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プロローグ. 追憶

すみません、ここから諸事情により時折更新が出来なくなる日が出てきそうです。


3日以内に1話は絶対出しますので、これからも読んでいただけると嬉しいです。

「.......家族って何?」


 まだ幼かった私は、彼女を見上げ、そんなことを聞いた。


 はるか昔の、もうほとんどぼやけてしまっている記憶。


 当時の私は、読み聞かせられていた絵本に出てきたその単語が、どうしても気になってしょうがなかった。


「……う~~とねぇ、自分よりも大切に思える存在の事かなぁ?」


 私を膝の上に乗せ、絵本を読み聞かせる彼女は、尋ねる私に困った顔を向けながらそう言った。


「……私にとってのお国のこと?」


 何も知らず、そう返す私に、彼女はさらに困り顔を強める。


「う~~~~~ん、……それは、ちょっと違うかなぁ~。え~ッとねぇ……なんて言ったらいいんだろう……う~~んと、あ、そうだ!、一緒にいて愛おしく感じる人達のことかな」


 彼女は閃いたようにそう言った。


「愛しいって何?」


「愛しいはねぇ、そうだなぁ~……見ていて幸せになる人、抱きしめたくなる人のことを言うかな」


 それを聞いた私はすごく嬉しくなったのを覚えている。

 私にも家族はいたんだと。


「それじゃあ、私にとっては――が愛しい人だね!――は私の家族!」


 そう言った私は、喜びのあまり彼女の名を呼びながら抱き着いたのを憶えている。

 それを聞いた彼女もまた満面の笑みを浮かべて抱きしめ返してくれた。


 憶えているのはその光景だけ。


 それ以外ではもう彼女の名前すら思い出すことは出来ない。

 それ以外の彼女との記憶は私の中には存在しなかった。

 おそらく意図的に消されてしまったのだろう、邪魔なものだと。

 何故この記憶だけが残ってしまったのか自分でも分からない。


 ただ1つ言えるのは彼女はもう私の前には存在しないということ。

 彼女は私を置いてどこかへ去ってしまった、その事実だけだった。

 私は彼女に捨てられた。


 捨てられたことに対しての恨みは、少ない記憶のおかげか、彼女に対して抱くことはなかった。

 もう私の元には戻ってこない、そういった諦めも早い段階でついていた。

 ただ1つ、捨てられた私の中に残ったもの、それは”家族”というものに対する強い願望と憧憬、それだけだった。





























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