並行世界δ
「………ん!………ちゃん!……………おにぃちゃん!」
「うぉ!......なんだ愛衣か。びっくりさせるなよ」
俺がぼーっとしていると妹(と言っても義理だが)の愛衣が俺を呼んでいた。
「おにぃちゃんが勝手に驚いたんじゃん。早くご飯作ってよ〜愛衣お腹と背中がくっついちゃうよ〜」
「わかったよ。ちょっと待ってろ」
さて、何を作るかな?
「ハンバーグ!愛衣はハンバーグが食べたいです!」
愛衣はハンバーグが大好きだ。しかし
「お前、一昨日も昨日もハンバーグだったじゃないか」
「愛衣はおにぃちゃんの作るハンバーグが大好きなのです!」
「はぁ......しょうがないな」
そう言いながらキッチンに向かいハンバーグの準備をした。ただ作るだけでは面白くないので愛衣が嫌いな人参やピーマンも細かくして......いや、人参は細かくして入れてピーマンは......
「愛衣ーできたぞー」
「やったぁ!」
そう言いながら俺の持ってきた皿の中を見た。そうしたら急にブルーになった。理由は
「今日はピーマンのハンバーグ詰めだ。いただきます」
「いっいただきま......す」
愛衣はそう言うとご飯ばっかりを食べている......まったくしょうがないな。俺はピーマンのハンバーグ詰めを小さく切って
「ほら愛衣、あーん」
と言いながら愛衣の口元に持っていった
「んー.........はむっ」
愛衣はしぶしぶながらハンバーグを食べた
「あれ?苦くない......これなら食べられる」
「よくやったな。愛衣」
そう言いながら頭を撫でてやった。
「おにぃちゃん!明日からずっとこれね!」
「お前は本当に極端だな。まあ週1ぐらいで作ってやるよ」
「やったぁ!おにぃちゃん大好き!」