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四年五組  作者: TOKEI-SU(とけい-す)
第三章
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27/40

27話 ぐるっと、ぐるっと、ぐーるぐる

三人は、学校の(もん)(そと)へ、もう一回(いっかい)(ある)()した。


さらさら。


ころころ。


小川(おがわ)(おと)は、まだ(もん)(そと)にあった。


うっけは、さっき()(みち)()た。


(みち)は、ふつうに(つづ)いていた。


ふつうに(つづ)いているのが、いちばんへんだった。


「……おれたち、こっちから()たよな」


まるみも、(みち)()た。


()た」


カサネは、小川(おがわ)のほうを()ていた。


(おと)も、こっちから()てる」


うっけは、(あたま)をかいた。


「でも、もどった」


だれも、すぐには()わなかった。


さらさら。


ころころ。


うっけは、(みち)()た。


それから、小川(おがわ)()た。


もう一回(いっかい)(みち)()た。


(みち)が、()がったのかもしれない」


まるみが、うっけを()た。


(みち)が?」


「おれたちが、()づかなかっただけかも」


まるみは、(すこ)しだけ(くび)をかしげた。


「でも、そんなに()がった(かん)じ、しなかったよね」


「だろ」


うっけは、小川(おがわ)(ゆび)さした。


「だから、こんどは、小川(おがわ)ぞいに()く」


小川(おがわ)ぞい?」


(みず)って、(なが)れてくじゃん。(みず)についてけば、どっか()くだろ」


まるみは、小川(おがわ)()た。


(なが)れるプールみたい?」


うっけは、まるみを()た。


「それ、まわって(もど)ってくるやつだろ」


「うん。だから、ちょっと(おも)った」


うっけは、(すこ)しだけだまった。


「……じゃあ、なおさら(たし)かめる」


三人は、小川(おがわ)ぞいの(ほそ)(みち)(ある)()した。


(みず)は、(くさ)のあいだを、きらきら(なが)れていた。


(みち)は、小川(おがわ)のすぐよこにあった。


(くさ)が、うっけのくつのよこをかすった。


さらさら。


ころころ。


(おと)は、(ひだり)から()たり、(あし)もとから()たりした。


まるみは、ときどき(みず)をのぞきこんだ。


カサネは、まるみより(すこ)(うし)ろで、(みず)の中を()ながら(ある)いていた。


(いし)、いっぱいあるね」


まるみが()った。


カサネは、小さくうなずいた。


(かたち)が、ちょっとずつちがう」


「そこまで()てるのかよ」


うっけが()った。


()ちゃう」


カサネは、(みず)の中の(くろ)っぽい(いし)()た。


「こういうの、あとで(おな)じだったら、わかるかも」


うっけは、(まえ)()いた。


「あとで(おな)じになるなよ」


(すこ)()くと、小さな(はし)()えた。


まるみが、(あし)をゆるめた。


「さっきの(はし)


うっけも、(はし)()た。


(はし)の上を(とお)ったときの、こつ、という(おと)を、うっけは(おも)()した。


(あし)の下に、水の(おと)があった。


まるみの(かた)に、(すこ)しだけぶつかったことも(おも)()した。


今回(こんかい)は、(わた)らない」


(わた)らないんだ」


小川(おがわ)ぞいって()めたからな」


三人は、(はし)をよこに()て、そのまま(すす)んだ。


(はし)は、(すこ)しずつ(うし)ろへ()った。


でも、水の(おと)は、(よこ)にいた。


さらさら。


ころころ。


(はし)()かないと、へんな(かん)じ」


まるみが()った。


()かないために、()かないんだよ」


「わかるけど、()いかた」


そのとき、まるみが(あし)もとで(なに)かを()つけた。


小さな、黄色(きいろ)っぽい()っぱだった。


(くさ)の上に、ぺたんとのっていた。


まるみは、それをつまみあげた。


「これ、(なが)したら、どこ()くかな」


うっけは、()っぱを()た。


「いいじゃん。あとで()つけたら、ひろう」


「また(もど)ってくるって(おも)ってる?」


(おも)ってない。もしもの(はなし)


カサネは、小川(おがわ)(みず)()た。


「ここなら、ちゃんと(なが)れそう」


まるみは、小川(おがわ)のはしにしゃがんだ。


(みず)は、(くさ)のかげから出て、まるみの(ゆび)のそばを(とお)った。


まるみは、()っぱを(みず)の上に、そっとのせた。


()っぱは、いったん()まった。


三人とも、そこを()た。


小さな(なみ)が、()っぱの下を(とお)った。


くるり。


()っぱは、一回(いっかい)まわった。


それから、すうっと(さき)(なが)れていった。


()った」


まるみが、小さく()った。


「よし。あれについてく」


三人は、()っぱを()うように(ある)いた。


()っぱは、小さかった。


でも、黄色(きいろ)っぽいから、(みず)の上でよく()えた。


(いし)にあたると、くるっとまわった。


(くさ)のかげに(はい)ると、(すこ)()えなくなった。


まるみは、()えなくなるたびに、(すこ)()のびをした。


うっけは、()っぱの(さき)()た。


カサネは、()っぱの下を()ていた。


「その(いし)


