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初めの街

 エルステは想像以上に賑わっていた。

 主要都市と近いのもあって、経由地としてかなり人気な街らしい。

 冒険者が多いので、もしかしたら父さんの場所を聞けるかもしれないな。

 今日はとにかくこの街の探索、目標、聞き込みをしよう


 〜〜

 色々探索してみたが、思ったより冒険者向けの街だった。

 住民よりも冒険者の方が多いくらいだ。

 宿屋も多く、ギルドは冒険者の酒場になっていた。


 ーーー

「おいおいガキがなんでこんなところにいるんだ?迷子の子供か?ママにギルドには行くなって言われなかったのか?ガキはとっとと帰った方が自分のためだぜ?」

「ガキは帰ってママのミルクでも飲んでるんだな!」

 ーーー


 って言われてしまった。

 宿屋の受付にも子供扱いされた。やっぱり嘘だったのだろうか。

 あいつらはママにミルクも教育も もらえなかったのだろうか?

 今日はもう食事を取らずに、明日ギルドでお金稼ぎに行こうと思う。


 今日使ったお金は、

 宿屋に炭貨6枚

 子供だと思われると不便だから黒ずくめのフードに炭貨4枚

 残りのお金は銀貨3枚、銅貨1枚、白金貨9枚、鉄貨9枚


 〜〜〜〜

「それじゃあな!笑わせてくれて感謝するぜ!」

「じゃあ割引してくれるんですか?」

「そうだな!特別に炭貨1枚多く払える権利を渡してやるよ」

「はは。遠慮しておきます」


 割引はしてくれなかったか。

 それじゃあフードを被ってギルドに行くとしよう。


 〜〜

「すみません。初級の依頼はありますか?」

「希望の依頼金はいくら?」

「炭貨3枚以上の依頼はありますか?」

「初級なら、宿屋の手伝い、服屋の手伝い、ギルドの雑用、迷子の子供探しがあるよ〜」


 店員系は時間がかかるから、この中じゃ迷子の子供探しが楽そうだ。


「じゃあ迷子の子供探しでお願いします」

「わかった。これがその子の写真ね。じゃあはい。腕出して...はい終わりました。これ消さないでね〜」

「わかりました」


 〜〜

 さっきの店員適当だったなあ。

 まるで上司のようだ


 それじゃあ本格的に迷子の子供探しに行こう。

 まずは人目のないようなところを探しに行くか。それと聞き込みをするか。

 家出した可能性も考えて、宿屋とかも回ろうか。


 〜〜

「すみません、この子を見ませんでしたか?」

「冒険者だし知らないわよ」


 〜〜

「すみません、こんな感じの子がここに泊まっていませんか?」

「覚えてるわけねえだろ」

「それじゃあこういう子を見かけたら教えてくれないでしょうか?」

「まあそれならいいぜ」

「ありがとうございます」


 〜〜〜〜

 どこだ!どこだ!ど〜こ〜だ〜!

 エルステは小さいから意外とすぐ見つかると思ったが、全く見つからない!

 もう街の外に出てしまったんじゃないか?

 全部の宿屋を回ったのに見つからない...

 聞き込みでもめぼしい情報はなし。

 今度はギルドの冒険者に聞いてみるか...


 〜〜〜

「このような子供を探してるんですが、見かけたりしませんでしたか?」


 に対するま(・)と(・)も(・)な(・)アンサーがこれだ

 A:知っててもお前に教えるかよ。金出せ金

  そういえば昨日、ギルドに入ってくる5,6歳のガキは見たぜ

  俺にはわかんねえが、ここらで腕の立つ情報屋がいるとこは知ってるぜ。

  そんな事はいい〜からよ〜酒飲もうぜ〜酒酒〜


 おそらく2番目は俺のことを言っているんだろう

 ここまで見つからないなら、誘拐の可能性も考えるべきだな

 今度は人目がないようなところを探すとしよう


 〜〜

 いな〜い!もう諦めて他の依頼を受けに行こうかな?

 もうそろそろ2日目に突入してしまう。

 この街はもう見尽くした。もうこのこの街外に出たか?

 人探しの魔術でもあればな〜


「あんた、人探しをしてるんだって?」

「誰ですか?」


 驚くほど気配が薄い。

 まるでノクスみたいだ。


「まさか知らないのか。結構有名なはずなんだがな。ここらへんで腕の立つ情報屋を聞いたことがあるならそれは俺だ」


 あの冒険者が言っていたやつ(情報屋)か〜


「そうなんですね。それで何の用でしょうか?」

「察しが悪いなあ。お前が血眼になってガキを探してるのを知って、お前に話しかけた情報屋。これでわからないものなのか」


 おそらくお金を渡して依頼しろ、そう言ってるのだろう

 どうする?この請け負った依頼の代金は炭貨数枚

 本では情報屋の依頼は最低でも炭貨2以上、損する可能性がある。

 ただそんなこと言ってる場合か?子供が誘拐されてるかもしれないんだぞ...


「わかりました。お願いします」

「あいよ。それじゃあ先払い料金で炭貨1枚ね」

「わかりました。これでいいですか?」


 こういう場合、財布の中身を見せるとどれだけお金を持っているかバレるので、相手に見られないようにお金を出す技術は必須だぞ!って何を言っているんだ俺は


「おうよ。それじゃあほらこれ。それじゃあまた1週間後にな」

「ちょっと一週間もかかるん──」


 そう言い終える前に情報屋は行ってしまった。

 これでいいのだろうか。仕方ない。この依頼は無視して次の依頼か街に行くか

 なんだか複雑...

 とりあえず損の分を埋めるために依頼の回数をこなすとしよう


 〜〜

「炭貨(たんか)1枚でもいいので早くこなせる依頼はありますか?」

「それなら落とし物探しだ。報酬は1回で炭貨(たんか)1枚だけだがな」


 めちゃくちゃ安いな...

 ただ


「それじゃあそれでお願いします」

「落とし物が6個あるんだが、どうする?」

「全部受けることって出来ますか?」

「できるぜ」

「それじゃあお願いします」


 〜〜

 落とし物1つ目:魔物のツバサ

 持ち主:青髪の女性

 依頼主曰く路地裏とかで落としたかも。だそうだ。

 路地裏は誘拐される可能性があるから怖いんだよな...


「まあ仕方ないか...」

 〜〜

 トコットコ


 2回目だが、怖ええ。

 もし誘拐されたらふたたまりもないよ

 ササッと見つけよ。


 〜〜

 さっき路地裏には魔物のツバサのようなものはなかった。

 ということで次の場所についた。もう夜だ。

 今日中に終わらせられなかったらどうしようか。

 その時は次の街に行こう、そう思っていたのだが...


「力の領域を特定せよ。ヴィシオ」


 ゴトンッ

 鈍い音が、路地裏に響き渡る。


「こいつはいい金になるぜ」

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