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四年五組  作者: TOKEI-SU(とけい-す)
第三章
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24/40

24話 スバラシイことなのです!

青、みどり、(あか)、きいろ。


ガラスの()が、木のゆかに()ちていた。


三人(さんにん)は、お弁当(べんとう)()って、(おお)きな木の()(まえ)にいた。


ガラスのむこうに、(つち)校庭(こうてい)()えた。


うっけは、()に手をかけた。


がら。


木の()()いた。


ゆかの(うえ)で、(いろ)のついた(ひかり)が、すこしゆれた。


それから、(そと)(ひかり)が、どっと(はい)ってきた。


青も、みどりも、(あか)も、きいろも、まぶしさの中にまざった。


三人(さんにん)は、(つち)校庭(こうてい)()た。


くつの(した)で、(つち)がざりっと()った。


うっけは、まぶしくて、()をほそめた。


まるみの(かみ)が、(かぜ)でふわっとゆれた。


カサネは、(そら)見上(みあ)げた。


すこし()こうで、ブランコが、きい、と()った。


そのむこうに、ひくい(もん)があった。


(もん)のよこに、木の表札(ひょうさつ)()っていた。


まるみが、先に()づいた。


三人(さんにん)は、(もん)のほうへ(ある)いた。


うっけは、まるみの()ている(さき)()て、(あし)()めた。


「え。なんで」


阿波瀬小学校(あわせしょうがっこう)


うっけは、まばたきをした。


「……あわ(しょう)?」


まるみも、表札(ひょうさつ)()た。


「わたしたちの、あわ(しょう)じゃないよね」


「でも名前(なまえ)(おな)じ、か」


まるみは、校庭(こうてい)()て、それから、木の校舎(こうしゃ)()た。


(おな)名前(なまえ)なのに、ぜんぜんちがう」


カサネは表札(ひょうさつ)を、じっと()ていた。


「あわ(しょう)


うっけが、カサネを()た。


阿波瀬小学校(あわせしょうがっこう)のこと」


カサネは、もう一回(いっかい)表札(ひょうさつ)()た。


「……あわ(しょう)


まるみが、小さく(くび)をかしげた。


「カサネ、あわ(しょう)って、あんまり()わない?」


カサネは、表札(ひょうさつ)()たまま、すこしだけ(かんが)えた。


「うん。なんか、はじめて()いたみたい」


うっけは、表札(ひょうさつ)()た。


「なんでだよ」


そのとき、カサネが、先に(かお)()げた。


「センセイ」


うっけとまるみも、ふりかえった。


(もん)のそばに、センセイが()っていた。


いつからそこにいたのか、わからなかった。


センセイは、三人(さんにん)()て、すこしだけうなずいた。


()てきましたね」


うっけは、センセイを()た。


「ここ、阿波瀬小学校(あわせしょうがっこう)なのかよ」


「はい。ここも、阿波瀬小学校(あわせしょうがっこう)です」


「ここも、ってなんだよ」


「ふしぎですね」


「ふしぎですね、じゃないだろ。()ってるなら(おし)えろよ」


センセイは、うれしそうに(わら)った。


それから、耳に手をあてた。


三人(さんにん)も、つられて耳をすました。


さらさら。


ころころ。


()えない(さき)から、(おと)だけが()ていた。


うっけは、(もん)(そと)()た。


「……(そと)から、()こえる」


センセイは、うなずいた。


「ええ」


まるみが、小さく()った。


「この(おと)、すき」


(おと)に、すきとかあるのかよ」


まるみは、耳をすませたまま(こた)えた。


「すこしこわい(おと)。やさしい(おと)


うっけは、もう一回(いっかい)、耳をすました。


さらさら。


ころころ。


カサネが、ぽつんと()った。


(ちか)くに、(みず)がありそう」


「どこに?」


(もん)の、むこうかな」


(おと)は、まだ(つづ)いていた。


うっけは、お弁当(べんとう)()ちなおした。


(もん)(そと)()た。


()ってみるか」


まるみが、うなずいた。


カサネも、もう(もん)(そと)()いていた。


「うん」


(もん)()(まえ)に、うっけは一度(いちど)だけふりかえった。


センセイは、まだそこに()っていた。


「……もどったら、ちゃんときくからな」


センセイは、にこっとうなずいた。


うっけは、(まえ)をむいた。


「よし、()こう!」


三人(さんにん)は、(もん)()た。


くつの(した)で、(つち)がざりっと()った。


さらさら。


ころころ。


(おと)は、まだ(さき)にあった。


センセイは、(もん)のそばで、(とお)くなっていく三人(さんにん)背中(せなか)()ていた。


()らない場所(ばしょ)を、()て」


()えない(おと)を、()いて」


センセイは、ひとりで、うれしそうにうなずいた。


「それでも、()ってみる」


センセイは、両手(りょうて)を、きゅっと(むね)(まえ)でにぎった。


「それは、スバラシイことなのです!」

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


次回は


6月6日 1:00に更新します。

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