第60話 栗毛武道家、【厄災】トロピドラゴンと戦う①
たどり着いたそこには確かにドラゴンフルーツの木が一本ありました。
「近づいても何も起きないですが⋯⋯」
「で、コレをどうすりゃ戦えるんだ?」
「知らぬ。封印されているとしか言っておらんかったからのぅ」
アレスさんとガイさんが剣で斬りつけたりしてみますが反応がないので頭を抱えますが、ミコさんのいうように封印解除の方法は聞いていないのです。
「とりあえず水着になって棒で叩かない?」
「そうだね。試してみる価値はあるかも」
「さすがアユちゃん!」
「さすがに何も起きんと思うのじゃが⋯⋯、わっちも一応やるのぅ」
「「「「やーっ!」」」なのじゃ」
ダンッ!
私たちは"水着"と"鹿木氷の棒"を装備してドラゴンフルーツの木を叩きましたが何も起きません。それにしてもアユちゃんにノッてくれるミコさんは本当にいい人ですね。
「アイツら何してんだ?」
「⋯⋯私にはわかりません」
「俺にもわからん。⋯⋯まあ、ミコさんの水着姿をまた見られただけで俺は十分だけどな」
「「「え?」」」
アレスさんたちは頭に?を浮かべ続けました。私も武器種[槍]に分類される装備で魔法使いも含めて全員で水着になって木を叩き出したらそうなるかもしれません。⋯⋯随分とストレートに言いましたけど、アレスさんはミコさんが好きなのかな?こちら側では私しか聞こえて⋯⋯。
「あやつは何を言うとるのじゃ! まったく! ⋯⋯そりゃ、私の好きを詰め込んだ女の子キャラが小倉 ミコだが、他人からそう見られるのはむず痒い⋯⋯かも⋯⋯」
バッチリとミコさんにも聞こえていたようで狐耳の先まで赤くなってます。そんなとても可愛いミコさんですが、リアルでは普通に"私"って話すんですね。
「⋯⋯はぁ、うちの男連中はバカばっか。巣に向かう時にアユちゃん言っていたよ? スイカニッパーを"鹿木氷の棒"で叩いたって」
ハナさんは私とミコさんの反応を見なかったことにして、私たちの行動の意味を何度も彼らに説明して理解させます。
「───ね! トロピバード関係なら何かしらあるかもって考えられるでしょ? そういえばフワマリンネの時はどうだったの?」
「えっと、祭壇の部屋に入いるための封印がしてあって⋯⋯、その解除には"フワマルの宝玉"が必要だったんです」
「⋯⋯あっ!」
ハナさんにレアアイテム、"フマワルの宝玉"の話をしているとアユちゃんが何かを思い出したように一枚の羽根を空に掲げます。
「アユちゃん。それって何?」
「いや〜、私も忘れてたんだけどさ、この大陸に来る前に襲ってきた鳥の羽根だよっ───と」
「羽根がっ!」
「離れるのじゃ!」
アユちゃんの説明が終わる前に大地が揺れ、ドラゴンフルーツの木が盛り上がり始めます。アユちゃんの持っていた"極彩色の羽根"は地面から伸びてきた帯状の【厄災】に奪われ、私たちはミコさんの言葉に従い距離をとりました。
「出てくるぞ!」
ゴゴゴゴッ!
ガイさんの言葉で振り返ればそこには【厄災】の渦を身に纏わせた巨大なトロピバードがいました。
「って、ただのドラゴンフルーツのトロピバードじゃん!」
「だな」
アユちゃんのツッコミに全員が同意します。
「───"天穹・始導"ッ!」
私は先手を取るためにトロピバード戦の定石通りに破魔矢を放ちます。
「効かぬとは思うが、効けば儲けもんじゃ! ───付与呪術・反転金縛ッ!」
トロピバードといえどスイカニッパーと同じくやはりボス、麻痺の類は効かないようで矢のダメージだけ入ります。
「やはり効かぬか」
「あ、攻撃が当たってHPと名前が出てきたね。名前はやっぱりトロピドラゴンなんだ⋯⋯」
私はもうトロピドラゴンってなんだろう?って感じですけど、私たちの【厄災】二戦目が始まりました。




