世界の基礎
中学〜高校とき習ったことをここで使うとは思いませんでした笑笑
「起きて、起きて!」
(うるさいなぁ
もうちょっと、あと一分...)
『仕事』そのたった二文字が彼、アフラの頭をよぎったのと同時に、
「はっ!」
なんだ、夢か。
そうだ、ここは異世界だ
俺はまだ3歳、仕事があるわけない。
「あ!アフラが起きた!ヴィゲも起きて!!」
ノクスがそう言ったので俺がヴィゲの方を見ると
「ぐぅ~すぅ~」
清々しいほどスヤスヤ眠ってやがった。
まあ俺もさっきまでは同じだったんだけどな。
「コラ!起きなさいヴィゲ!ったく、あんた達だらしないわね〜」
エリザもなんだか寝坊してると思ったがどうやら俺の勘違いだったみたいだ。
「早く起きないと授業に遅れるわよ!」
授業?そんなの聞いてないぞ
まあ先生の話聞いてないから当然か
てかエリザも先生の話聞いてなくなかったか?
「知っててすごいでしょ!」
それを言わなければもっとすごかったかもな
「すごいですn」
俺がそう言いかけた時、ノクスがジト目で言った
「エリザ私から聞いたじゃん」
っとやっぱりそうだったか。
も、もちろん知ってたよ?ほ、ほら?子供は褒めて伸ばすって言うじゃん??
「っとそれは置いておいて!こら!ヴィゲ!起きなさい!」
そう言ってヴィゲの布団を引っ張ってヴィゲを起こそうとしていた
「スヤ〜」
それでもヴィゲは気持ちよさそうに寝ている
「こうなったら最終兵器を使うしか無いわね」
お?どうやらエリザがなにかするみたいだ。
一体何をしでかすんだ…
「必殺・こちょこちょ!」
「っん?ひゃはは、ひゃひゃひゃ」
思ったより子供だった〜〜!
「ちょ、まてw、起きたからw」
どうやらそれがヴィゲには効果抜群だったようだ。
「まだまだ〜!」
「起きたからw、ほんとに待ってw、一生のお願いw」
2人がふざけ合っているとノクスが呆れた目で
「そんなことしてると授業始まるよ?」
と冷静なツッコミをした
そういえば、この部屋に時計なんてないのにどうやって時間がわかるんだ?
「なあノクス、この部屋に時計なんて無いのにどうやって時間がわかるの?」
「時計?あぁ、あの家にあったやつね。さっき鐘が鳴ったよ。鳴ってからできるだけ早くクラスに行くんだよ」
「鐘?あのクラス分けのときに鳴ったやつ??」
「そうだよ」
え?アレ鳴ってもまだ俺起きてなかったの??
てかできるだけ早くってなんだよ!もっと具体的な数字を出してほしいね。
あれか?できるだけ早く出社して下さいって言っておいてたとえ5時とかに言ってももっと早く来い!って理不尽にキレるやつか?
「それじゃあ、ヴィゲも起きたようだし私はもう行くね」
「はい!」
「それじゃあ私も!」
「いってらっしゃい!」
俺は閉じたドアを横目に
「そろそろ俺も行くか!」
そう言い、全員分の布団を畳み、ドアを開けようとした、まさにその時だった。
あれ?ヴィゲは??
後ろを見るとベッドの外でひっくり返りながら寝ているヴィゲが目に飛び込んできた
こんなの状況でも眠れるとかヴィゲに敬意を払いたいくらいだ
っとそんなことを考えてる時間はない
ヴィゲを起こして俺も授業に行かなくては
「起きてください!!ヴィゲ!」
〜〜
ふぅ、なんとか授業に間に合った。
あれからヴィゲを叩き起こしたあとダッシュで教室に来た。
そう言えばこの制服のまま遊んで、水浴びて、寝たのになんで臭くないんだろう?
臭いどころかいい匂いすらする。
まあそんな世界があっても不思議じゃないか(?)
まあそれも魔法とか魔術とかがあるなら説明できるか
っとそんなことはどうでもよくて(どうでもよくない)、今度こそは先生の話を聞かなくては
「それでは、もう全員揃ったので授業を始めようと思うんじゃが、それでいいかね?」
「「「は〜い!!」」」
え?出席とか取らないの?
まあ先生が裏で確認してると信じよう。
「最初の授業は、『世界の基礎』というものじゃ」
キ、キターー!!
頼むから魔法について話してくれ!!
