ところどころに挟まれた私情
更新遅れて本当にすみません。またちょっと遅くなります。
「何をすればいいんだよ?俺たちは。ま、戦力が少ないところをみると……」
「そ、協力要請。」
「お前の口から協力なんて言葉が出てくるとは思わなかった。」
「えーっと……たぶん意味合いは協力要請じゃなくて、手伝わなきゃ壊す的な脅迫だと思う……」
「ルーチェ……本当にいろいろかわいそうだよ……エリオスの言ってることがちゃんと理解できてるって……」
ええい、そこ!憐憫の眼差しを向けるんじゃない!そういうリインだって理解できているんだから同じくかわいそうだろう!
「ただ、それじゃああまりにつまらないだろ?せっかく全員で愛すべき母校に来たわけだ。生徒の成長を尊敬する先生方も見たいに違いない。しっかり成長したところを見せてやろうじゃないか。」
皮肉たっぷりだ。よっぽど先生や学園が嫌いなんだろうな……
「そうね。いい考えだわ。」
「というわけで……好きにやっていい。好きにしろ。」
「は?」
「好きにやっていい。何やってもいい。俺が許す。どうせここは俺たちの領域じゃないか。そこを荒らされて黙ってるわけにもいかないだろ?目にものを見せてやろうぜ?」
いったいどんな権限があるんだと言いたい。それでも、まったく何の権限がなくても何となく従う気になるのはエリオスの力だろう。
「マジで?」
「うまくいけば精霊にも恩を売れるだろ。いい話じゃないか。」
「責任は?」
「そんなこと考えなくていい。責任取るようなことをしてるわけじゃない。あくまで学園を救おうとしてるんだ。学園が半壊しようと俺たちの知ったことじゃない。個人的には学園全壊しろ。それでも何かあったら俺がなんとかする。思う存分やっちまえ。どうせストレスたまってんだろ?何も考えずにやればいい。んで学園全壊しろ。」
本当に…よくやるよと思う。それでも信用できる。何をやっても何とかなると思えてくる。それほどエリオスはすごいということだろう。私じゃ到底できない。どんな貴族よりも貴族らしい。あと、やたら途中に私情が入ってましたけど、それはどう対処すればいいんですかね。奴隷として。
「グループ分けは?気になったり気にならなかったりー……」
断定口調に絶対しないのはアリス。なんでかこの子は断定しない。するときは、よっぽどヤバい時だ。
「適当。」
その一言で適当にグループを作れる人達ってどうなんだろう……ま、いいけど。ところで誰かエリオスの私情にツッコもうよ。
「ルーチェさん……エリオスさんってすごい人だったんですね……尊敬します。」
「うん。すごいかどうかはともかく、カリスマ性はあるよね。あと、尊敬はするな。この世にいるすべてのもののために。ま、それはおいといて、適当にやろうよ。どうせ私たちは四人で一組だろうし……イーリン先生は?どうします?」
「あー……一人でどうにかするよ。」
イーリン先生は弱くない。一人で何とかなるだろう。
「じゃ、適当に散りますか。」
すべて適当。なのに完璧。これってどうよ……ま、いーけど。
「さてと……どうする?」
「んー……まあその辺歩いてたらなんかに会うでしょ。」
「適当だねー……ま、確かにそうなんだけどね。」
「派手にやっていいらしいしね。」
責任は全部エリオスに行くみたいだし。学園全壊して欲しいっぽいし。私たちはとりあえず中学棟の屋上へ向かう。そこから学園全体を見渡せばいい。
「うーん……見晴らしがいいわねぇ……七割が緑だけど。」
「まあね……にしても皆さん派手にやってること。」
まさか快晴の日に学園で稲妻を見ることになるとは……おそらくハイリツの魔法。それから白い光。これはアリスとイリスの力によるものだろうな……どいつもこいつもエリオスの私情と自分の欲求を最優先かよ。もはや学園の一部ハイリツとかいう野郎のせいで一部壊れてるよ。
「ていうかもう半分くらい倒れてるんじゃないですか?」
学園もな。そろそろ危ういぞ。
「かなぁ……あれれ?ねぇ?ルーチェ?ほらあそこ……えーっと……もう!こんな時にリウカがいれば……あ、思い出した!特別倉庫棟だ!」
特別倉庫棟――――特別倉庫でいいじゃんと思う――――は他の棟と少し離れた場所にある。一体中に何があるのかは不明。ものすごく大きな南京錠がかかっていて、噂によると創立当時からあるとか。つまりは魔楽を人々が習うようになってからだから千年前。信憑性はけっこうある。なんせかなり古いし。
「ほんとだ……めちゃくちゃ負のオーラが……」
真っ黒。真っ暗。なんというか、倉庫全体が黒々とした靄で覆われていた。
「行ってみますか。」
ところどころに入っている私情は皆の思いでもあります。エリオス達は特に学園が好きではありませんからね。ハイリツは色々あってそもそも教師が好きじゃないし。双子と吸血鬼はそこまで何も感じてないでしょうけど。とりあえず憂さ晴らししようぜなノリで。




