覚悟
一応言っておきますが最初の視点はノクスです。
アフラは努力家だ。
私は知っている。アフラが毎朝特訓をしていることを。私達がまだ起きてないような朝早くに。
特訓が終わると何事もなかったかのようにアフラは部屋に戻って眠りにつく。
アフラが特訓しているのを知ったのは2週間と2日前。
その日は珍しくヴィゲのいびきで起きた。
もう一度眠りにつこうとしたけど眠れなくて、外の空気を吸いにいった。
外の空気を吸うとなぜだか落ち着いて、安心する。
外で、私は見た、アフラが走る姿、魔術をたくさん使う姿、小さな紙切れを開き、魔術を発動しては失敗の繰り返し。
それを毎日続けている。なぜ続けるのか、なんのためなのか、私にはわからない。
今日は雨の日だ。こんな日でもアフラは特訓してるのかな?
流石にね。
〜〜
「えーそれでは授業を始めたいと思います。誰か休んでる人はいますか〜?」
「「…」」
「せんせー!そんな人いません!!」
「ヴィゲ君報告ありがとう。それじゃあ始めますね」
「は〜い!」
「え〜と、まずは魔法と魔術の使うために大事なことは…」
〜〜
今日は魔法と魔術を使うために大事なことと、回復効果のある魔法と魔術を勉強した。
まあそうは言っても魔術を使う子なんていなかったけど。
魔法と魔術を使うために大事なことは聞いていなかった。
窓の外で大きな人がじっと教室を見ていた。
先生じゃない。生徒でもない。授業中じゃないのかな?
そんなことを考えてたら先生に注意された
「いやー!それにしてもノクスはすげえよな!回復魔法を成功させるんだから!」
「そうよ!すごいでしょ!これが私達の妹よ!あとでアフラにも伝えましょう!」
「え?別にいいけど…」
「へいへいへい!そこの可愛い子とかっこいい子。もしかしてあんたらアフラの友達かい?」
「かっこいいなんてわかってるじゃねえか!お前いいやつだな!」
「そうね!見る目あるじゃない!」
「誰?なんでアフラを知っているの?アフラの何?」
この人は授業中こっちを見てきた人だ。
なんだかこの人からは寒気がする。
「まあまあそう睨まないでくれよ。実はな、俺はアフラの友達でアフラから君たちに魔術を教えてくれないか?って言われてきてるんだよ。ね?だから魔法教室とかでノクスちゃん、エリザちゃん、ヴィゲ君に教えてって」
「なるほど!アフラからか!」
「アフラったらこんな粋なことするのね!」
「アフラの友達…?」
アフラはそんなこと言ってなかったはず。
じゃあこいつは一体誰?
「だからついてきてくれよ。な?」
「嫌だ。怪しすぎる」
「まあまあ、そこにはアフラがすでにいるからさ。俺は君たちを連れてきてくれないか?って頼まれたんだよ。アフラは朝練してるだろ?な?これで信じてくれたか?」
「朝練?そんなことアフラはしてるのか?」
「さあ?見たことないわね。ノクスは知ってる?これ本当?」
「本当だよ。アフラは朝練してるよ」
「でもなんでそれを知っているのかしら?」
「ほら?アフラはあのメモを開いていただろ?あれ実は俺が書いたんだよ〜これで信じてくれたか?さ!行こう!」
ヴィゲとエリザだけじゃ不安。
それに、ここには先生がいるから危ない時は先生を呼ぼう
「それじゃあ魔法教室に行こうね」
〜〜
「ここがエリザ達が行った魔法教室か!」
「そうだよ〜それじゃあ入ろうか。中にはアフラ君もいるよ」
「それじゃあ入りましょう!」
ガラガラガラ
「さあノクスちゃんも入って入って」
「ここ暗いよ」
「奥にアフラがいるからさ、入った入った」
「で、でも…」
「大丈夫大丈夫。先生が周りにいるでしょ?ね?」
「わ、わかった」
バタン
カチャ
鍵が、閉まった…?
