小話 裏世界の日常だったクリスマス
すみません!26日になってしまいました……本当に申し訳ありませんでした(泣)
裏世界の色々が分かるお話です。
12/31 タイトル編集。暁と混ざってました……すみません。
「で?俺は何すりゃいいわけ。」
「んー……とりあえず今は何もしなくていいよ。そこに座っといて。」
薬瓶やら試験管やらが山ほどある部屋。向こうのほうでは大鍋が妙な煙を発していた。
「お前もよくやるよ。こんな仕事。」
「好きだからね。薬作るのは。」
君とは違ってと笑う友人。本当に昔から容赦がない。確かに俺が治癒師になったのは治癒したいからではなく、姉さんの夢だったからだ。薬作りが好きで薬剤師になったこいつとは全く違う。
「で、この小さいテーブルやら椅子やらはなんだ?」
俺たちの座っているテーブルの上にはとても小さなテーブルとイスがある。その上にはティーカップ。小人用みたいな。
「うん?すぐ分かるよ……ほら。」
ドアが叩かれ、ハイリツが開けると小さな小人たちがわんさか入ってきた。五十人ほどか?皆赤い服に赤い帽子、白い袋をしょっている。これは……
「サンタか。」
「そ、皆に平等にプレゼントを配るサンタさんだよ。毎年これくらいの時間にお茶しに来る。彼らにも休憩が必要だからね。」
なるほど。確かにそれもそうだ。彼らは椅子に腰かけ、袋を置く。
「はい、紅茶。ミルクと砂糖はご自由に。」
「○★□▼#+◆※」
キイキイと甲高い声が響く。しかも皆口々に喋るもんだから何を言ってるかさっぱり分からない。
「コーヒーは入れないって毎年言ってるだろ。嫌いなんだよあれ。それからソイミルクなんてものはない。薬はいつも通り入ってるんだから文句言うなよ。」
どうやらこいつは聞き分けたらしい。
「薬ってなんだ?」
「疲れをとるためのやつ。」
ああ、なるほど。至れり尽くせりだなおい。本当、罪のないものには甘い奴。
「おい、客だぞ。」
ノックの音がする。頬杖をついてサンタを見ているハイリツに伝える。
「はいはい。どうぞ。」
「おー……これはこれは可愛い先客だ。」
「ああ、アラウェル侯爵。今年も独り?」
「ああ。悲しいことに。」
入ってきたのは二十代後半の若い男。
「いいじゃない。貴族でしょ?どうせすぐ見合いだ。」
「見合い相手でいいのがいないからここに来ているんだ。いつもと一緒でいい。」
「はいはい。で、どれにする?」
ハイリツが奥の扉を開けるとそこにいたのは数名の男女。メイドもいればいいところの女もいる。共通点は全員手足を縛られていて、口を封じられているところ。
「どれでも。」
「……じゃあこの子でいい?」
「ああ。どこの子だ?」
「シアラドル伯爵家のメイド。」
「ああ、あそこか……執事がお嬢様で好き放題遊んでる。」
「そ、あそこ。ていうかその元凶僕だけど。この子はつい昨日アロウ君がくれたんだ。お嬢様連れて。」
「なるほど。いくらだ?」
「うーん……三百でいいよ。」
「安いな。」
全くだ。安い。破格の値段だ。
「まあお得意様だし。」
そう言いながら、メイドの女に注射をして、男に渡す。
「ありがとう。はい。三百万。」
「ありがとうございました。来年もここに来なよ。」
「……それは避けたい事態だな。」
そう言って、男は出て行った。
「お前、いいのか?やってることは人売りと一緒だぞ。」
「いいのいいの。人売りよかましだし。それに彼らは売られても仕方のないような人ばかりだ。さっきの子はまあまだましだからいいとこに渡したし。問題なし。」
顔色一つ変えない男。なんで俺こいつと友達なんだろう。
「ま、これを異常と認識しているうちは君はまだ大丈夫だよ。」
そうかよ。裏世界の寵児。
「そりゃあよかった。」
本当、こんな奴と友人になるんじゃなかった。あと手伝うとか言うんじゃなかった。
これが俺のクリスマス。
その後サンタたちは仕事に戻り、25日の朝、ここへ戻ってきてお酒を飲みましたとさ。こいつらしか癒し要素ないですね、この話は……
あと、裏世界の寵児と言われている理由は本編で明かします。もしくは彼らの過去話で明かします。しばしお待ちくださいませ。




