↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捨て置かれた第二王子を助けたら王太子が婚約者になりました  作者: とぅーのすけ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/75

希望と真実

「…完治…したのか…??」


ジークフリートが唖然としたまま、呟く。

エリオットが戸惑いもなく頷くと、セラフィーヌ王女が立ち上がった。


「あの…!!その方を治療したのは、その令嬢なのでしょうか…?」

縋るようなその瞳に、ヴァンシルは少し笑顔を見せた。


「そのようだ…。」


崩れるように、セラフィーヌ王女がその場に座り込む。

ヴァンシルが王女の前に膝をついて、顔を覗き込み、涙目のセラフィーヌ王女の瞳と目を合わせる。

「彼女が目を覚ましたら会いに行こう。もしかしたら、君の母上の病気も治せるかもしれない。」

「…はい…っ!!」

希望を見出したように笑顔を見せるセラフィーヌ王女に笑って頷く。


「…兄上…、それは、シアに治療をさせるという事ですよね。

それは、シアを病が蔓延するガルシア帝国へ遣わせるという事ですか?」


ずっと黙っていたルーファスの言葉に、ヴァンシルがゆっくり振り向いた。

ヴァンシルをまっすぐに見つめるルーファスの目は冷たかった。


「ああ…。彼女しか出来ないのなら、そうするしかない。我が国はガルシア帝国と協定を結んでいる。

助力を求められたら答える義務がある。それに、これは他国の出来事ではない。我が国にも起こりうることだ。」


「…。あなたは、あくまでもこの国の王子なんですね。…わかりました…。」


その瞳からフイと目をそらすと、そのまま部屋を出ていく。

「ルーファス!!」

ヴァンシルの声が聞こえるが部屋を出ると、外にいる騎士にアイシアの場所を確認する。

廊下を急ぎ進みながら、心の中でアイシアの事だけを考える。


この国の事など、どうだっていい。

母の国がどうなろうと、どうでもいい。

シアだけだ。

シアを守るために強くなった。

今までも、これからもずっと、僕にはそれだけだ…。

その瞳には決意を秘めた強い瞳を湛えていた。



温かい…

優しい魔力…

力が回復してるわ…


右手に感じる温かさにゆっくりと目を覚ますと、心配そうに自分を見つめる深い紫の瞳が揺れていた。


「シア…。」

目を覚ましたアイシアにホッと目を細めると、良かった…と小さく息を吐いた。

「ルーファス様…魔力を分けて下さったのですね…。ありがとう…ございます…。」

アイシアの言葉に優しい笑顔で笑うと、テーブルから水をとり、アイシアに差し出す。

「起き上がれるか?」

背中に手を回して支えると、アイシアは身を任せてルーファスにもたれたまま、水を口に含んだ。

冷たくて美味しい…。

これほど魔力を一気に使ったのは初めてだわ。

魔力枯渇が危険だとはきいていたけど、こんなにゴッソリ力が抜けるのね。

ルーファス様が魔力を分けてくれなかったら、きっとしばらく動けなかった。


「大丈夫か?もう少し魔力を流すから、少し横になって。」

アイシアは言われるがままに横になると、ルーファスから流れてくる魔力を静かに受け取った。


キラキラの魔力が流れると、通常より力の回復が早い。

やっぱり、ルーファス様の魔力は特別だわ。


しばらく魔力を受け取るとアイシアの顔色が戻った。

「ありがとうございます、ルーファス様。こんなに魔力を頂いて大丈夫ですか?」

「問題ないよ。僕の魔力量は人外だからね。それより、シア、無茶しすぎだよ。」

心配の混じった不機嫌な声でルーファスは怒った顔でアイシアを見つめている。

どれだけ心配をかけたのか…。

素直にアイシアは謝ると、真剣な顔をしてルーファスに向き直った。


「ルーファス様、わかったことがあります。

神父様の症状、普通の聖魔法が効かなかった理由。

これは病ではありません。」


「病ではない?」

「はい。負の闇魔法で覆われた…毒です。」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。