小話 平和だったクリスマスイブ
クリスマス小話です。そしてPV10000アクセス記念小話です。これからも皆様どうぞよろしくお願いします。
「で、どーして君らはここにいるのかなぁ……?」
私は友人三人とエリオスとともにアイリアの喫茶店にいる。ちなみに現在午前六時。もちろん喫茶店は開いていない。
「なんでってクリスマスを過ごすために決まってるだろ?」
「……僕とアイリアがつきあってることはご存じ?」
「無論。」
「そっか……邪魔すんなと言いたいんだけど。」
ハイリツがキレかけ寸前だ。エリオスにどうにかしてもらおう。
「どうせ店開けるんだろ?じゃあいいじゃないか。夜もここで食うこと決定だし。」
「いつ決定したよそれ。」
「毎年そうだろ。」
「いいじゃない。大勢のほうが楽しいんだし。」
「……そうだね。」
あ、ハイリツが負けた。
「僕も忙しいしいいんだよ。いいんだけどさぁ、なーんか納得いかないんだけど。」
「ハイリツさん忙しいんですか?」
「うん。忙しい。薬を販売するのに。」
ハイリツ=エイジーン。本業、薬剤師。
「クリスマスにも薬を必要とする人がいるんですか?」
「うん。クリスマスに独りで寂しい男たちがね。欲しがるんだよ。」
「……?何をです?」
ああ、やっぱりシェールはいい子だなぁ。
「簡単に言うと人を思い通りにできる薬。それ使って女の子と遊ぼうってこと。ま、信用のおける人にしか売らないけどね。」
ハイリツ=エイジーン。本業、薬剤師。ただし扱う薬は大抵アブナイモノ。
「まったく世の男どもは……」
ミリエナが溜息をついている隣でシェールが口をパクパクさせている。金魚みたいだ。
「まああんまり褒められた行為ではないね。」
ハイリツが薬売らなきゃいいだけだと思うんだけどな。
「それとか後はいわゆる媚薬。」
「クリスマスってのは聖なる夜だぞおい。」
「んー……この頃それも微妙になってきてるからね。」
「まあそんなもんだよね。」
少なくともこの国では騒ぐためにあると思う。
「というわけで僕も忙しいんだよ。まあ配達は猫に任せるんだけどさ。」
「猫?」
「うん。手伝ってもらうんだ。報酬はにぼし。報酬なしっていうのはわるいから。」
意外とハイリツは動物思いだったりする。動物は人間みたいに面倒じゃないからというのが理由らしい。
「なんなら君も手伝う?」
「へ?」
「ここにずっといるのも退屈だろ?ミリエナと二人で配達してきたら?アルバイト代なら払うし。」
「え、いいんですか?」
「うん。で、外で遊んできなよ。」
「そうね……じゃあお言葉に甘えて。」
「うん。これがリストで、薬。鞄に入れておくね。それから……これ着て配達してきてね。」
ハイリツが二人に渡したものは、サンタ服。ただしミニスカ版。ちなみに帽子付き。
「うえ?」
「部屋で着替えてくるわ。行ってきます。」
「うん。行ってらっしゃい。」
笑顔で送り出す私たち。シェールが何か叫んでるけど気にしない。
「リインはいいの?」
「私はちょっと顔出しただけだもん。今日はケルシャと遊びに行くんだ。」
「そう、楽しんでくるんだよ?」
「うん。」
リインも出て行った。
「邪魔者をうまく撒いたな。」
「君らはもう諦めてるからいいや。」
「そりゃよかった。薬作りなら手伝うぞ。」
「夜に頼むよ。」
「アイリア、下ごしらえ手伝おっか?」
「ええお願いするわね。」
私たちが下ごしらえを終えたころ、開店時間になる。クリスマスイブ一番目のお客様が入る。
「いらっしゃいませ。」
これが私たちのクリスマスイブ。
さて、彼らのクリスマスがこんな平和なわけがありません。明日、色々と書く気満々です。薬剤師さんのクリスマスとか。つきあってくださると幸いです。




