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転生? 何ソレ、美味しいの?  作者: 白月 仄
三章 従業員は大切に
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 今日も“薬草摘み”をしながら、数日後には始まる『嘆きの丘』の本格的調査を前に、私は気楽でいた。先日に、先行調査隊から聞いた話によれば「──これといった異状は無し」とのこと。そして、過去の例に倣うなら『嘆きの丘』は“傲慢の魔王”がいるときだけ移動するのだとか。七大魔王は大凡数百年に一度、出現するそうで、ようはそれまでは安全地帯。

 さてさて、ヘルハスは何が目的なのやら?



「──さあ、行きましょう!」

 ヘルハスの号令により、『嘆きの丘』の調査隊は前進する。といっても、先ずは転移ゲートを使って『嘆きの丘』に行くだけだが。

 全員が転移陣の中に入ると、転移陣が起動。一瞬の光の後には、神殿などの残骸が転がる『嘆きの丘』へ。

 ヘルハスは神殿跡へと進み出ると、

「──皆さん、先ずはこの瓦礫を除けましょう!」

 そう述べて、率先して瓦礫を除ける。

 瓦礫は一カ所にまとめ、徐々に神殿跡がすっきりしていく。やがて、

「──階段……」

 それは、紛れもなく下り階段であった。

「文献通りね」

 ヘルハスの言葉に全員の意識が向く。それを待って、彼女は説明を続ける。

「此処はね、精霊殿。かつて存在した精霊信仰の祈りの場所だったの」

 ヘルハスを先頭に私たちは下り階段を降りていく。

「当時、上の建物は、マナリス教に偽装(カモフラージュ)していたらしいわ。精霊信仰は当時に於いても異端扱いだったって、文献にあるわ」

 私たちはヘルハスの説明を聞きながら、階段を降りていく。

「……そして、此処が精霊信仰の礼拝堂」

 階段を降りきり、そこには空間が広がっていた。周囲の人間が明かりの魔法を唱え、光を点すと、そこがまだまだ広い事に気付かされる。

 そうして最奥、祭壇の真後ろには、

「──六枚羽根の竜」

 そう、そこにはかつて私が見たまんまの六枚羽根の竜の像があった。

「──そう、あれこそ文献に遺される精霊信仰の最高精霊『エレメンタルドラゴン』よ」

 ヘルハスの言葉に、私は目を見張る。その時だった。

 ──ボッ! ボッ! ボッ! ボッ! ボッ! ボッ!

 と、地下空間を支える六柱の薪に火が点る。


「──よくぞ、来た」


 それは地下空間に広がる声。然れど、どこからその声が出ているのは不明。だが、

「如何しました? ミエアさん?」

 どうやら、ヘルハスをはじめ、他の人には今の声は聞こえなんだ。

 ──さてさて、如何したものか? 此処は『声が聞こえる』と伝えるべきかどうか? だが、考えろ。ここは敢えて無視して、聞かなかったことにするのも一手。平穏を保つなら、今回は聞かなかったことにして、『エレメンタルドラゴン』には悪いが調査を終えるのも吉であろう。

「──まてまて!」

 ──んな!? 『エレメンタルドラゴン』め、心を読んでくるとは!? 

「そう構えるでない!」

 ──では、何だというのだ? あれか? 贄か?

「違うわい!」

 ──では?

「吾は『エレメンタルドラゴン』という立場故、好き勝手に出歩けぬ。じゃが、例外ある」

 ──えーっ!? 契約して世界を回るとか、ヤだよ、私。

「……ぐぬっ! 先読みするとは! だがな、そこを曲げて頼めぬか?」

 ──無理。マジで無理! ホント、無理だからね!


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