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平穏だった日

ちょっと長め?

「だからね……世の中っていうのは残酷で、理不尽だと思うんだ。」

十月半ば、二学期の行事がスキー実習以外すべて終わり、中間テストも終わった日の朝八時、私立ジェイン学園の中学棟屋上で、私――――ルーチェ=ノクフォルトのとなりにいる友人で元人間、現吸血鬼であるリイン=ファインスが泣きそうに言った。

「はいはい。よくまあ毎日飽きずに同じことを言ってられるわね。諦めなさい。どうせ容姿のことでしょう?そうそう変えれるものでもなし。」

これは、その隣にいる友人、神社の娘であるミリエナ=フェイン。

「う~……だってぇ……一つ下の女の子が自分より大人っぽかったら…辛いよ!」

リインのもっぱらの悩みは童顔だった。髪と瞳は栗色だ。そっちに不服はないらしい。

「そんな経験ないわね。」

ま、ミリエナは年相応……というかそれより大人っぽいしな…髪や瞳も藍色がかった黒だしね。別にこれといって文句はないのだろう。

「まあ、世の中が理不尽だって言うのには私も賛成だけどね。というか事実でしょ。」

「それは私も同じ意見ね。残酷っていうのは……言いすぎな気もするけど。」

そうかな……私は世の中は残酷だって思うけどな……。

「はぁ……DNA恨む……。」

リインのお母さんも童顔だったなそういや。もう数年会ってないけど大人は成長しないからあの顔のままだろう。ということはリインの思いむなしく彼女もずっと童顔のままだろう。かわいそうに。まあ本人もそのことに気付いているから嘆いているわけだが。

「あーあ……ルーチェもミリエナもいいよね……うん。」

「仕方ないでしょ。ていうか、私はあまり好きじゃないよ。この容姿。お母さんに似すぎてるから。」

私の容姿は瞳の色を除いて母親そっくりだ。泣きたいくらいに。

「う~……でもな~……やっぱりな~……。」

なんというか…もうちょっと悩むことはないのかね?まあ、筆記に関しては毎回一位で、実技に関しても上の中ぐらい取ってるわけだし。成績に関しては悩むことがないのだろう。

「今日も平和だわねぇ……」

確かに。できればこう……ずっと平和でいてほしい。それはそれでつまらない気もするが。そう穏やかな気持ちで空を見上げる。あぁ……今日は秋晴れというか……突き抜けるような青い空だ……それでいて結構暖かいし……と思っていると……確実に私たちを狙って黒いかまいたちが襲ってきた。平和だったのに……。

「はぁ……。」

「じゃ、ルーチェ。よろしく。」

しかも二人は速攻でお任せコース取ってるし。まあ、気持ちはわかるけどさ……あー……こりゃ避けられないな。仕方がない。足で弾くか。ということでそれを実行する。

『キィン!』

普通ならこれ、足の骨が砕けてるはずだ。

「さすがね~……力だけを求めた姫は強いわね……」

「だよね~……」

完全に傍観者だよ……結界張って安全確保してるし……私ひとりに押し付けてやがる……。

「あ~……なんかいっぱい来たよ~ルーチェ~頑張ってね~」

ムカつく……かまいたちを使って襲ってきた相手よりも…友人がムカつく!

「ったく……吸収。」

はい。かまいたちは私の手の中に入っていきます。素晴らしいですね。

「吸収、吸収、吸収!」

すべて手に入っていきます。最高の防御ですね。

「はい。返却。」

倍にしておそらく相手がいると思われる木の上に返す。木が折れるメキメキバキッという音がするが気にしない。ドサッという音がする。どうやらヒットしたようだ。さすが私!

「じゃ、ここに来てもらおうか。移動。」

相手がやってきた。正確に言うと落ちてきた。まあいっか。

「……痛い……」


ルーチェはオープニングの少女です。両親の死んじゃったあの子。キャラが変わってる?いえいえ、後々色々分かってきますよ。なんだか普通そうな人たち。でもみんな、どこか壊れているんです……。

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