貴族だった奴隷
ソレは、黒い髪に黒い瞳、中性的な顔立ちの少年だった。年は私たちより一年二年下ぐらいだろう。ということは中一か小六のどっちかだろう。なのになぜか、制服の校章の校名が書いてある部分の色が私たちと同じ青だ……もしかして同い年?
「うぅ……ひどいじゃないですか!」
「あんた、名前は?」
あえて少年の言葉は無視する。
「失礼な!そちらから名乗ってくださいよ!」
私に口答えするとは……度胸のある少年だ。私はニッコリと笑いながら続ける。
「早く答えないと……売り飛ばしちゃうわよ?」
「は?」
「奴隷として。」
「う……そ、それは困ります。わかりましたよ……名乗ればいいんでしょ?名乗れば。シェーンランルス=プライリエンスウェイですよ。シェールで結構です。長いですから。」
確かに…というか名付け親どんだけ性格悪いんだよ…
「で?あなた方は?」
「中等部二年A組、ルーチェ=ノクフォルト。」
「同じく中等部二年A組、ミリエナ=フェインよ。よろしくね。シェール。」
「同じく……ってもう言わなくていいよね?リイン=ファインス。言っとくけど三人とも同学年だからね!」
よっぽど年下扱いされたくないんだな……気持ちはわかるけどさ……。
「えーと……ルーチェさんと、ミリエナさんと、リインさんですね?」
「誰も名前で呼んでいいなんて言ってないわよ。」
「すみません。えーと、ノクフォルトさんと……」
「冗談だけど。」
からかいがいがある子だ……どこぞの飼い主とは大違いだ……。
「ひどい……僕今ものすごく傷ついたんですけど……。」
「冗談言ってたら売るよ?」
「すみません!嘘です!売らないで!」
うわぁ……ヤバい。超いい子だ……なんというか……純真無垢というか……。
「大丈夫よ?私の飼い主――――もとい主なんかよりずぅっといいとこに売ってあげるから……。」
私の主が悪魔も真っ青な極悪人なのだが、まあそれは置いといて……。
「……あなた奴隷なんですか?いや、絶対嘘ですよね。あなたみたいな天使も嘆くような性格してる人が奴隷だなんて。そもそも絶対手なずけるの無理でしょ。」
残念なことにいるのだ。私みたいな子を奴隷として使うような奴が。
「事実だよ?ね。ルーチェ。」
「うん。」
「なんていうか……悲しいわよね。いや、あの人この世界にいちゃだめだと思うんだけど。」
私だってそう思う。しかも自分で悪人だって認めてるから余計にたちが悪い。
「私じゃなかったら音をあげてるよ……というか、その前に死んでるって……。」
「うん。ルーチェが生きてるのって奇跡だと思うよ?」
「なんせ、言うこと聞かない人には何してもいいって教育する人だもんな……まあ尊敬するに値する人だけどさ……能力に関しては。」
何もかも私を超越してる人だ。尊敬はできる。それだけの価値がある。
ルーチェのご主人さま=オープニングの男の人。奴隷といっても特に何もしてません。命令に従うだけ。後は自由な生活です。学費も出してもらってます。




