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犯人

 ここは?いや心当たりがあるな。路地裏、夜、薄い気配、そして縄ぐるぐる巻き

 さすがに誰かがわからないほど俺は馬鹿じゃない。これが本に書いてあった...

 とりあえずまだ寝たふり寝たふり


(力の領域を特定せよ。ヴィシオ)


 2人、いや3人か?

 なんだか身に覚えがある場所だ。

 そうだ。学校の牢獄だ。また捕まったのか?誰に?

 おそらく魔力を隠蔽する魔道具を使っているんだろう

 魔力探知がうまく機能しない。いや、それかこの縄が魔道具なのか?

 魔力探知をするのも魔力が妨害されて数秒も持たない。

 あるいはこの部屋自体が...


『お前、起きてるんだろ?ここから逃げたいなら俺に手ェ貸せ』


 この感覚、脳内に直接話しかけてるやつがいるな。間違いなく強者

 ただ罠の可能性もある。ここは無視無視


『無視か。臆病者め』


 何でディスられてんだ?

 こいつ上司の素質ありそうだな。


 そんなことはいい。脱出方法を考えるんだ。

 魔術は長くは使えない。そもそもこの縄が魔術を狂わせるものなら魔力探知(ヴィシオ)で得た情報が正しくない可能性がある。どうする?ここは賭けるべきなのか?どうせ捕まっても奴隷にされるだけだ。どうする... 立ち上がって目を開けよう。 何がどうなってるのか。


 何だこれは...

 1、2、3

 4、5、6、7...

 12人。ここにいる全員誘拐された人なのか?

 誘拐に関する情報は乏しいが、誘拐された人は数日で売られるハズなんだが..

 まあそんな事はいい。とりあえず話しかけてきた人を探さないと...


 って言ってもここで起きてるのは2人だけなんだがな

 あのお年寄りが話しかけてきたのか?あまり強そうには...

 まあとりあえず話しかけてみよう


「っあ」

 バタン


 縄で巻かれてるからこけちゃった

 〜〜

「すみません。あなたですか?僕に話しかけてきたのは?」

「はてぇ?何のことかのぉ?」


 もしかしてこの人じゃないのか?まあただのおじいさんがそんなことできるわけ無いか。俺に話しかけてきたのは?じゃあ誰が?やはり罠だったのか?

 それとも話しかけてきた人も寝たフリを?


「いえ何でもないです。聞き間違いだったようです」

「そうかぁ。ワシも起きていたが、誰もお主に話しかけてるのを見ておらんかったのぉ。お主の聞き間違いじゃろうなぁ」


 まあその人の言う通りか?

 脳内に話しかけてくるレベルの人が捕まるわけ無いか。

 じゃあどうする?脱獄の術(すべ)を探すか?どうする?


 トコ、トコ


 誰か来たようだ。

 ここは寝たフリだな。誘拐犯がどっか行くまで寝たフリだな。

 どうやって脱獄するか決めるとしよ...


 〜〜

 キーッン

 っは!寝たふりしていたはずだが...

 寝ちゃったのか?


「起きたか」


 初めて聞く声だが...

 どこかで聞いたような声だ


「それじゃあ協力してくれるのか?」

「何のことですか?」

「俺の名前は言えないが、ついさっきお前が話しかけた老人じゃよ」

「あ〜ぁ。あの?!でも信じられないですよ!」


 あの声は俺の勘違いじゃなかったのか?

 つまりこのおじいさんが相当な実力者っていうのか?

 たしかにその可能性もありそうだが...


