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明賢の物語(日本建国物語)正式版  作者: 大和草
第六章 覇権国のさらなる発展

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419話 3班体制

A班 科学実験と装置の起動


A班は「きぼうステーション」の一日の始まりを担当する班であり、科学実験と各設備のC班からの受け継ぎが任されている。


ステーション内で標準時に合わせて生活しているため、外では四十五分ごとに昼夜が入れ替わっていても、内部では照明が徐々に明るくなり、まるで地上の日の出のような「朝」が演出される。


淡い白色の照明が天井からゆっくりと点灯し、生活モジュール全体が静かに目を覚ます。


勤務開始時刻になると、A班の隊員たちは食堂前に集合し、まず夜勤を終えたC班から詳細な引き継ぎを受ける。


「生命維持装置、異常なし。」


「酸素濃度二一パーセントを維持。」


「放射線量、通常値。」


「実験モジュール、夜間観測データ保存完了。」


報告は数十分に及び、わずかな異常や数値の変化まで記録される。


引き継ぎが終わると、A班はそれぞれの担当区画へ散っていく。


科学モジュールの起動


最初に行われるのは、各実験設備の本格稼働である。


夜間も装置は停止していないが、朝になるとその日の実験計画に合わせて細かな調整が行われる。


担当する主な作業は、


結晶成長チャンバーの温度・圧力調整


真空材料実験装置の再校正


微小重力環境下での合金形成実験


医療実験用サンプルの採取


血液・筋肉・骨密度データの測定


植物実験区画の照明・湿度・二酸化炭素濃度調整


培養中の細胞や微生物の状態確認


各実験データの地上通信基地への送信準備


植物実験区では、自動制御だけでは判断できない葉の色や根の伸び具合などを研究員が直接観察する。


「光量を三パーセント上げよう。」


「湿度はこのままでいい。」


そんな細かな指示が飛び交い、植物は地球と変わらない環境で静かに育っていく。


医療班では宇宙飛行士自身が被験者となり、その日の体調確認も兼ねて採血や血圧測定が行われる。


採取されたデータは、日本本土の帝国大学医学部へ送信され、地上の研究者たちと共同で解析された。


朝食


約二時間ほどの作業を終えると、A班は交代で食堂へ向かう。


宇宙食といっても、味気ないチューブ食品ではない。


新たな食品技術を基に整備した宇宙食は、栄養価だけでなく「食べる楽しさ」まで重視されていた。


調理担当が温めた半解凍パックからは湯気が立ち上り、食堂には味噌や出汁の香りが漂う。


その日の献立は、


温かい味噌汁


七分粥


魚の煮物の真空パック


卵焼き


野菜の煮浸し


漬物


カフェインを控えた緑茶


あるいは、


鮭おにぎり


具沢山の豚汁


筑前煮


フルーツゼリー


という和食中心の献立になる日もあった。


宇宙では味覚が鈍くなるため、地上より少しだけ味付けを濃く調整している。


隊員たちは窓の外に広がる青い地球を眺めながら、静かな朝食の時間を楽しんでいた。


B班 船外活動(EVA)と設備点検


B班は、きぼうステーションでも最も体力を必要とする任務を担当する班である。


機械整備士、宇宙遊泳専門員、構造技術者などが中心となり、ステーション外部の保守点検を日常的に行う。


勤務開始後、最初に向かうのは宇宙服整備室である。


EVA前準備


船外活動は小さなミスが命取りになる。


そのため、出発前には数時間かけて入念な点検が実施される。


確認項目は、


宇宙服内部圧力試験


酸素タンク残量確認


二酸化炭素除去装置点検


冷却液循環ポンプ確認


通信装置試験


ヘルメットカメラ動作確認


推進ユニット点検


安全ワイヤー固定


工具バッグ固定


予備バッテリー装着


点検が終わると互いの宇宙服を確認し合う。


「酸素正常。」


「通信良好。」


「安全索固定確認。」


全員の声が確認されて初めて船外活動が許可される。


EVA開始


エアロックの空気がゆっくり抜かれ、外部ハッチが静かに開く。


漆黒の宇宙。


その向こうには青く輝く地球。


宇宙飛行士たちはゆっくりとステーション外壁へ移動していく。


その日の任務は、


外壁パネル交換


新型通信センサー設置


大型通信アンテナの増設


ソーラーパネル清掃


パネル駆動部への潤滑剤補充


微小隕石衝突痕の検査


姿勢制御スラスター点検


外部カメラ交換


巨大なロボットアームと連携しながら作業は数時間続く。


工具を落とさないよう慎重に固定し、一つ一つのボルトを締めていく。


静寂の宇宙では、自分の呼吸音だけがヘルメットの中に響いていた。


昼食


船外活動を終えた隊員はエアロックで減圧・再加圧を行い、宇宙服を脱ぐ。


大量の汗を拭き取り、健康チェックを受けた後で昼食となる。


昼食は活動量が多い班に合わせ、高カロリー・高タンパク質中心で構成される。


高タンパク栄養バー


具沢山スープ


ビーフカレー


ミートソースパスタ


鶏肉の照り焼き


サラダ


果物ゼリー


スポーツドリンク


十分な栄養補給を行った後は、身体を休めながら午後の点検や翌日のEVA準備を進める。


C班 天文観測と地球観測


C班は、ステーションでも最も静かな時間を担当する科学観測専門班である。


大型観測装置を長時間安定して運用するため、集中力の高い研究者が多く所属していた。


天文観測モジュール


夜間は宇宙望遠鏡の性能を最大限発揮できる時間帯でもある。


観測対象は、


星間雲


若い恒星


超新星爆発候補


銀河中心部


遠方銀河


惑星形成領域


宇宙背景放射


レーザー通信試験


望遠鏡から送られる映像は大型スクリーンへ映し出され、研究者たちは一つ一つ解析を進める。


「新しい変光星を確認。」


「スペクトル取得開始。」


静かな声が観測室に響いていた。


地球観測モジュール


一方、別の区画では地球の観測が続けられる。


気象データ収集


海流解析


雲の移動観測


森林火災監視


洪水監視


火山活動観測


地震前兆研究


都市夜景の電力使用解析


大型モニターには、ゆっくり回転する青い地球が映し出される。


雲が流れ、都市の灯りが輝き、日本列島が静かに夜を迎えていく様子がリアルタイムで観測されていた。


夜食


長時間勤務となるC班のために、身体への負担を抑えた軽めの夜食が用意されている。


献立は、


雑炊


春雨スープ


おにぎり


栄養ゼリー


温かいほうじ茶


胃に負担をかけないよう配慮されつつも、十分な栄養を確保できる内容となっていた。


静かな食堂では窓の外に地球を眺めながら食事をする者も多く、時折誰かが「あの光は東京だな」と呟くと、他の隊員は窓の外を見つめる。


こうしてA班・B班・C班は互いに連携しながら、きぼうステーションを一日二十四時間休むことなく稼働させ、人類初の本格的な宇宙都市としての機能を維持し続けていた。

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