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さんじゅうさん うふふふ! ~リューナ~

※リューナが変です。

「お前はリューナ・アブヒラドールか?」


 名前を呼ばれた瞬間、最初に来たのは驚き。次に初めて名前を呼ばれたことに…そして、私の名前を知っていると言う事実に喜びと言うか、幸せな想いが胸に…。


「あう…あ…」


 あまりの幸せなことに思わず口をパクパクさせてしまったわ。


 やだ、やだ!!なんてこと!!なんて素晴らしいのかしら!!今日は記念日ね!!確か、一年前に、『初めて靴を磨いた記念日』(※部屋に適当に脱ぎ散らかしていた履いていない靴です)にしていたけれど…。今日からは初めて名前を呼ばれた日ね!!うふふふふ!!ぐふふふふ!


「ふ…ふふふふふふっふ!!うふふふ!


 なまえ…なまえを呼ばれちゃったわ!うふふふふ!わが君に、わが君に…」


 頬を両手で覆って悶えてしまう。


 なんていい日なのかしら!!今日は人生で一番いい日かもしれないわ!!もう、さっきの通路を始めて通る権利なんて…かなり惜しいけれど…。この失礼な従者を許してあげてもいいわ。しかも、さっきは嫉妬じゃないって言っていたけれど、照れ隠しというやつかもしれないわね!アランの名前を出したら、急に眉間に皺を寄せて考え込んでしまったもの。


 そうよね!殿方は恥ずかしがりやだと母さまも言っていたもの!


 でも、はっきり否定しておかないと!!アランと誤解されるなんて、全然嬉しくない!!


「…アランティスはお前の知り合いか?」


 きゃ――――!!やっぱり嫉妬?!嫉妬なのよね?!うふふふふ!!


 はっ!ちゃんと否定しないと!


「いいえ!私が街でぶらぶらしていると、勝手に付いて来て、まとわりついて来るんです。本当に迷惑しているんです!!」


「いや、お前と同じことしてるだけだろ?」


 !!?なにこの従者!さっきから…!私の言うことにいちいち反論してきて。教会で会った時はもうちょっとおとなしいと思ったのに。


「なによ!!私は『愛』ゆえの行動だけど、アランは違うわ!!」


「違うって何が?」


 もう!なぜこの子の質問に答えなきゃいけないのかしら。でも、わが君に、従者の質問にも答えない冷たい女だって思われたくないし…。それにしても、さっきからわが君の色々な顔が見れるわね。いつもは不機嫌そうな顔か、不敵な笑みかを浮かべていることが多いけれど、今日は、ちょっと驚いたようなお顔やふっと思わず零してしまったような笑みや…。


 決めた!今日は『初めて色々なお顔が見られた日』これも記念日に追加しなきゃ!!


「彼はただ単に、おもしろがっているだけよ。彼はにこにこと笑みの仮面を常に被っているわ。大人でも見破れないようなほぼ完ぺきな仮面よ。


 それでも、彼はもっと見破られない仮面を必要としている。


 なぜ、そんなものが必要なのかは分からないし、どうでもいいけれど、彼は私で試しているのよ。


 その仮面の仕上がりを…」


 だから、彼のそれは『愛』でも『恋』でもない。


 そうなのよね。アランはたまたま父さまが滞在していたお店で出会ったの。


 初めて会った時は、なんて面白味のない子どもだろうって思ったわ。だって、あまりにも同じ顔で笑っているのだもの。でも、あの仮面はふつうの大人では見破るのは難しいのではと思うのよ。私?私はそういうのは分かるように教えられてきたもの。商人たるもの、人の表情の違和感くらい、気が付けなくてどうするの?


 会うたびに上手く仮面を被ってくれるものだから、だんだん本当に笑っているのでは?と思うようになってきたわ。あと…そうね。5年もすれば、きっと私では見破れないくらいに完璧な仮面になるのではないかしら。って、どうでもいいわね。


「グランドラ…。騎士の家系だな」


 はっ!わが君の喋る言葉を聞きもらすところだったわ!


「はい、その通りです」


 あぁ!考え込んでいる姿も素敵!どんな表情でも絵になるなんて!ああ!今、絵師が必要だわ!なんて麗しい姿なの!!そうだわ!私が絵師になればいいんだわ!!いい案ね!そうすれば、今、この瞬間を切り取れる!!って、私程度の人間が、わが君の姿を描こうなんて…不敬だわ!!


「北に行っているのか…。会うことは可能か?」


「!?」


 いやだ!どうして?!アランなんかに会いたいだなんて!?


 !もしかして!?そう。そういうことね!私に手を出すなとか、牽制されちゃったり?きゃあああぁ!!なにそれ!なにそれ!!?かっこいい!!


「…いや、絶対違うだろ」


 あら?従者に反論されたわ。声に出していたかしら?


「いや、顔見たら何考えてるか、手に取るように分かるから」


 むっ!私これでも、ポーカーフェイスはうまいって言われてきたのに!中兄さまなんて……。




 はっ!!しまった!!目的をすっかり忘れていたわ!!



「あの!!わが君…!」


 伝えなきゃ!例え、中兄さまを裏切ることになろうと!父さまに交渉できなかった時点で、私にはわが君に伝えることしかできないもの。


「…フィアレインだ」


 え?


「フィアレインと呼べ」



 !!?



 どこかで彼女と似たようなキャラを書いたと思っていたら、別作(「転生したなんて~」)の某弟と気持ち悪さが同じという…。あれ?ストーカーキャラが増殖しているな…。

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