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転生? 何ソレ、美味しいの?  作者: 白月 仄
四章 そして、今日も、薬草摘み
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 朝靄の中、イマーチの駅で始発列車を待つ。霧を切り裂きホームに入ってくる列車。ふむ、カメラが無いのが実に惜しい光景である。

「……カメラとは何だ?」

 ──……なんだ、起きてたのか? カメラってのは、エツトラ帝国で既にある白黒写真を撮る装置のこと。ま、私が言ってるのはアレのカラー版なんだけどね。

「……そうか」

 エアリアルとの会話もそこそこに、鉄道に乗り込む。ファナリスとヘルハスも一緒で、いつもの三等車ではなく、今日は一等車。切符はクソ滅茶高かった。

 窓の外には朝日が昇り、徐々に霧が晴れていく。

「お二人とも、見て下さいまし。」

 はしゃぐファナリスに、私はニコニコ笑顔で応じ、ヘルハスは朗らかスマイルで応じていた。

 さて、ここで少し閑話を挟むと、実はファナリス、貴族をやめたのだとか。両親は承諾済み。故に、魔法学園を飛び級(私は一年で、ファナリスは二年ね)で卒業後に宿屋(わがや)の従業員になったというワケだ。閑話休題。

 しっかし、ヘルハスは兎も角、ファナリスもまた気合い入ってるなー。貴族をやめたとはいえ身嗜みは貴族然としており、至って普通の私が二人から浮いている。

 そして、此処は一等車。二等車までとは異なり、サービスがある。ドリンクとそのつまみだ。ドリンクは酒類と紅茶を選択でき、私は紅茶を。ちなみに、二人は(ワイン)だ。

「ところで、オーサカはショーナンとはどう違うのかしら?」

 太陽に照らされる山、谷、草原、町と過ぎて行く車窓を見ながら、ヘルハスが問う。ファナリスも初めてで興味津々。

 私は紅茶を一口啜ってから、

「そうね……、食い倒れの町ってところかな。」

 そう答える。ここ数年で、冷凍技術が向上し、海の魚介類の内地への輸出が増えている。と同時に、産地での消費も高まり、飲食店の増加は目覚ましい。

「へえー、それは楽しみね」

 そう言って、ヘルハスはサービスの(ワイン)を呷るのだった。


 オーサカに着き、先ずは魚市場へ行く。顔馴染みの仲買人に挨拶と何時ものように私用の魚介類を買って、氷漬けにして輸送を頼む。ちなみに、宿屋(わがや)への魚介類の購入は先にも話したが近年の冷凍技術の向上により、週一的にて行われている。

「まあ、見て下さい。これが生きた蟹ですのね!」

「殿……ヘルハスさん、こっちには海老がいますわ!」

 ヘルハスとファナリスは魚市場にはしゃぎで、あっちの水槽こっちの水槽と見て回る。そして、逐一、水槽の中の生きた魚介類に驚いていた。

 ──まあ、然もありなん。貴族様は食材の生きた姿なんて拝むことは普通は無いし。

「「ミエアさん、この貝──」」

 さてさて、王族と元貴族様がトンデモない事を口走る前に、口にチャックをしないと……──


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