分かれ道
投稿が遅れた理由はブラウザメモでメモしてた作品情報全て吹き飛んだ⭐︎のとちょっと旅行に行きました(4日くらいサボったかな)
「よし、行くか!」
そう意気込んだのはいいものの、どうしようか?
冒険者になるため、家を出たアフラ、しかし、早くも困り果てていた。
仕方ない。こういう時は...母さんがくれたメモ〜
ここに生活のコツが書いてある。もしもの時に母さんから貰ったんだ。
何やらこの世界は誘拐が多くて、子供に生活のコツを教える。
それか、コツが書いてあるメモを渡すのは意外と普通なんだそうだ。
えーと、じゃあまずは...
魔物に襲われずに寝る方法、魔物からの逃げ方、お金の稼ぎ方...
これだ!お金の稼ぎ方についての本は学校の図書館にはなかった。
なぜなんだろうか?そういうもんなのか?
基本的なお金の稼ぎ方:
1.魔物を倒して素材を売る
2.ギルドからの依頼を受ける
3.倒した相手の持ち物を売る
4.自分が持っているものを売る
5.お金を賭ける
3番と5番が基本的なお金の稼ぎ方...?
3番はやってることがまるで山賊じゃねえか...
5番なんてお金を稼ぐどころじゃないだろ...
まあそれは個人の好みということだろう。俺は1、2、4で真っ当にお金を稼ぐとしよう。
それより荷物入れがかなり重いな...
こういう時は...
-淀みなく、滑らかな円環
「不変の重量よ。周囲の領域を相互に、同等に歪ませよ。ゼロ•グラヴィティ」
これでよしっと。
これが何かって?これは対象を無重力にする中級Ⅳの魔術だ
つまりこれで荷物が軽くなるってことだ。これは基本的な魔術だが、中級に位置するかなり難しい魔術だ
そんなこと言ってたら街の出入り口に着いた。このまま街を出ていいものなのだろうか?ここから1番近いギルドはエルステという場所にある。ここから歩いて半日もあれば着く距離だ。ひとまずはここを目指すとしよう。
早速街から出ようとしたのだが...
「ちょっと待って。君、こんなところで何やってるの?」
職質されてしまった。
逮捕されたりしないよな??
「ん?えーとこれから街を出てエルステという村に行こうとしていたところです」
「1人で?君 何歳?目的は?」
「5歳で1人です。目的はさっき言った通りエルステという街に行くためです」
「5歳で!?学校は?それとエルステへ行って何をするの?ここを出る目的は?」
「学校は退学になりました。エルステへ行く理由はお金を稼ぐためです。ここを出る目的は冒険者になるためです。退学になった子は5歳までに街を出ないと冒険者になれないと聞いたので」
「あぁ。なるほどね... もう通っていいよ...」
「ありがとうございます」
なんだ?なぜそんな反応をするんだ?
何かおかしいのだろうか?いや、5歳で冒険者を選ぶ人が少ないのかもしれないな。
それか母さんが嘘をついていて...
「んなわけないか」
もしそうだとしても何かあるんだろう。
母さんは確かに俺に愛情を注いでいたと思うから
トコトコ
まあそんなことはいい。
今は目の前のものに集中しなくちゃな。せっかくの冒険なんだから。
ここは... 分かれ道か。
3本に分かれた道がある。
右に続いている道は港へ
左に続いている道はずっと進めば主要都市、ベルジーアへ
そして中央の道はエルステへ
トコトコ
その標識を見た瞬間、俺は中央への道へ歩き出していた。
しかしその選択も少し後悔しつつある。なぜなら中央だけ異様に静かだからだ
〜1時間後〜
いや〜 かなり歩いて景色もやっと変わってきた。
目の前には俺を歓迎してくれる薄暗くて、どこか光っているようにも見える森
地図の上ではふつうの森って書いてあったのに!もしかしてこれがこの世界の普通の森なのか..?
そうは思いつつも、アフラは足を止めることはなかった。
「おいおい貴族さんや。一緒に遊ぼうや」
背後から気配がすると思ったらただのチンピラか?
ナンパされるのはこれで初めてだ。それに貴族ってなんのことだ?
「いえ、遠慮しておきます。急いでいるので」
「まあ待てよ。金が欲しいんだ。殺されたくなければ身ぐるみ置いてけ!」
「嫌だ」
(即答かよ)
「じゃあしゃーねーな。どうやら痛い目に遭いたいようだな。今なら金を全部置いていくだけで許してやるがどうする?」
まるで絵に描いたようなカツアゲだな。
こういうのは...
「お金、渡すので待ってくれますか?」
「おう。聞き分けのいい子は嫌いじゃないぜ?」
ダッダッダ
逃げるが勝ちだ!と俺の辞書にも、本にもそう書いてあった
「聞き分けの悪い子は嫌いだ」
できればこれで振り切りたかったが...
まあ仕方ないか
(こいつ、ガキのくせに早いな...)
どんどん距離を詰められてる。こいつを単純な走りで振り切るのは難しそうだ。
こうなったら、森へ逃げるか、戦うか...
「これはお前が選んだことなんだからな。恨むなよ?」
「カツアゲするならもっと人を選んだほうがいいですよ」
(こいつ、森で振り切る気か!)
