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そんなワケで、明後日。
貴族の集まる夜会に何故か呼ばれた私。意味分からん。
私は急遽ドレスに着替え、ついでにツァラトゥストラもドレスに着替え、首都の夜会会場の端にいた。
「いやはや、貴族ってのは、帝国も王国も変わり映えないね」
壁に背を預けたツァラトゥストラがグラスを傾け、そう曰う。
「やあ、ミエアちゃんに、ツァラトゥストラさんじゃないか」
声の方を見れば、そこにはアスモさんがおり、彼女もまたドレス姿だ。
──ワァー! ワァー! ……。
どうやら、王太子の登場のようだが、何故か王太子はファナリスとは異なる女を側に置いていた。
なんとも、いけ好かない女か。アパズレのファナリスの方がまだましである。そんな事を思っていると、
「──ファナリス、キミとの婚約は破棄だ!」
王太子がとんでもないことを口走る。側らの女はシメシメと悪い笑みを浮かべる。だが、分かっているのだろうか? 王太子が行ったことは、内戦勃発の引き金を無鉄砲に引いたことに。確か、この国の軍事を担ってるのはユードペルグ家と記憶に新しい。
そして、衛兵が雪崩れ込み、槍を突き付けたのは王太子とその側らの女。女は往生際悪く、想定外の事に激しく抵抗をみせた。
「ああ、アレも転生者か……」
アスモさんの漏らした呟きに、私は我関せずと、テーブルの食べ放題の肉をしこたま頬張るのだった。
翌日。
どうやら事は内戦には至らず、元王太子は廃嫡となり、女は一族郎党を含めてギロチンに掛かる事と相成った。
──アホだな。
「いやー、昨日の間抜けな喜劇は実に最高だったよ」
「……そう。」
私は今日も寮の自室にきているツァラトゥストラの言葉にテキトーに相槌を打って、窓辺から外を見やる。
ファナリスは、昨日の騒動で今は首都の王宮に行っている。
「ってか、普通、あーなる事ぐらい分かるだろうに……」
「……アンタみたいに、脳が湧いてたんじゃない?」
「いやいや、私は彼処まで馬鹿じゃないよ。」
「どうだか」
そう言えば、昨日に私がファナリスの婚約発表──だった夜会に呼ばれた理由は三年前の魔王退治の功績なんだと。
「そうそう、入学式はちゃんとやるらしいよ」
「ふーん」
夜になると、ファナリスは戻ってきており、話を聞くに、
「──王太子は第二子の第一王女になるそうです。私はお払い箱ですね」
とのことだった。
別段、ファナリスも言葉を求めることもなく、淡々といつも通りに過ごしており、気遣う必要もなく実に気楽である。
──……んで?
「……なんで、ファナリスは私のベッドに入ってるの?」
「……だって、私、婚約破棄されてしまいましたし、ここは同室のミエアさんに慰めて……──」
「──それなら、私に任せろ!」
どこからともなく現れたツァラトゥストラがファナリスが寝るベッドにダイブ。しかし、
「ツァラトゥストラさんは、ご遠慮願いますわ!」
どこから取り出したのか、パンチングの玩具でツァラトゥストラを迎撃するファナリス。
──なにやってんだか……。
私はやれやれと肩を竦めた。




