第69話 栗毛聖女、聖地巡礼へと旅立つ。
私は加護スキルを取得するためにプリアちゃんを除く皆に聖職者への転職をレクチャーします。
「聖職者の初級職である修道士・修道女への転職課題はこの教会から4つの聖地巡礼を行うことです。まずはそちらの司祭様に話しかけます」
夜天女神教会・中央支部、その礼拝堂にいるおじいさんに私は話しかけて《聖女》へと転職します。
「聖女としての貴女の活躍に期待しておるぞ」
「こんな感じで転職条件を満たせば聖職者になれるから、まずは話しかけて、それから巡礼に行こう」
聖女の転職条件は他職への転職を行わない事ですが、一度でもその世界の聖女になってしまえば再転職可能です。
「私もこれで聖職者か~」
「アユちゃんはステータスがINT極振りだから修道女で覚えられる魔法もそれなりの威力になるよ」
「んー。私はイベントで取れるスキル以外はいらないかな? スキルポイントは大魔法のために貯めておきたいし、それに私は聖属性付与できるからさ」
「そういえば、ヒューイ君が大魔法使ってたけどアユちゃんはまだ覚えられないの?」
トロピドラゴン戦でヒューイ君が使った大範囲魔法・暴風秘箱は大魔法に分類されると思われます。ということは、アユちゃんもそろそろスキル欄に大魔法スキルが出てきていてもおかしくはないのです。
「実はもう出てるんだけどさ、混沌濁流って私のイメージと違うから別の大魔法スキルに期待して保留にしてるんだ」
「そうなんだ。アユちゃんは〝鮎〟だもんね」
アユちゃんはブレないなーと思いながら、称号である〝鮎〟が〝清流の女王〟と呼ばれているからという理由に納得してしまいました。
「ねえ! 私はこの世界の修道女に転職して大丈夫かな?!」
「えっと、大丈夫だよ。《聖女》になる条件は《《聖職者以外》》に転職することだから」
プリアちゃんが私に転職しても大丈夫か聞いてきた理由に思い当たり、大丈夫だと答えます。
「その辺りはコンバートする時に調べたからね」
「ふむ。皆、スキルは加護スキル、他にもイベント取得できそうならと言った感じかのぅ」
「色々な系統スキル使うからミコさんもだよね?」
「うむ」
最近は〝槍術〟と〝呪術〟スキルが主で戦っていますけどミコさんは〝拳術〟スキルも使って臨機応変に戦うスタイルです。なのでレベルが上がる度にすぐにスキルポイントを振っていましたので聖職者スキルに振る余裕はやはりないようです。
「俺とガイはせっかくだし防御系のパッシブスキルを取ろうと思う。耐久力の底上げは生存率に関わるからな」
アレスさんたちも方針を決めたようで、続々と転職課題を受けていきます。
「じゃ、ラピスちゃん! 聖地への案内よろしく〜!」
アユちゃんが私の背中を押して教会の出口に向かいます。こうして私による聖職者志願者の聖地巡礼引率が始まりまるのでした。




