世界の王と名乗っていた黒幕の黒幕
アイリアの案を可決した私たちは外に出る。クラスメート+先生方々には音楽室へ戻ってもらう。
「ふぅ……」
「で、これからどうするの?私としてはお家に帰って寝たいんだよね。」
「あ~……うん。私も寝たいよ……」
「ていうかなんでこんなにたくさんの妖怪がいるんですか?」
「ん~……まあ簡単に言うと魔術師が妖怪を操ってこの世界を支配しようとしてるのかな?」
なるほど。そうなのか。
「その裏に黒幕がいたりいなかったり……いたりするんだよ。」
いるんだ。黒幕。
「実行犯、妖怪。黒幕、魔術師。黒幕の黒幕、誰か。って感じだね。僕と妹もその誰かを探してるんだけれど……見つからないんだなこれが。分かってるのは世界の王って名乗ってることぐらいだね。」
なるほどね。なんていうか……面倒だな。というか世界の王ってなんだよ。
「あれ?ハイリツさんも魔術師なんですよね?なのにこっち側なんですか?」
「まあね~……僕は僕自身にしかプライドを持っていないんだ。魔術師であることにはプライドはない。僕は僕だからね。僕以外には縛られる気がないんだよ。まあアイリアになら縛られてもいいかな。でも魔術師というものに縛られる気はない。」
さすがだと思う。強いと思う。自分自身が堕ちきっていると分かっている私とは違う。というかまあ実際のところ『家』の違いなんだろうけど。
「すごいですね……自分自身に自信があるんですね。」
「うまいこと言ったね。」
なんか微妙だけどね。まあハイリツにはすごいって言っても大丈夫だしいいけどさ。
「エリオスさ~……分かってないの?黒幕の黒幕。」
「分かってたら壊してる。世界の王ってことは『世界』が関わってるんだろうけどな。呼ぶべきかなぁ……あいつ……」
『世界』…この世の中の全てを定義するもの。エリオスなら呼び出せる……んだけど……
「面倒だし問題がありすぎるからやめとこうよ……」
エリオスと仲が悪すぎるんですねこれが。
「だよなぁ……あいつ呼びたくないんだよなぁ……」
呼ばないでください。喧嘩するのは見えてるから。
「で、これからどうするの?」
「…よし。『世界』を呼ぼう」
なんで!ねぇ!
「でもな~……」
「やめようよ……私が調べてあげるから。ね?」
「マジで?調べてくれる?」
「うん。」
目の前で喧嘩は見たくない。
「ルーチェはいい子だなぁ……」
「……いい子じゃないけどね……」
私は全然いい子じゃない。私は罪人。罪を背負って生きているモノ。それのどこがいい子なの?
「俺に対してのみいい子だなぁ……」
「それは……正解かも。」
というか大正解だった。それは正しい。
「で……くどいようだけどこれからどうするの?」
「ていうか僕ら帰っちゃだめ?」
「帰っていいけど……後に後悔しても知らないぞ。」
「冗談に決まってるじゃないか。友人を裏切ったりするわけないだろ?」
エリオスと付き合ってると世渡り上手になるよな……
『世界』を呼び出せるのはエリオスだけですが、エリオスが『世界』を呼び出す力を信頼している人間に貸すことはできます。ただし一定の力を持っていなければなりませんが。ハイリツやルーチェはまったく問題なく借りれます。




