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転生? 何ソレ、美味しいの?  作者: 白月 仄
三章 従業員は大切に
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 ──ガラガラ……。

 ンにゃ、なんか煩い。私が目を覚ますとそこは馬車の中だった。

「は?」

「おはようございます、ミエアさん」

 そこに居たのは王太子──こと、第一王女ヘルハス。

 馬車の窓から外を見やれば、其処は首都。ヘルハス(このアマ)、謀りやがったな!

 そういえば、昨日に話が長引き一旦ヘルハスの執務室に入り、ハーブティーを頂いたのだが、アレに遅効性の睡眠薬が混ぜられていたのだろう。

「……まったく。んで、なんでまた、私なんて小物を拉致って如何するのよ?」

「拉致なんて、してませんわ。ちゃんと、ご両親に許可を得ています」

 ──をひ。私のことを売りやがったな! 恩を仇で返すとはまさにこの事。なの為に、せっせと毎日“薬草摘み”してると思ってるのよ……。

「……それで、なんの為?」

「はい、ミエアさんは隣国の国王が命じられた“七大魔王の討伐”にて“傲慢の魔王”にトドメを刺された功績があります。故に……──」

 ──ハァー。もう六年も前のことを、なんでまた掘り返すかな?

 延々と語るヘルハスを余所に、私は馬車の中で天を仰いだ。


 迎賓館。約三年前に廃嫡になった第一王子の事件以来だ。

 またもや、私はドレスを着せられ、此処にいた。しかも、今回は前回のような立食形式ではなく、席の決まった会食形式。しかもしかもだ、なんでまた私の席が隣国の国王の隣という席なんだ?

 時間というものは残酷で、会食の時間となり、私は人のよさそうな淑女をエスコートして会場内へ。そして、着席したワケだが、なんと、エスコートした淑女が隣国の国王とは!?


 ──結果、隣国の国王とはどんな話をしたのかや、食事の味さえも、緊張の剰りに覚えてなかった。私といえど、さすがに隣国の国王などは準備なしで会ったら緊張もするさ。



 ──さて、不意打ちにより、食事をしたことしか覚えていない会食を終え、やっとこさイマーチの我が家に帰ると、

「お帰り、ミエア。隣国の王様ってどんなだった?」

 姉がいきなり声を掛けてきた。そういえば、隣国の国王は若年で戴冠しており、まだ未婚であったっけ? さて、隣国の国王が女性と知ったら、姉はどうなることやら?

「……ああ、うん、綺麗だったよ……」

 間違いではないが、正確ではない情報を口にする。そんな、私の曖昧な回答に、

「──マジ! イイな、ミエアは……」

 羨ましそうにそう言う姉。きっと、姉には美形男子が投げキッスをしているのだろう。

 私はそんなことを考えながら、階段を上がっていく。さてさて、私の頭を悩ませているのは、帰りの鉄道に乗る前のヘルハスの言葉だ。

「──これまで放置していた『嘆きの丘』の調査に入ります。ミエアさん、貴方には同行してもらうので、お願いしますね」

 と。

 ──あれから、約六年。イマーチの上空に滞空したままの浮遊島『嘆きの丘』。なんでまた、今更になって調査なのか、意味不明だ。


 翌日に私は『嘆きの丘』への転移陣が現れた場所へ。そこは、規制線で囲まれていた。

「……まったく、またこの先に行かなくちゃならないとは……」

 私はジッと転移陣を見据えてる。すると、転移ゲートが開き出てくるチンピラ連中。

「あん? 何だ、ネーちゃんは?」

 そんな中の一人が私に声を掛けてくる。こんなんでも、先行調査隊である。

「私はアンタらの後に入る本隊の一員よ。」

 睥睨しながらも、険悪化はよくないので素直に答える。

「なんだ。そうか、すまんね……」

 私はその後、二、三聞いて、その場を後にするのだった。



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