天然だった副担任
長いです。
「頼む。」
「無理ですね。絶対貸しにしますよ。あの男。」
四年間一緒にいる私が言うんだから間違いない。
「いいじゃないか。」
「よくありません。刺されます、抉られます、壊されます。」
なんせ壊し屋なのだから。壊したいという欲望がどの欲望よりも強い人なのだから。
「とにかく頼んだ。」
「ふざけないでください。」
「平常点下げるぞ。」
「ご勝手に。」
成績悪くて怒るような人もいないし。私的にはどうでもいい。
「お願いだって。」
「というか先生、全く酔ってるように見えないんですが。」
「私じゃない。ミルア先生だよ。」
あぁ……ミルキー先生か。二十三歳。本名はミルア=ロンデス。可愛く天然。ドジだけどそこが可愛い。で、ついたあだ名がミルキー先生。国語課担当でうちのクラスの副担任。
「弱そうだなぁ……。」
というか、周りに流されてすごい飲んじゃう気がする。
「仕方ありませんね……ミルキー先生ならエリオスもストレス発散の材料にしそうだし……いいですよ。」
「本当か!」
「はい。」
にしても気が重い。天気は快晴のはずなのに、大雨に見える。はぁ。
「ところで先生。先生がミルキー先生と仲がいいのは知ってますけど、どうしてそこまで気にかけてるんですか?」
この先生は言うまでもなくSだ。ミルキー先生が酔ってても、見て黙って笑ってそうなのに。
「ミルア……先生は、」
「ミルアでいいですよ。別に。」
「あいつは、酔い方が可愛らしいんだ。すると、職員室中がポワァっとこう……いい雰囲気に。男どもも緊張感がないし……変な虫を寄りつけるのは良くない。」
納得。でも……。
「知り合いに一名いますよ?そんな中でも全く無関係な顔してる、なびかない人。」
「……あ~エリオスね……。」
「本人曰く、奴隷さえいれば彼女はいらないですし。」
まあ、アレと常人を比べるのが悪いのだろうが。はぁ……どうしてあんな人の傍にいるんだろう私。
「とにかく頼んだぞ。」
スルーかよ!まあ、それが一番上策だよねぇ、はあ。
「了解しましたよ。」
そして私は気がついた……次がミルキー先生の授業であるということに……。
「何の話だったんですか?」
「ん?お薬頂戴ってお話だよ。」
シェールが何か言おうとした瞬間、ガラガラっと音がして、教室のドアが開く。
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