表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捨て置かれた第二王子を助けたら王太子が婚約者になりました  作者: とぅーのすけ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/75

セラフィーヌ王女とアイシア

「おはようございます。ジョゼット侯爵令嬢様。」


朝食を頂いた後、すぐに来客があり、アイシアの部屋へセラフィーヌ王女殿下が来られた。

「おはようございます、セラフィーヌ王女殿下。」

「朝早くから申し訳ございません。少しお話がしたくて…。」

「いえ、大丈夫です。私も王女殿下とお話したかったので…。」


アイシアがニッコリと笑うと、ホッとしたように、セラフィーヌ王女は口元を緩めた。


向かい合ってソファーに座ると、アンがお茶を入れてくれる。

「甘い香りがしますね、このお茶…。」

珍しそうに香りを楽しむセラフィーヌ王女は、どこか幼げに見える。

「はい。私が好きで、隣国から取り寄せました。果物などから作られるお茶が沢山あって、楽しいのです。

今朝のお茶は桃のお茶です。甘くて美味しいので飲んでみてください。」

先に口を付けたアイシアを見つめた後、セラフィーヌが口にする。

「!!美味しい!こんなの初めて飲んだわ…。」

微笑む表情がとても愛らしい。

アイシアは微笑まし気に見つめると、セラフィーヌに話を促す。

「お話は、王妃殿下の治療の事ですよね。」

それを聞くと、セラフィーヌは申し訳なさげに、眉を下げた。

「…はい…。昨日、倒れられたと聞いたのに…こんなこと、お願いするのは非常識だとはわかっているのですが…。」

「いえ、大切なお母さま、そして国民のために行動できる、セラフィーヌ王女殿下は素晴しい方です。私も一日も早く治療して差し上げたいと思っております。」


その言葉を聞くと少し泣きそうに唇を震わすと、キュッと噛み締めた。

「…あ、ありがとうございます…。本当はずっと…不安だったのです。もしかして二度とお母さまに会えないのではないかと…ガルシア帝国が…民がどんどん病に倒れていき…怖くて仕方なかったのです…。でも、ジョゼット侯爵令嬢様が、私に希望を与えてくれました。ありがとうございます…。」


「どうぞ、アイシアとお呼びください。ヴァンシル殿下の了解を得次第、ガルシア帝国に向かうつもりです。ですが一つ確認したいことがあります。」

「はい。なんなりと…。」

「では、お聞きしますが、ガルシア帝国には、ソレンタールという花は咲いておりますか?」

「ソレンタール…、ええ。我が国の南西部にだけ咲く菫色の花です。」

「やっぱり…!ではその花を調べさせていただけないでしょうか?」

身を乗り出したアイシアに何度も小さく頷くと、もちろんですと答える。


「ですが…ソレンタールは、以前流行ったウイルスに効果があったため、ソレンタールから作られた薬をたくさん常備していたのですが、今回のものには全く効かなかったのです…。」

残念そうに答えたセラフィーヌの返事に、驚くほど喜色のこもった声が返ってきた。


「まあ!ソレンタールの花から作られた薬があるのですか?」

アイシアはひと際嬉しそうに両手を握りしめた。

「…?はい、でも効かなかったのですよ…?」

「ええ、大丈夫です。アン、ヴァンシル殿下とルーファス様に出来るだけ早く時間を作って頂けるように聞いてくれない?大きな希望が見えたわ。」

「かしこまりました。」

驚くこともなく速やかに行動するアンの背中を見送り、

ニッコリと笑うアイシアの笑顔を、見惚れるようにセラフィーヌはぼんやりと見つめた。


「みんな揃ったら説明します。きっと…きっと大丈夫です。セラフィーヌ王女殿下。ガルシア帝国も、このフェイレイ王国も、毒なんかに負けないわ。」

きっぱりと言い切るアイシアの瞳はエメラルドの宝石のように美しく輝き、力に充ち溢れているように見える。

なんて…なんて強く美しい瞳なの…。

きっと大丈夫なんだと信じさせる力がある。


「はい…!はい!!ありがとうございます、アイシア様。」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