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明賢の物語(日本建国物語)正式版  作者: 大和草
第六章 覇権国のさらなる発展

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418話 きぼうの生活

きぼうステーションの生活 3交代制24時間稼働


きぼうステーションは、地球を約90分で一周する軌道上を周回していた。


そのため地上のように「朝が来て夜になる」という感覚は存在しない。


窓の外では約45分ごとに太陽が昇り、また約45分後には地球の影へ入り夜となる。


一日に十数回もの日の出と日の入りを繰り返す環境では、人間の体内時計は簡単に狂ってしまう。


さらに、きぼうステーションでは生命維持装置の監視、通信衛星とのデータ送受信、科学実験、外壁設備の管理など、どの時間帯であっても停止させることのできない任務が数多く存在していた。


そのため宇宙軍は、地上と同じ勤務形態ではなく、海軍の経験を参考にした三交代制二十四時間運用を採用した。


ステーション内部では時間そのものを「日本標準時」に統一し、すべての時計、コンピューター、勤務表が同じ時刻で管理される。


外では四十五分ごとに昼夜が入れ替わっていても、乗員たちは照明や生活スケジュールによって地上とほぼ同じ生活リズムを維持していた。


A班(早朝~昼勤務)


一日の始まりを担当する班である。


地上との通信量が最も多くなる時間帯でもあり、各地の研究施設や宇宙軍司令部とのデータ交換、衛星群との通信確認、夜間に収集された観測データの整理などを行う。


担当任務


地球観測装置の起動確認

通信アンテナ・衛星ネットワークの監視

生命維持装置の朝点検

気象・災害観測データの送信

科学実験の準備作業


勤務開始前には全員で短いミーティングが行われ、前の班から引き継がれた内容を確認する。


「酸素濃度正常。」


「二酸化炭素除去装置、異常なし。」


「太陽電池パネル発電量、予定値を維持。」


そんな簡潔な報告が次々と交わされる。


その後、それぞれが担当区画へ散り、静かな宇宙空間で一日の仕事が始まる。


B班(昼~夜勤務)


最も活動量の多い時間帯を担当する班である。


大型実験の実施や船外活動(EVA)の多くは、この時間帯に集中して行われる。


担当任務


無重量環境での各種科学実験

船外活動による設備保守

ロボットアームの遠隔操作

新規実験機器の設置

地上研究機関との共同実験


船外活動の日には、宇宙服を着用した隊員がエアロックへ向かう。


生命維持装置を確認し、安全ロープを接続。


ハッチが静かに開くと、漆黒の宇宙と青く輝く地球が視界いっぱいに広がる。


その光景は何度見ても飽きることはなく、多くの宇宙飛行士が「最も美しい景色」と語った。


しかし、作業中は景色に見とれる余裕はない。


一本一本のボルトを締め、配線を確認し、巨大なソーラーパネルや通信アンテナの点検を正確に進めていく。


C班(夜~早朝勤務)


夜間担当とはいえ、宇宙では昼夜の区別は存在しない。


それでも地上との連携を考慮し、この時間帯は設備監視と長時間観測を中心とした勤務となった。


担当任務


生命維持装置の連続監視

電力システムの運転管理

宇宙望遠鏡による天体観測

放射線測定

ステーション全体の巡回点検


夜間は通信量が比較的少ないため、長時間露出による宇宙観測に適していた。


遠く離れた銀河や星雲を撮影する望遠鏡は、この時間帯に連続して稼働し続ける。


一方で、管理担当者は各モジュールを巡回し、


「異常なし。」


「温度正常。」


「圧力変化なし。」


と、一つ一つ確認していく。


宇宙では小さな異常が重大事故へ直結する。


そのため、どんな小さな警告表示も決して見逃されることはなかった。


すべての乗員は、


8時間勤務 8時間自由時間 8時間睡眠


という生活リズムを基本としていた。


勤務が終わると、その日の記録を次の班へ引き継ぐ。


その後は自由時間となり、それぞれ思い思いの時間を過ごす。


ある者は展望モジュールでゆっくり地球を眺め、ある者は読書をし、ある者は家族へ送るメッセージを作成する。


運動室では毎日二時間近い筋力トレーニングが義務付けられていた。


無重力では筋肉や骨が急速に衰えるため、


ランニングマシン、エアロバイク、ゴム抵抗式トレーニング装置などを使い、地上と同じ筋力を維持していた。


食堂では班の違う乗員同士が顔を合わせることもあり、


「今日の船外活動はどうだった?」


「新しい結晶実験は順調か?」


「地球は今日も台風が多いな。」


といった会話が自然と交わされる。


こうした時間は、長期間閉鎖空間で生活する宇宙飛行士にとって重要な精神的支えでもあった。


常に10〜12名が活動する宇宙都市


この三交代制によって、きぼうステーションでは常に10〜12名が各区画で活動を続ける体制が維持された。


誰かが休んでいる間にも、科学実験は止まらず、地上や人工衛星との通信も続き、生命維持装置は監視され、宇宙望遠鏡は新たな観測データを収集し続ける。


まさに巨大な研究所、工場、司令部、そして人々が暮らす都市が一つになった存在であった。


こうして「きぼうステーション」は単なる宇宙実験施設ではなく、人類が宇宙で恒久的に生活するための最初の本格的な宇宙都市として、昼夜を問わず静かに活動を続けていくことになる。

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