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私の今の部屋は一人部屋。ま、いろいろと私にも秘密があるわけでしてね。
そんなワケで、私は元は物置だった今の部屋に戻ると、
「……なにか用?」
私の部屋には客がいた。
「いやいや、「なにか用?」と言われても、私の用事はただ一つ──」
さて。コイツは海の向こう側、隣国のエツトラ帝国に仕える神官の一人で、名をツァラトゥストラ。肝心の飛行船がおシャンになって今現在は我が家の居候をしている。ちなみに、海にはヤオ潮というとてつもない潮流が流れており、私のいる国とは飛行船でもないかぎりは往き来は難しく、現に飛行船を失ったツァラトゥストラとは、こうして我が家に居候している。
「ほーら、とっとと出て行ってよ!」
私はツァラトゥストラを追い出し、ピシャリとドアを閉める。
──まったく、アイツにはホント困っている。なにしろ、所謂“チート”という能力の持ちであるところを見られてしまったのだ。以来、ことある毎に、ツァラトゥストラは私を勧誘してくる。
「……ホント、困ったものね……」
ちなみに、飛行船がレアな理由は、この国を含めたこの大陸の空を竜が護っているからである。下手に近付けば、ツァラトゥストラのように撃墜の憂き目に遭う。
さて、明日は先ずは父親の依頼を熟して、それから……────
翌朝。
私は一張羅のお目かをして、駅へ急ぐ。鉄道は数年前に開通し、今や移動手段といえば、鉄道である。
そんな訳で、駅へと行くと、
「……ちょっと、なんでアンタがいるのよ?」
気付くと、真後ろにツァラトゥストラ。
「「なんで?」とは、そう言わないで下さいよ。私としましても、オーサカには興味があるのです」
さて、ツァラトゥストラが言ったオーサカとは、今日、私が行く町である。豊富な魚介類が集まり“天下の台所”とまで謂われる町である。
私は「切符は自分の金で払いなさいよ」と曰い、さっさと切符を買って入場。蒸気機関による列車は実にいい!
私は客車に乗リ込むと、客はまだ疎らながらも席は埋まりつつあり、私も席を取る。ちなみに、一等車や二等車はバカみたいに料金が跳ね上がるので使わない。
「せーんろは続くよ♪ どーこまでも♪」
──シュポポポー……。
警笛を鳴らして、進む列車。シュッポシュッポと音を響かせ走り出す。
「──いいですね。その歌」
「何よ、アンタには関係ないでしょ」
私は外方を向き、向かいに座るツァラトゥストラから視線を外す。




