
「ごめんなさい」
「え~っと、なにが?」
急に謝られても、何のことだか全く心当たりがない。
「わたしなの」
「え~っと、なにが?」
何のことだ? 今の話の流れで謝る箇所ってあったか?
「だから、その子わたしです」
えっ、凜がその大きな瞳に涙を浮かべている。
俺なにかやってしまったのか?
「凜、どうした? ごめん俺がなにか……」
「りんたろ~が犬に噛まれたのはわたしのせい。助けてくれたのに怖くて逃げちゃったの。本当にごめんなさい」
え~っと、俺が犬に噛まれたのは凜のせい。
助けてもらったのに逃げちゃった。
ん……え?