気になりすぎて夜しか眠れない
「それでは始めるとしよう」
先生はそう言って、『世界の基礎』の授業を始めた
「そしてお主らが気になっているであろう魔術や魔法についてじゃが、結論を言おう!この世界には魔法、魔術は存在する!」
「「「おお!」」」
マジか…ってことはあの本の幾何学的なものは魔術だったっていうことか?
「先生!魔法と魔術の違いはなんですか?」
もしあると言われた時のために質問を考えててよかった。
「いい質問じゃな。魔法と魔術は似てるように見えるが明確な違いがあるんじゃよ。
簡単にいうと魔法はイメージ、魔術は理屈
魔法はイメージ、つまりは想像すると使えるんじゃ。
魔術は少し難しいが、魔法陣というものがあり、そこに文字を書いて、魔力をこめることで使えるんじゃよ」
なるほど。
そういう違いがあったのか!
魔法が直感的なUIだとしたら、魔術はガチのソースコードってコトか。……おいおい、異世界にきてまでコードを書かされる可能性が出てきたぞ?
「先生!」
その時、アルデンス君が手を挙げた。
「なんじゃ?」
「イメージするだけで使えるということは僕でも使えるんですか?!」
「これまたいい質問じゃな。結論から言うと少し練習すれば簡単な魔法は使えるじゃろう。だが今すぐは難しいじゃろうな」
「「えぇ〜」」
「まあまあ、練習すれば今日中にできる人も出てくるじゃろうて」
ナイス質問!アルデンス君!
先生には具体的にいうとどういう魔法が簡単なのかも教えて欲しかったがまあいいか
「簡単な魔法というのはこういうものじゃよ」
そう俺の質問に答えるように先生は指先に火をつけた。
「「「おぉ〜!!」」」
パチン!
先生は指を鳴らし、何が起こったのか誰もわからなかったが、ふと教室の壁にあるランタンに火がついたのだ!
「今日はこの魔法、魔術の使い方、詠唱、練習方法について話すぞ」
「「「はい!!」」」
〜〜
ゴオオオオオオオ―――ン……!
おっ?鐘が鳴った。
ってことは…定時だーーー!!!
「どうやら今日はここで終わりのようじゃ。じゃあはい、これが飯じゃ」
先生はそう言って「魔素の澱」と似たようなパックに入った食べ物を渡してきた。
これ…だけ…?
まあ確かに「魔素の澱」もかなり腹は膨れたが…
「明日は『世界の歴史』について話すからくれぐれも遅れんようにな。それと寮の中で魔法を練習してもいいが、何か壊すと怒られるから外でやるとええぞ」
「は〜い」
明日は世界の歴史か。
っと寮に戻ってから外に行って先生の言ってた魔法を練習するとしよう
〜〜
「っとヴィゲ達は…帰ってきてないようだ」
それじゃあご飯を置いてっと
「……おかしい。出ないんだが?」
授業が終わったあと、俺はベッドの上で、親指と中指を血がにじむほどパチンパチンと鳴らし続けていた。
脳内で「ガスコンロの着火バーナー」を完璧にイメージしているのに、火がつく気配がまったくない。
「あれ?アフラもうついてたの?」
「あぁ、うん」
「こんな何してるのよ!早く外行って魔法練習しましょ!」
「そうだぜ、ここで何かを壊すと怒られるからな!」
確かに先生もそう言ってたな。
「そうだね。外に行きましょう」
〜〜
「やっぱりできないな〜」
隣を見ると、ヴィゲが「ほいっ」と指先からマッチの火みたいな小さな炎を出していた。
「あ、アフラ見てー!出たー!」
マジかよ。3歳児のスペックが高すぎるのか、俺の脳内が理屈っぽすぎてエラーを起こしているのか……
「私の魔力を糧に精霊よ、指先に灯火を」
ボワッ
「や、やったーー!できた!」
ヴィゲに続いてノクスも成功させたのか…
あれ?そういえばエリザは?
「すごいですね!そういえばエリザはどこですか?」
「エリザはあそこにいるぜ」
「エリザはもうできるから他の子に教えてる」
「えっへん」エリザがそう言った気がした
てかマジ?できないの俺だけ?
もう一度試してみよう
「すーーーっはぁーーーっ」
まずは深呼吸をして
そのあとに詠唱をっと
「我が魔力を糧に精霊よ」
イメージしろ、俺が炎を生み出す姿、ライターみたいに、マッチのように
「指先に灯火を」
理屈で考えるな、想像しろ
「パルヴム・フランマ!!」
……何も起こらないかった。
やっぱり俺には無理なのか…?
