実在した伝説の存在
更新が遅れて申し訳ございません!長めです。
「ドラゴン使いの伝説って知ってる?」
「え、えぇ……有名ですから。」
どんな伝説かというと――――その昔、龍は人間によって迫害されていた。龍たちは保身のために人に変化し、人として生きていった。そんなとき、龍であるとある青年が人間である女性に恋をした。二人は仲よくなっていく。青年は彼女に龍であることを隠せなくなってしまう。そして、ついにばらす。彼女は微笑み、青年に対する行動を変えなかった。青年の全てを受け止めた。二人は結婚し、女の子を産んだ。その子供は……
「美しい人の体……でも、中に龍が住んでいた。」
「そう。彼女が呼べば彼女の体内から龍が出てきた。彼女自身も龍の力を持っていた。」
龍たちは喜んだ。なんせ、美しすぎるが完全なる人の形。なのに、龍の力を持ち、体内に龍が住んでいると。そして、人と結婚し子供を産んでいく。そのような人と龍のハーフのことをドラゴン使いと呼ぶ……。
「で、その子孫がいるわけ。ま、龍なんてよっぽどのことがない限り不老不死だしね。それでもかなりの重傷を負ったら死ぬからねー……少なくはなってると思うよ。私はエリオスにこの力をもらったってわけ。エリオスは純粋なドラゴン使いだけどね。イーリン先生も。」
「ああ。うちの家とあいつの家は全員純粋なドラゴン使いだ……いや、だった。かな。あいつの家の場合は。」
「そうですね。なんせ、エリオス以外のジェーランス姓は死んでますから。」
「え……?」
「あぁ、シェールは知らないよね。ジェーランス家ってね、みんな死んでるんだよ。生き残ってるのはエリオスだけ。私なんかよりもずっと孤独。」
エリオスは本家の長男。本家の人は後のエリオスの主が殺し、ほかはそいつに命じられてエリオスが殺した。そこまで語るつもりはさらさらないけれど。
「そうなんですか……。」
「うん。にしても……本当にかわいそうね……ここにいる妖怪。もう校内だよ。」
赤紫は赤に変わりつつあった。
「たしかに……。」
「エリオスが来るってことは全部壊されるってことだもんね……ふぅ、ご愁傷さまだね~」
その通りだと思う。同情はしないけど。
「容赦ないからね……。」
「誰が容赦ないって?」
「ブレイカー。」
私たちの目の前には、漆黒の髪に漆黒の目をした長身で美しすぎる男が立っていた。
「あ……赤紫が赤になってます……」
「ま、厳密には赤じゃないんだけど……」
これが赤になるときなんて、私とエリオスが抱き合ったときだけだと思う。
「お前、名前は?」
「え、あ、シェーンランルス=プライリエンスウェイです。シェールで結構です。よろしくお願いします。」
「ふーん……シェーンランルス=プライリエンスウェイね。俺はエリオス=ジェーランス。よろしく。」
「……はい。」
どうも、シェールもエリオスの声が自分に影響を及ぼすことに気がついたようだった。
「声に……術とかかけてます?」
「あー……あんま自覚ない。いや、あるけど制御する気がない。こっちのほうが落としやすいし。」
「は?」
どうやら純粋なシェールにはよく分からないようだった。何を落とすのか。いや、分かってても認めたくないの間違いかもしれない。
「えっと……何を……?」
「女。」
即答でした。ま、女誑しではないけどさ。
「ま、血筋。生まれつき。全部武器だから。結構役には立つ。顔と声と口説き文句。それがよければ金には困らない。親から叩き込まれたちょっとした処世術。」
いったいどんな家で育って来たんだと言いたくなる。知ってるけど。
「言ってて辛くないか……それ。」
「ない。なんなら落としてやろうか?」
「……すまん!吐き気が!」
「大丈夫。数分で吐き気はおさまって、楽になれる。」
「……ルーチェ。あとよろしく。私にはこの男を止められない。というか、下手したら本当に落とされそうで怖い。」
「先生。彼氏いたんじゃないんですか?」
ミリエナってなんでこう、痛いところを突くのがうまいんだろう?
「いるけど!でもなんかものすごい無理!拒める自信がない!」
「……正直ですね……」
「仕方ないだろ!絶対この顔でこの声で口説かれて拒めるのはいないから。ルーチェぐらいだって。」
まあ……本気でやられたら拒めない気もするけど。
エリオスさんは鎖外せば一番狂ってて、外さなければまとも。最強にして、最狂。そして最凶。




