↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生? 何ソレ、美味しいの?  作者: 白月 仄
一章 今日も、薬草摘み
PR
1/32

1

 ──ふぅー。今日も、重畳。

 私は腰をトントンとして立ち上がる。

 ここは薬草園。青々と茂った薬草がズラリと畑の畝に沿って生え並ぶ場所。その薬草の葉を丁寧にもぎ取るのが、私の日々の仕事だ。

 そして、月一で港町に行って生の海鮮を堪能。それが、私の日課。

 私──こと、フランベリン・ミエア(二代目)の。



「──はい、お疲れさま」

「どうもです」

 冒険者ギルドにて今日の報酬を貰い、私は意気揚々と帰ろうとする。すると、

「おい、万年底辺。いつになったら、昇格するんだ? ああ?」

 うっわー、面倒臭いのに捕まった。彼の名は、ヨ・ワインダー。複数人の取り巻きがおり、依頼の少ないこの町──イマーチの冒険者ギルドで管を巻いているアホである。

「私は“薬草摘み”で小金を稼いでいるんです。貴方のような、大酒くらいとは違い、この程度の金額でも事足りるんです」

 まあ、実際に“薬草摘み”の依頼は宿屋一泊とご飯が二食、それと、少しばかりの小遣い程度である。が、家があり、食事も家に依存してる私には充分である。しかも、半分は家に入れる寛容さ。なんたる大人びた考えな事か。

 ──ま、外面はともかく、中身は充分に大人なのだが。

 私はワインダーをしっしっと払い、家路へ。


 日が暮れるイマーチは簡素な町並みで、実に田舎と言っていい。さて、私について今暫く説明すると、私は転生者である。尤も、普通の転生ではなく、病気で死んだ死体(厳密には異なるのだが、この方が早いので)に後釜として収まるタイプのものだ。勿論、私は転生と同時に、この世界に於ける両親家族(体の)には説明してある。その為、こうして、日銭を稼いでは、その半分を家に納めている。

 我が家は宿屋で、存外泊まり客は多い。ここは片田舎な町なれど、交通の要所の一つ。だが、城廓はない。理由は単純、ここが戦場になったことは一度も無いからである。

「ただいま」

「お帰りなさい、ミエア」

 私は横手の従業員用の扉を開けて宿屋の中へ。

 さて、両親や家族には私がちゃんと説明したのに、いまだにフランベリン・ミエア(初代)と勘違いしている。ま、然もありなんか。病で一度は死んでしまった娘が、生き返ったのだ。私の話は、生き返った際の譫言かなにかと捉えているのだろう。

 ──いいけど。

「あ、お母さん、明日は港町に行ってくるから」

「はいはい。気を付けるのよ。」

「はーい」

「おい、ミエア。明日、港町に行くなら、魚介類を仰山頼む。勿論、氷付けでな!」

「はーい。まったく、お父さんは人使いが荒いんだから」

「まあまあ、そう言わないの」

 母親に宥められ、私はプクッと敢えて頬を膨らませ怒ってますポーズを為ながら部屋へ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
おっと、口調から男の人かと思いきや、女の人か。 「現地人に転生」を死体乗っ取りって言うのは初めて見ました。期待。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。