「さて、お前らはもう用済みだ。大人しくしてろ」
「なんのことだ?」
「聞こえなかったか?お前らは用済みだから黙って俺にやられとけって言ったんだよ!」
「ちょ、ちょっと何言ってるのよ!なんのために私たちを殺すつもり!?」
「安心しろ。俺が興味のあるのはアフラだけだ。お前らはどうでもいい。ただ、あいつはダメだ。あいつは俺が半殺しにする」
「な、何言ってるの!そんなことしたら退学に…」
「何言ってるんだ!アフラを半殺しにする!?そんなの俺がさせねえ!」
「お前らが抵抗しなけりゃサッと気絶させてやるよ!!」
「逃げるよ!!ヴィゲ!こんなに体がデカかったら私たちに勝ち目はない!」
「無駄だ。もうすでに鍵を閉めてある。逃げたきゃ俺の腰にかけてある鍵を奪うことだな!」
「やってやろうじゃねえか!」
そう言い終えるや否やヴィゲは鍵に飛びついた。
しかし、それをさせないほどの体格の差が両者にはあった。
マレは飛びついてくるヴィゲを片手で鷲掴みにした。
「今のうちだ!鍵を取れ!」
「言われないでも!」
どうしよう、私は何をしたら?ヴィゲが掴まれてる。エリザは鍵を取りに走ってる。
じゃあ私は何ができる?力もヴィゲやエリザほどない。じゃあ何を…?
「無駄だ!」
「っう…」
マレは空いている左手を伸ばした。
エリザは必死に避けようとした。
しかし、その手は一瞬でエリザの頭を掴んだ。
ヴィゲとエリザは必死に抵抗してるけど無理だ。あんな体格差があったら…
私にできることは…
「っあ…」
「っう…」
エリザとヴィゲが抵抗をやめた。
気絶した?違うね。どっちにしろ私は私の役目を果たすだけ。
「さて、残りは君だけだよ。抵抗しなければ楽に倒してあげるよ。ノクスちゃ〜ん」
「嘘だ」
「まあ抵抗してもいいよ。倒すだけだから、っな!」
そう言って、マレは振り返る。
だが、そこにはノクスの気配はなかった。
(どういうことだ?みつからねぇ。どこにいる?部屋が暗いから見つけられねぇのか?それなら…)
「灯火をともすまでだ!」
「させねえ」
「「我が魔力を糧に精霊よ、腕に灯火を!!パルヴム・フランマ!」」
ボワっ
(拳に炎を纏わせた!?ッチ)
「とことん俺の計画を邪魔してくれるな。ガキ風情が!」
ヴィゲとエリザは手に炎を纏わせ、マレに殴りかかった。
しかし、それは嘘であり、本命は
ガシャン
「っな!?」
「「ほらっよ!」」
鍵を奪われてマレが動揺している隙にエリザとヴィゲは拳を振り上げる。
拳はマレの顔を捉えた。
ドゴッ
その拳は確かにマレに届いた。
しかし、マレはその攻撃に対して一歩も動かなかった。
ただ顔で2人の拳を受け止めた。
(こいつ、どんだけかてぇんだ。まるで岩を殴ったような感触だったぜ)
「さあ!行くわよ!」
「うん!」
「ヴィゲはすごいな!あいつから鍵を奪うなんて」
3人は扉へと全力で走った。全力で。だから気づかなかった。
その鍵を鍵穴へ差し込んだ。
「開か…ない…?ヴィゲ、エリザ!これは偽…」
もうとっくにヴィゲとエリザは限界を超えていた。
バタン
「はは、ははははは!」
ノクス達が嘘で相手を騙したように、相手もまた、嘘で相手を騙していた。
「そうそうその顔!その顔が見たかったんだ!ふへへ。ふははは!絶望で歪む、その顔を!それはな、魔法で閉めたんだ!内側からだけ開けられないようにな!」
ど、どうしよう…?もう戦うしか…
でも、私にそんな力…
「赤き水よ、我から少しとばかり拝借せよ。ゴア」
そう詠唱すると、ヤツの目の前に血の球が3つ召喚された。
これは先生が言っていた召喚魔法…?
バシャ
やつは血の球をヴィゲとエリザに向かって投げ、当たった瞬間血の球が形を変えた。
何のために?いや、今はそんなことどうでもいい。
「ほら、っよ!」
血の球をこっちにも投げてきた
(そして、それが球体を維持できなくなり、血が目に入らないように目を閉じた瞬間に!)
「っう…あ…離…せ……」
(距離を詰める!)
「離すわけねーだろ。お前は俺を馬鹿にしたんだからな!自業自得ってやつだぜ」
ああ、もう力が入らない。ごめん、アフラ。
「逃げ…て…」
ガラガラ
-アフラ視点
「よう、遅かったな」
血だらけのヴィゲ
壁にもたれかかりながら倒れたエリザ
ノクスの震える手。
「お前がやったのか?」
「もし、そうだと言ったら?」
そうか、こいつが、こいつだけは
「安心しろ。絶対に赦さない」
淀みなく、滑らかな円環
「そうか、じゃあやっ──」
「微かなる灯火よ我が力に応え、奪い尽くすがよい、パルヴァ・ルーメン」
ちなみに今回は1日しかサボってません!
本当は昨日に投稿する予定でしたが投稿ボタンを押し忘れました!