カサネが、小さく()った。


「なに」


「さっきも、あの(いし)、あった」


うっけは、(あし)()めそうになった。


でも、()まらなかった。


「まだ、わかんないだろ」


カサネは、もう一回(いっかい)、その(いし)()た。


(くろ)っぽくて、まんなかに(しろ)いすじがあった。


「うん。まだ、わかんない」


()っぱは、まだ(さき)()っていた。


そのはずだった。


さらさら。


ころころ。


(みず)(おと)が、(すこ)(とお)くなった()がした。


「……あれ」


まるみが、小さく()った。


うっけは、()っぱを()ようとしていた。


でも、(まえ)()えたのは、()っぱではなかった。


木のあいだから、(なが)屋根(やね)()えた。


ならんだまど。


(ふる)い木のかべ。


カサネが、小さく()った。


校舎(こうしゃ)


うっけの(あし)が、そこで()まった。


まるみも()まった。


カサネも()まった。


(もん)があった。


木の表札(ひょうさつ)があった。


阿波瀬小学校(あわせしょうがっこう)だった。


三人は、学校の(まえ)()っていた。


うっけは、うしろを()た。


(はし)()えなかった。


さっきよこを(とお)ったはずなのに、()えなかった。


()っぱも、()えなかった。


「……なんでだよ」


うっけの(こえ)は、小さかった。


小川(おがわ)ぞいに(ある)いたのに」


カサネは、(みず)のほうを()ていた。


()っぱ、まだ()てない」


うっけは、カサネを()た。


「え?」


「さっき、(さき)()ったから」


まるみは、うっけのそでを(すこ)しつかんだ。


三人は、小川(おがわ)()た。


さらさら。


ころころ。


学校の(まえ)小川(おがわ)の上から、(なに)かが(なが)れてきた。


小さくて、黄色(きいろ)っぽいものだった。


まるみの(ゆび)が、うっけのそでをぎゅっとつかんだ。


「……()っぱ」


うっけは、(いき)()めた。


カサネも、(みず)の上をじっと()ていた。


()っぱは、三人の(まえ)(とお)った。


さっきと(おな)じように、くるりとまわった。


それから、また下のほうへ(なが)れていった。


うっけは、(わら)おうとした。


(くち)だけ、(すこ)(うご)いた。


でも、(わら)えなかった。


「……ほんとに、(なが)れるプールかよ」


まるみは、そでをつかんだまま、(みず)()ていた。


「でも、プールじゃないよ」


「わかってる」


(みず)、ちゃんと(さき)()ってるのに」


カサネが()った。


「ぐるっと、してる」


(みず)は、ちゃんと(さき)(すす)んでいるように()えた。


なのに、()っぱは(もど)ってきた。


三人と(おな)じように。


「ぐるっと、ぐるっと」


まるみが、つぶやいた。


「ぐーるぐる、ってことかよ」


うっけが()った。


(みず)は、(こた)えなかった。


ただ、(なが)れていた。


うっけは、(すこ)(なが)(いき)をはいた。


まるみの()は、まだそでにあった。


カサネは、(みず)から(かお)()げた。


小川(おがわ)ぞいだと、たぶん、また(もど)る」


うっけは、カサネを()た。


「たぶん?」


「たぶん。でも、さっきより、そう(おも)う」


うっけは、小川(おがわ)()た。


さらさら。


ころころ。


その(おと)は、さっきまで()きだった(おと)(おな)じだった。


でも、今は(すこ)しだけ、こわかった。


「じゃあ、こんどは、あれからはなれる」


外側(そとがわ)?」


まるみが()いた。


「そう。小川(おがわ)外側(そとがわ)


()らない(まち)のほうだった。


まるみは、そでをつかんでいた()を、ゆっくりはなした。


「また、(もど)るかな」


うっけは、(すこ)しだけ(こま)った(かお)をした。


「……(もど)ってきちゃうかも」


まるみは、(すこ)しだけ()(まる)くした。


()っちゃった」


「でも、()わないと、(かんが)えられないだろ」


まるみは、うなずいた。


カサネも、小川(おがわ)外側(そとがわ)()た。


(おと)が、(すこ)(とお)くなるね」


(とお)くしてやる」


うっけは、(もん)(そと)()た。


小川(おがわ)から、はなれる。(もど)ってくるかは、そのあと()る」


三人は、すぐには(ある)かなかった。


学校の(もん)(まえ)で、(みず)(おと)()いていた。


さらさら。


ころころ。


さっき(なが)した()っぱは、もう()えなかった。


でも、その(とお)ったあとだけが、三人の()(のこ)っていた。


うっけが、一歩(いっぽ)(まえ)()た。


まるみも、(あし)()した。


カサネは、最後(さいご)小川(おがわ)()た。


「まだ、(なが)れてる」


(なが)れてろ」


うっけは、()らない(まち)のほうを()いた。


三人は、学校の(もん)(まえ)から、小川(おがわ)外側(そとがわ)(ある)()した。


小川(おがわ)(おと)は、うしろで(つづ)いていた。


さらさら。


ころころ。


ぐるっと。


ぐるっと。


ぐーるぐる。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


次回は


6月9日 1:00に更新します。

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