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四年五組  作者: TOKEI-SU(とけい-す)
第二章
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16/40

16話 だいけっさく

このお話は全年齢向けの作品です。

気軽に読んでいただけたらうれしいです。

うっけは、牛乳(ぎゅうにゅう)をもう一口(ひとくち)だけ()んだ。


「……ほんものだ」


まるみは、うっけを()た。


「ほんもの、()たね」


()た。カサネのおかげだ」


カサネが、うっけを()た。


「うん。牛乳(ぎゅうにゅう)のこと、いっぱい(かんが)えた」


「そしたら、()たの? すごい」


まるみは、あは、と(わら)った。


「じゃあ、カレーも()せるってことだろ」


「どうやって()すの?」


「うーん。かいてみる」


カサネが、まばたきした。


「かいてみる?」


「カレーの()だよ。かけば、()()がする」


「ほんとに?」


「まあ、みてなって!」


うっけは、給食室(きゅうしょくしつ)(たな)から(しろ)(かみ)と、(みじか)(いろ)えんぴつを()()った。


ごしごし。


きこきこ。


「うん、よし」


茶色(ちゃいろ)くて。


おべんとうばこくらいの(おお)きさの、四角(しかく)


うっけは、(かみ)配膳台(はいぜんだい)()いた。


「できた」


まるみが、のぞきこんだ。


「……これ?」


「カレーだろ」


カサネも、(ちか)づいた。


(はこ)


「カレーだって。でかいやつ」


「ごはんは?」


うっけは、すみをゆびさした。


「ここ」


「そこ?」


「そこ」


しん。


(なに)()きなかった。


配膳台(はいぜんだい)は、しずかなままだった。


()ないね」


「なんでだよ」


「カレーじゃないからじゃない?」


「カレーだろ」


カサネが()った。


「においが、しない」


うっけは、だまった。


それから、ポケットをおさえた。


「……こいつも、そんな(かん)じだったのか」


「こいつ?」


「ポケットのやつ。まだ、カレーのにおいだけする」


カサネが()った。


「においだけ」


まるみは、うっけの()をもう一回(いっかい)()た。


「ちゃんとカレーじゃないと、だめなのかも」


うっけは、(くち)をへの()にした。


まるみは、(しろ)(かみ)を、もう(いち)まい()った。


「わたし、かいてみる」


「かけるのか?」


「もう(すこ)し、カレーにする」


まるみは、(かみ)に、まるいおさらを()いた。


(しろ)いところ。


茶色(ちゃいろ)いところ。


まるいおさらに、ごはんとカレーがのっているように()えた。


うっけが、(かみ)(かお)(ちか)づけた。


「……それ、カレーだ」


まるみは、えへと(わら)った。


「まだたりない、よね?」


カサネが、じっと(かみ)()た。


湯気(ゆげ)


湯気(ゆげ)?」


(ちか)づくと、あったかいやつ」


「それ。ふうふうするやつ」


まるみは、(ほそ)(せん)()いた。


ゆらゆら。


湯気(ゆげ)みたいな(せん)


カサネが、(ちい)さく(いき)をすった。


(ちか)くなった」


「なにが?」


「カレー」


うっけのおなかが、また()った。


きゅる。


「じゃがいも」


うっけが()った。


「にんじん」


まるみが、(かみ)(ちい)さな(かたち)()した。


(にく)


(にく)?」


「ちょっと(おお)きいやつ。スプーンにのったら、うれしいやつ」


まるみは、もう(すこ)しこい茶色(ちゃいろ)で、(おお)きめの(にく)()()した。


うっけは、となりから()った。


「おさらのはしまでじゃなくて、でも、ちょっと(おお)めで」


「ちょっと(おお)め」


まるみは、うなずいた。


カサネが、(はな)(まえ)()(すこ)(うご)かした。


「においが、(うえ)にくる」


(うえ)?」


「こっちに」


まるみは、湯気(ゆげ)(せん)を、もう(すこ)(なが)くした。


三人(さんにん)は、(かみ)()た。


おさら。


ごはん。


カレー。


じゃがいも。


にんじん。


(にく)


湯気(ゆげ)


()ているだけで、おなかがすく()だった。


うっけは、まるみを()()った。


「こんなおいしそうなカレー、()たことない」


「じゃあ、()るかな」


三人(さんにん)は、配膳台(はいぜんだい)()た。


しん。


うっけは、(いき)()めた。


ことん。


三人(さんにん)()が、いっせいに(ひら)いた。


そこに、おさらがあった。


(しろ)いごはん。


茶色(ちゃいろ)いカレー。


じゃがいも。


にんじん。


(にく)


湯気(ゆげ)


()(おな)じカレーが、そこにあった。


うっけは、(いき)をするのを(わす)れていた。


「……()た」


まるみが、ぱちっとまばたきした。


「ほんもの?」


カサネが、うなずいた。


「ほんものだね」


うっけは、おさらに()をくぎづけにしたまま、()った。


「……できたよ」


おなかが、もう一回(いっかい)(ちい)さく()った。


今度(こんど)は、だれも(わら)わなかった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


17話は 5月24日 1:00に更新します。

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