人でなかった少女
「当たり前だろ。お前は人じゃないんだから。」
「そーですね。」
「扱いがひどすぎますよ。」
「いいんだよ。俺のものなんだから。どう扱おうが自由だろ?」
「ルーチェさん、いいんですか?」
「ん?まあ、恩もあるし、そんな滅茶苦茶な扱い受けたこともないし。楽だしねー……それなりに自由だし……別にいいよ?ていうか問題という問題が見当たらない。」
これは本音。実際にひどい扱いを受けたことなんてないし。(あくまでも私の主観だけど)
「ひどい扱いを受けてることを自覚することが大切だと思うぞ俺は。」
「エリオス、私ってひどい扱い受けてるっけ?」
「いや、全く。」
「だよね。ケルシャがおかしいんだよね。」
「本人に聞いて受けてるっていう奴がいるか!」
あ、それもそうだ。
「ハイリツ、私ってひどい扱い受けてる?」
「んー……まあ、ひどいっちゃひどいけど……滅茶苦茶ひどいわけでもないし……問題なし。」
「ほら。」
やっぱりひどい扱いを受けてない。
「……もういい。知らないほうが幸せだしな……」
あ、ケルシャが悟り始めた。
「やっぱり、諦めって肝心なんだね。というわけで、イーリン先生も諦めましょうよ。」
「なんで諦めなきゃならないんだ。」
「いや……」
私たちに口喧嘩で勝てる人は多分いないから。そもそも誰か一人と口喧嘩するならともかく全員敵なら勝てるわけがない。
「先生ってうたれ弱いですよね。意外と。」
「そんなことはない。」
はうっかわいいなぁ~……意地はってる先生可愛いなぁ~などと言ってるミリエナは置いといて。
「いや、だってあれで落ち込んでる時点で相当……」
「弱くない。」
「なんていうか、エリオスが先生を精神的に破壊してた理由が分かった気がするよ。」
「だろ?」
エリオスは一回イーリン先生を壊したことがあったけど……あの時はひどかった。私が見てもひどかった。これ以上もないくらい壊して壊して壊して……自殺すらさせず……私が助けた時にはイーリン先生はボロボロだった。
「まあ、とりあえずイーリン先生は私から見ていい人ですよ。だから安心してください。」
「ルーチェ……」
人間は下等生物だけど……という言葉は言わないでおこう。
「ルーチェ、心にないことを言うのはよくないぞ。」
「それ言っちゃだめでしょ!」
「やっぱり私は教師失格なんだな……」
再び落ち込むイーリン先生。
「そんなことないです!イーリン先生ほどいい先生を私は他に知りませんから!」
一応フォロー。
「ルーチェ、正直に生きるべきだと俺は思う。」
「うん、今この状況で正直に生きるなんて言うのは無理。」
「つまり、お前がさっき言ったことは嘘だということだな。」
「誘導尋問なんて卑怯だよ!」
「誘導尋問じゃない。」
「じゃあ何?」
「遊び。」
「ひどいよ!その遊びで何人の人が傷ついてると思ってるの!」
まあ、一人だけだけど。
エリオスが怖いですよ。作者なのに。まあ精神的にぶっ壊れてるのはむしろハイリツのほうなんですけど。怖い、この二人怖い……ちなみに彼らが組んで、裏社会の治安を守っていた時に裏社会にいた人の話。
「もう、俺あいつらに会いたくねえよ。いまだに夢に出てくんだ。生首がよ、飛んでくんだ。他にも悲鳴が山ほど聞こえてきてさ……あの時俺は改心しようと思ったね。おかげで、今はバーのマスターさ。子供もいる。言ってるんだ、客や子供にも、何があってもあっち側に行くなってな……」