まだだ
「パルヴム・フランマ!!!」
どこか諦めたように、光を探すように俺はそう言った。
失敗だ…
どうしても俺は理屈で考えてしまう。だからイメージできない
「大丈夫か?アフラ」
そうヴィゲに言われて我に返った
そうだ、ここには失敗しても責める人なんて誰もいない。
「アフラは魔法が使えないのなら、魔術を使ってみたら?」
はっ!それだ!!
「そうですね!先生だって魔術と魔法は違うって言ってましたもんね!」
「でも、先生、魔法より難しいって言ってた」
それもそうか
魔法ができない俺に魔術なんてできるのか?
「でも何もしないよりかはいいぜ」
ヴィゲの言う通りだな。
今できないなら、できるようになればいい。
「ヴィゲの言う通りですね。試してみます」
もしできなくてもこれから頑張ればいい
結局、できるようになれば勝ちなんだ
「頑張って」
「うん!」
魔術はイメージじゃない、魔素のコントロール、理屈だと先生は言っていた
「淀みなく、滑らかな円環」
これで魔語を書く円を空中に描く
「緋き印を結びて、微かなる灯火を顕現せよ」
これが火を生み出す印
あとはここに魔力を込めて考えろ、想像しろ、そして込めろ、可燃物が酸素と急速に反応(酸化)して熱と光を放つ『現象』を
「パルヴム・フランマ」
その時、俺の魔術陣から火が出てきたのだ!!
「……熱い」
指先に小さな火が灯った。
ほんの豆粒ほどの炎。
それでも、それは間違いなく自分の手から生まれたものだった。
「や、やった……!できた……!」
魔術の発動に成功したことで俺が呆気に取られていると
「おめでとう、アフラ」
「よくやった!!アフラ、まさか本当に魔術を成功させるなんてすげえぞ!」
「それほどでもないですよ!」
グゥゥー
「「お腹すいた」」
「それもそうですね帰りましょう!!」
「それじゃあエリザに言っとく」
「お〜い、エリザ!俺たち先帰るからな!!」
「わかった。私もこの子教えてから行くわ!!」
〜〜
今日も当然の如く水をかけられてから中に入った。
昨日は疲れてて気づかなかったがこの世界の制服マジですごいな。
水を吸収しているはずなのに全く水が侵入してこない。
「ただいまー!って言ったって誰もいないんだがな!」
ヴィゲは相変わらず元気だな
子供はこれくらい元気なものなのか?
「それじゃあ飯食べようぜ!」
「でも、エリザがまだきてない」
「そうですね。エリザが帰ってきてからみんなで食べましょう」
「でもお腹すいたぜ〜」
って子供か!!って子供だった
「それもそうですね。俺はヴィゲが別に一人で食べったって構いません」
「じゃあ!」
「でもみんなで食べれば一人で食べるよりずっと美味しいと思いますよ」
「アフラが言うならそうなのか。じゃあもっと美味しく食べたいからエリザのこと待つぜ」
〜〜
「ただいまー!!」
「お帰りなさい」
「喜びなさい、みんなの憧れのエリザが帰ってきたわよ!」
みんなの憧れ…?
チョットナニイッテルカワカラナイ
まあエリザも寝言を言うほど疲れたということだろう
「みんなの憧れってどういう」
「言葉の通りよ!
「まあエリザさんは寝言いうほど疲れたってことですよ。それじゃあご飯食べて寝ましょう」
「ちょっと寝言ってどういうことよ!!私は起きてるわよ!」
しまった!俺としたことが、思ったことが口に漏れてしまったようだ
部屋が静まり返った、少し待ってみると…
「はははw おいw アフラw エリザが寝言ww」
部屋の隅からも、エリザからも笑い声が聞こえた気がする
「っw、エリザはもう怒ったわよ!あんた達のご飯全部一人で食べてやるわよ!」
「ちょっと待ってくれよ!w」
「いやよ!!悔しかったら捕まえてみなさい!」
なぜか前世が社畜の、アフラがいる部屋からは笑いが絶えないのであった
(ちなみに夜ご飯はこのあときっちり食べました。アフラいわく「中身は肉のよう何かが入ってる不味いが食べれないことはないパックだった」そうです)
-次の日
今日、アフラが学ぶのは『世界の歴史と実戦魔術』
歴史は三浦蓮が最も嫌いな授業、その一つでありこの学校、リベルタス・ウィス・ディウィティア学校では最も重要な教科である
次回の話では魔素についても触れる予定です




