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その頃ヒーローたちは!?

********


【悪の秘密結社S】が宇宙海賊バジュラの巨大戦艦を東京湾へと沈めた頃…。



 ヒーローたちは、地下の秘密基地でテレビの生中継を見ながら正義のヒーローである自分たちではなく…悪の組織であるはずの【悪の秘密結社S】に宇宙から来た敵を倒されてしまったことを悔しがっていた。


「ちょっと、マジかよ! なんだよー! あいつらやられちまったじゃねーか!?」

「あーあ。せっかくオレたちが良いとこを見せつけて【悪の秘密結社S】をこの東京から追い出してやるチャンスだったんだけどなー…」

「またまた、やつらに良いとこ…持ってかれちまったな!」


 レッドやイエローそれにブルーまでもが、テレビを眺めてぼやきまくっているとグリーンが呆れた表情で肩をすくめて苦笑しながらテレビの画面を指差していた。


「お前らバカじゃね? 奴らはまだ、やられちまった訳じゃねーぞ!」

「だけど、海に沈んじまったじゃねーかよ! なんでやられてないって言えんだ?」

「だから、バカっつうんだ! 海に沈んじまったのは、致命傷を負う前にやられたように見せかけるためだ。奴らは海の底で戦艦を修理して…また、地上に出てきやがるはずだ!」


 あまりにも単純で、お馬鹿なレッドたちにグリーンが青筋を立てて怒鳴り付けると、それを少し離れた所で聞いていたピンクが肩を震わせてクスクスと笑っていた。


********


 宇宙海賊たちが、やられていないと自信満々で言い切るグリーンの言葉に…レッドはやっとこさ納得した様子で、自分たちもいつでも出動出来るようにと…気を取り直して、巨大ロボの修理作業に再び取り掛かかり始めていた。


「あの、いまさらなんだけど…シルバーに連絡入れとく?」

「あれ? ピンク? まだ、シルバーに連絡していなかったのか?」

「だって…外国へ行ってるんだし、テレビくらいいくらなんでもシルバーも見てるでしょ?」

「ああ、まあ…そうだよな!(笑)」


 即戦力であるはずのシルバーに…ピンクは全く連絡を取っていなかったことをレッドに念のために報告していたが、レッドも少し驚いただけで…あまりシルバーのことは気にしていないようだった。


 確かに…この東京で起こっていることは、世界中で報道されているから…きっと、シルバーもどこかでこの状況を知って急いで帰ってくるだろうとレッドは修理作業に集中していた。


****


 ところが、ここ…中国の上海にいるシルバーはと言うとですね。


「あちゃー! あいつら…あんなんにやられてしもたんか!? やっぱり、オレがいてやらんとアカンのやなー! アハハ♪」


 シルバーは、美術品をたくさん扱っている店のテレビで…ヒーローたちが、突然現れた宇宙海賊にやられてしまったことを見て心配するどころか、楽しそうにお腹を抱えて笑っていた。


すると…その背後で、テレビに向かって強烈な殺気を放っているすごく綺麗なお姉さまがいた。


「…あんのくそガキ!! 母艦におらんと思ったらやっぱり!?」

「あれ? お姉さん…あの宇宙海賊さんのお知り合いですか?」

「あっ!? ああ、そう…あれ、うちのどうしようもない弟なんですわ…何か、えらいご迷惑おかけしてるみたいで…すんません!」


 驚いたことに…シルバーの背後で同じように美術品を物色中だったお姉さまが、あのキングの姉であるアルテミス本人のようで…シルバーに声をかけられたアルテミスは、苦笑しながらシルバーにペコペコと頭を下げて謝罪していた。


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