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「──では、吾がなんとかしよう!」
それは、誰もいないはずの空間から響いた。だが、空間に歪みが生じるとソコから、六枚羽の巨大な竜が姿を顕し、そして、
「……ハァハァ……ハ? 馬鹿ナ!? ……“六枚羽根ノ竜”……ダト!?」
魔王が狼狽えた。六枚羽根の竜は魔王に取りあわず、“竜の息吹”の体勢に入ると、
──ヒューイイイイイィーィーィーン!
竜の息吹の一閃!
異形と人が合わさった第三形態の魔王を縦に裂き、空の彼方もまた“竜の息吹”の一閃で真っ二つ!
「──それでは、また何処かで合おうぞ。」
そう言い残して、六枚羽根の竜は、空間に揺らぎを生じさせて消えていくのだった。
「……え? 現在の何?」
ただ一人、地面に倒れ伏す勇者二人と、風に攫われ消えていく魔王を見詰めながら、私は状況の理解に追い着けず、ポカンとするしかなかった。
『嘆きの丘』からの帰還。魔王の撃滅により、盛大な祝勝会が行われた。どうやら、魔王とやらはそれ程までに脅威であったようだ。
勇者のラスト・アスモデウスと、エツトラ帝国の神官ツァラトゥストラの名は以前以上の有名となる。まあ、それはいい。問題は、私だ。事実、魔王にトドメを刺したのは六枚羽根の竜なのだが、何処をどう間違ったのか“私が魔王を倒した”ことになっており、弁解しても、
「──はっはっはっ、ミエアさんは、実に奥ゆかしい」
「そうだよ、ミエア。そんな、“六枚羽根の竜が倒した”なんて、言わなくても誇ってイイんだよ!」
ツァラトゥストラもアスモさんも、信じず、私を讃えた。いや、マジで、六枚羽根の竜が魔王を倒したのに……。
「……は? 今なんて?」
「だから、三年後になるけど、魔法学園の入学が決まったよ!」
──…………をひ。
アスモさんの言葉に私はポカーンとする他なかった。さて、魔王を無事に倒したアスモさん。意気揚々と、七大魔王の退治を頼んだ隣国の王様に報告しに帰り、そして、再び、イマーチに来ると、先の話をしてきた。しかも、この国の王様には話を通してるとか。
「……マジで、なんなの……」
三年間も拘束とか、マジでアホ。三年もあれば、今の倍の蓄えだってできるのにそれを無意味な勉学で棒に振るとか、何考えてるの? 意味分かんない。
さて、ツァラトゥストラに関しては、
「まあ、良かったわね。魔法学園といえぱ、高等教育の最高峰。そこに入れるなんて、流石は“魔王を倒した英雄”ね!」
とまあ、こんな感じ。