『ワシは』

「っわ!」

『そう驚くでない。ワシはお前の前にいる老人じゃよ』

「これで信じてもらえるかのぅ?」

「ま、まあこれなら... で、でもそれじゃあなんでさっき『そんなこと知らない』って言ってたんですか?」

「それはヤツ(誘拐犯)が聞いてたからじゃ」


 なんだかこの人からはレジテンス先生と似たものを感じる。


「じゃあ今は聞いてないんですか?」

「そうだ。まあそれはおいておけ。もし生きてここを出られたら説明してやる。そんなことよりやるんじゃろ?脱(・)獄(・)」


 ゴ、ゴクリ


「説明する時間はない。お前、音を消す魔法(サイレント)は使えるかの?」

「ええ、魔術ですがまあ一応」

「そうなのか。すごいのぉ。じゃあその前にお主の縄をほどいてやろう」

「.............」


 おぉ〜

 何か詠唱してるな。魔力を感じる。

 しかも無詠唱で。やっぱりこの爺さん相当な実力者なのか?


 ブチッッ!


 やっぱりこの爺さんすごいや

 そう再確認した瞬間出会った。出会ってまだ早いがな。

 てか待て、、、なんで魔法使え──


 〜〜

「なるほど。作戦は理解しました(わかりました)」

「それじゃあ実行に移すぞ。できるだけ詠唱無しがいいのぉ」

「わかりました。数分しか持ちませんがいいですか?」

「もちろん」


 指定の地帯。その領域内の揺動(ようどう)を抹消するがよい。

 −サイレント

(地面を破壊する魔術)

 −ヴィン


 これで穴を掘れた。そして舞い上がった塵を...

 集め、削り固めよ。

 −フォルムング


 この作戦を改めて整理しよう。

 ステップ1

 看守(誘拐犯)が居ない隙に俺を起こす。ここはもう終わってる


 ステップ2

 俺に説明をして、何を使えるか理解し、作戦を実行する


 ステップ3

 俺にサイレントを使ってもらい、その間に地面に穴を掘る。そしてサイレントにその音を消してもらう。もし俺がサイレントを使えなかった場合、どうしていたのだろうか?


 ステップ4

 俺になんとか穴の上の部分だけを埋めてもらう。

 この場合フォルムングで埋めたな。落ちてこないか心配だ


 ステップ5

 これが今実行中のものだ。朝になると看守が確認に来る。

 ので看守が来るまで看守の背後を取れるよう、穴を掘る。

 他の誘拐された子は連れてきちゃダメなのかと思ったが、他の子は隠蔽技術が低く、すぐにバレるらしい。おそらくこの爺さん、俺が居なくても脱獄できる策はあったんだろうな。もちろん後でみんな助けるよ?だから少しの辛抱だ。その間に死なないことを祈る


「魔力隠蔽に集中するがよい。少し精度が落ちておる」

「あ、はい。すみません」

「謝る必要など無い。行動あるのみじゃ」


 と怒られてしまったので、さすがに集中しよう。

 コレでバレて作戦失敗しないか不安でならない。

 集中するんだ。無駄なもの(思考)は捨て、コレにだけ集中するんだ。

 生きるために...


 〜〜

「...!」


 『足音が聞こえるじゃろ?おそらく看守じゃ。やるぞ』


 ステップ6

 アフラが攻撃魔術の魔力隠蔽に回り、ヴィンは奇襲に走る。


「...」


 集中するんだ。

 おじいさんは詠唱してる。看守に感づかせるな。

 俺はただ、魔力隠蔽するだけでいい。


「イグニス」


 ヴィン(おじいさん)の魔術(イグニス)が、看守に直撃する。

 それに直撃した看守は...


「行くぞアフラ!」

「は、はい!」


  集め、削り固めよ。

「フォルムング」


 ステップ7

 アフラは鍵を作り、誘拐された人たちを解放する。

 そしてヴィン(おじいさん)は、縄を破壊する。


 〜〜

「ありがとう!感謝する!」

「やったあああ!」


「これで全員ですかね?」

「そうじゃ。全員の縄を破壊するのはなかなか骨の折れる作業やったのぉ」

「中には冒険者も居ます。どうします?」

「どうすると言っても、協力してもらう(利用する)しか、無いじゃろう?」


 ステップ8

 ここに囚われてる誘拐された人を全(・)員(・)、解放する

 解放する方法は...


「ここからは、アドリブじゃぞ」

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