チンピラの死角に入った瞬間、アフラは魔術を発動
-光を抹消し、その存在を遮断せよ。
「クジフィチャ」
クジフィチャの欠点、それは発動した瞬間の硬直にある。
発動場所さえわかればそこら一帯を攻撃すれば当てられるってわけだ。
つまり相手に見られない場所、暗い場所で発動するといいらしい。
(無詠唱での発動。こいつなかなか)
「やるじゃねえか」
体に書いてる魔陣はあいにく右手にゼロ•グラヴィティ、左手にパルヴァ•ルーメン、胸にエクセル•ティオ。この状況で使えるのは左手の魔陣だけだろう。
ボワッ
パルヴァ•ルーメンは魔力を与えれば与えるほど威力とサイズが比例する。先生は一定のサイズになるように教えてくれた。それはおそらく、制御を失うことを懸念しての行動だろう
(こいつ、この年齢でこのレベルの魔術を...)
防御魔法で防がれたか。
やっぱり一筋縄じゃいかないか。
このままなら泥試合になりそうだ。
...逃げよ
〜〜
「案外簡単だったな」
こんな簡単に逃げ切れるとは思わなかった。
透明化してたとはいえ、わかる人はわかるらしい。透明化も万能じゃないということか。視界の悪い森ということもあるだろう。それより... ここどこだ?元いた場所に戻りたいんだが、どこかわからない...
「グォー」
耳鳴り。何か、おぞましいものが今、俺の背後に立っている。そんな気がした
それは低い声で、威圧的に、俺に呼びかけていた。
「魔物だ」
-温め逃げ、補い循環せよ。ゲイル・ブラスト
ゲイルブラストで魔物と距離を取る。
間一髪で魔物の攻撃を避けた、そう思っていたのだが...
「痛え...」
魔物の攻撃に当たったのか。右耳が削がれた。ただ致命傷じゃない。まだ逃げる力は残ってる。大丈夫だ。こんなところに強い魔物はない。これもすぐ治るだろう。大丈夫だ。痛くない痛くない
振り向くと、その魔物は絵本で見たこともない姿をしていた。
絵本でずっと学んできたはずなのに、知っていたはずなのに
その魔物は、持っていた。チンピラの姿をした、生首を
それを見た瞬間、俺が感じ取ったのは
言葉にできないほどの『恐怖』
「う゛あ゛あ゛あ゛あ」
「ク゛オ゛オ゛オ゛オ」
「パルヴァ・ルーメン! パルヴァ・ルーメンっ!」
魔物が腕を大きく振り上げる。
それはまるで、鎌を振り上げているようだった
なんで... いやだ、いやだいやだいやだ!
死にたくな...
ーー
ここは?俺は、死んだのか
ここ、前にもきたことがある気がする。そうだ。夢で出てきたところだ。
もう、全てが台無しだ。せっかく神様が転生のチャンスをくれたのに。
...まあ数年だけでも楽しい思いができたのなら
ーー
「いやだいやだいやだ!」
「大丈夫か?」
「こんなところで死ぬだなんて...どうして...」
「少し待て。いいか?お前は死んでない」
「...え?そうなんですか?じゃあここは?」
「ここはついさっきまでお前がいた場所、セリーンシルフだ」
じゃあさっき俺がいた場所は?この人は?
夢だったのか?
「...じゃあさっきの化け物は?」
「倒した」
それよりも、耳が痛い...
「-豊かな木々よ、我が細胞にせせらぎを。ハイルング」
「回復魔術を使えるんだな」
「はい。応急措置程度ですがね」
「俺は回復魔法を使えないが、使える者のいる場所は知っているぞ」
「そこまで連れて行ってもらうことって...」
「もちろんできるぞ。ついてくるといい」
「ありがとうございます!」
てか流したけどさっきの魔物を倒した!?
あの魔物が弱いのか、この人が強いのか?
「そういえば、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「イルネスだ。お前は?」
「アフラです。改めて、助けていただきありがとうございました」
「アフラか。よろしくな」
そういえばこの人、悪魔でも天使でもない見た目をしている。
今まで見た中では1番人間に近い容姿をしている。なんだか親近感が湧いてくる
〜〜
イルネスは長年、この村を戦士として支えてきた。これまで各地を旅してきたが、さっきの魔物は見たことがないそうだ。この森はどうやら1週間前、突然森が侵食され、死の森へ変貌したそうだ
死の森とは、魔力に侵された森のことだ。しかしそれは本来、長年とんでもない魔力にさらされない限り、起こり得ないことだ。突然なるようなモノじゃ...
「アフラ、お前は何歳だ?ずいぶん小さく見えるが」
「5歳です」
「5歳...!その年でどうしてここにいるんだ?その体力、魔力量、5歳とは思えない」
「足腰には自信があるんですよ。学校を退学になると冒険者になるには5歳に家を出ないといけないって言われたんです」
「...そうなのか?そんなルール聞いたことないな」
...母さんが俺を捨てるために?
いや...そんなはずない。
でも、じゃあなぜ−−
「まあ..そう悲観することはないぞ。きっとお前の母さんはお前を思っての行動だろう...」
「...ありがとうございます」
「そ、そんなことよりもうすぐ村に着くぞ」
そういえば村ってどこの村だろう?
まあ普通に考えてエルステか?それ以外ないか
「そうなんですね。それにしては周りに何も見えないような。それは一体どこに...」
ゴトッ
「痛て」
何もないところでぶつかったと思えば、これは...結界か?
「何者だ?」
「俺の名はイルネス!採鉱族だ」




