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『嘆きの丘』に乗り込み、先ずは地下へ。以前に発見した『嘆きの丘』の制御室には制御盤を調べる研究員たちでごった返していた。
そこを通り抜け、私たちは深部へ。
前述した通り、深部に於いて傲慢の魔王の本体がある部屋の途中にあるガーディアンたちは先の調査で撃破され、残骸がそこかしこに転がっていた。
「──そろそろ、傲慢の魔王の本体の部屋よ! 皆さん、気を引き締めて下さい!」
ヘルハスの号令で、討伐メンバー全員の間に緊張が高まる。そうして、漸く辿り着く傲慢の魔王の本体がある部屋。
「皆さん、準備はよろしいですね!」
改めて、ヘルハスの号令で武器を握る手に、各々、力がこもる。
ヘルハスのお供の二人が扉を開く。
──ゴゴゴ……。
重い音を響かせて開いていく扉の隙間。嫌な予感が走り、私は咄嗟に避ける。
──ビューイン!
開いた扉の中央。私が立っていた場所を一閃の光が通り過ぎた。
「……なんですか? 今の?」
ツァラトゥストラが声を上げると、同時に傲慢の魔王の本体が鎮座する室内はレーザーが縦横無尽に飛び交った。
「──……これは!? 先日までは、このような報告はありませんでしたのに……」
ヘルハスの言葉に皆は開いた扉から部屋を覗いては、顔を引っ込めた。
「こりゃ、どういう事だ?」
アスモさんもお手上げと言わんばかりに室内を覗いて中の様子を窺う。
──まあ、十中八九、エアリアルとアワーイアスが原因であろう。
「何故、そうなる!?」
アワーイアスは分からぬとばかりに声を荒げるが、エアリアルは分かっているようで黙していた。
──何故もなにも、エレメンタルドラゴンが二体だよ? これで無抵抗なら、余程、魔王は間抜けになるよ。
「……成る程。そうか」
──ところで、相手の射程外からエアリアルとアワーイアスの力で撃ち抜いたら『嘆きの丘』は?
「うむ、崩壊して落下するな」
「そうだね、崩落間違いなしだ」
──ですよね。
私はこの事をヘルハスに伝えると、
「──なんと!? …………ぐぬぬ、『嘆きの丘』を諦める? いや、『嘆きの丘』は改修して……──」
彼女は悩み出した。暫くは、続くだろうから今の内に聞いておこう。
──っつうかさ、アレを止める方法は?
「ふむ、そうさな……。手っ取り早いのは光のエレメンタルドラゴンを連れ来ることだ」
──光のエレメンタルドラゴン? どこにいるの?
「光のエレメンタルドラゴンは、我々、四体のエレメンタルドラゴンが全て人間と契約すると姿を顕す」
──え? それって、私が後二体と契約しないとイケないの?
「いやいや、私たちと契約するのは誰でもよい。」
「尤も、吾らの声を聞くことが出来る者に限るがな。」
──……結局、それって私になるパターンだよね。
「……そ、そうなるとは限らんぞ?」
「……そ、そうそう。」
エアリアルとアワーイアスはこう言うが、まず、間違いなく、私だ。これは、ヘルハス以下、他の奴にも言わないようにしよう。
「──……致し方ありませんわね。『嘆きの丘』の接収は一時凍結ですわね」
こうして、『嘆きの丘』の傲慢の魔王の本体の討伐は失敗となったのだった。




